第3話 カフェ喫茶「テト」/買物ト物事
***
TRIGGERの拠点のあるビルの地上1階。
そこには、カフェ喫茶「テト」があった。
そして、その中で、二体のケモノがカウンターに座って話をしていた。
一体は、男型の体型で黄色の体毛に、明るい色のスーツを着こなし、眼鏡をつけている、155ないくらいの身長である。
このケモノの名前は、「時雨 軽助」。
TRIGGERの団長兼、創立者である。
そしてもう一体、名前は「火蔵 豪」。
男型の体型で暗めの銀色の体毛に、大き目の帽子を付け、所々不規則に赤色の入った黒色と灰色の中間のような色のコートを着ており、右手に腕時計を付け、黒色の手袋を付けている、政府直属の能力者で、ルーラー専門の刑事である。
身長は時雨よりも微かに高い。
軽助「で、なんでお前はまた来たんだ?」
豪「いつも通りだよ、いつも通り。で、最近、なんかあったか?」
軽助「そうだな。別にあまりないな。ただ、最近は仲間に、「もっと真面目に責任感を持て」って言われたことぐらいだよ。」
豪「ふッ。 (口元に手をつけ嘲笑う)お前らしいな。」
軽助「てめぇ、絶対後で殴る。」
豪「まぁ待て待て。俺からも情報を出そう。最近、ルーラーが現れる時、その周辺に怪しげなケモノがいるらしい。ただ、毎回いるというわけではなく、定期的に現れているようだ。しかも、それが一体だけじゃなくてな、複数体のケモノが交代でやっているようだ。紫色の体毛の奴、薄黄色の体毛の奴、灰色の体毛の奴だ。」
軽助「なんか、情報が大雑把しなさすぎないか?全く、他の奴らは何をやってるんだ...」
豪「うるせえな。こっちだって他の奴らの場所に行くのは1カ月に1回なんだよ情報が少なくてもしょうがねぇだろ。てか、俺は便利屋じゃねえんだぞ。」
軽助「え、違うのか?」
豪「ちげぇよ!!」
その時、カウンターで皿を洗っていた一体のケモノが話に雑じってくる。
水色の体毛に、白色の長袖の上着を羽織り、黒色の腰エプロンを付けている。
このケモノは「手平場 徹」。
カフェ喫茶「テト」の店長である。
徹「五月蝿い迷惑だろが狸共。」
軽助・豪「誰が狸だ!!」
徹「お前等が狸だ。まぁ、今は他に客がたまたまいないからいいが、他の客がいるときは黙ってろ。と、いうか、火蔵。そろそろ時間じゃないのか。」
豪「ん? (腕時計で時間を確認する)あ、やべぇ!!んじゃ!!」
そう言って、火蔵は出て行った。
軽助「全く。騒がしい奴だ。」
徹「それがあいつらしいとも言えるがな。 (豪が飲んでいたコーヒーのカップを回収する)」
軽助「迷惑とも言えるがな。」
徹「ふッ、それもそうだな。さて、ちょっと真面目な話をしようじゃないか。」
軽助「あぁ、今回はそのために来たんだからな。」
***
ほぼ同時刻。
アオギリ区のとある場所にある繁華街。
食品から生活品まで、あらゆる物が売られている、アオギリ区の中でも一番大きな繁華街である。
そこに、二体のとあるケモノがいた。
一体は「左海 鳴」。
女型の体型で赤色の体毛に、メイド服を改造して作成した服を着ており、鋭利な眼差しの目をしている、145cmより少し小さめの身長である。
もう一体は「園崎 六花」。
女型の体型で薄黄色の体毛に、キッチリとしたスーツに身を纏わせ、特殊なゴーグルをおでこの部分に置き、ベルトには小さな物入れを複数個をつけ、あまり見ないような特殊な構造をした靴をつけている、140cmより少し小さめの身長である。
二体共、TRIGGERの一員である。
そんな二人は、繁華街を両手に荷物を持ちながら歩いていた。
鳴「さて、まだ買い足りない物はあったかねぇ。」
六花「いえ、先ほど確認したところ、全て買い終えていました。もう買う物はありません。」
鳴「お、そうかい。なら、さっさと帰っちまうか。」
六花「そうですね。恐らく、糸冬さんと陰裏さんも帰っていると思うので、帰ってしまいましょうか。」
鳴「ようし。んじゃ、変えろっか。」
六花「ええ。」
そう言いながら、帰っていた、その時だった。
「キャアアアアァァァーーーーーー!!!!!!」
その悲鳴が、繁華街に響き渡る。
皆がその声に反応し、そちらの方を向く。
二人も同じように、そちらを見る。
そこには、一体のルーラーと、ルーラーの傍で倒れこんでいる1体ケモノがいた。
大きさ約2.5m、右目は灰色、左目は赤色、かなり筋肉質な肉体に、4本の手の指、6本の足の指、非常に刺々しい見た目に、細身のケモノであれば掴めてしまう手を持った、大き目のルーラーであった。
そして、倒れているケモノは、意識はあるようだが、少し恐怖に体がすくんで動けないようだった。
それを見たケモノ達は、一気に散らばり、皆逃げていく。
それなりにケモノがいるので、とても混雑した道を、住民たちが逃げていく。
そして、残ったのは、ルーラーと、倒れているケモノ、そして左海と園崎だけだった。
「グググギグガガアアァァアアァーーー!!!!!」
そう言って、ルーラーはケモノに襲いかかろうとする。
左海「全く、面倒事になっちまったねぇ。さっさと片付けるよ!」
園崎「えぇ。今すぐ、捻り潰します。」
そう言いながら、二人は持っていた荷物を置き、左海は覚悟を決め、園崎はゴーグルを付ける。
園崎「では、被害者のほうはお願いします。」
左海「あぁ。任せな。」
園崎「(アイコンタクトを取る)では、行きます。」
そう言って、二体はルーラーのほうへと向かっていった。