第7話 俺は彼女が出来ない
俺は暫く歩いた。
そして、遂に森林地帯を抜けて火山地帯に来た。
...どうやら魔界にはやっぱりまともな場所はないようだ。
俺は暑くて体が焼けそうになる大地を歩く。そして魔獣などが襲ってきたら自爆を繰り返す。
それからも歩き続けて一つの集落を見つけた。
俺はそこに近づくといつもなら襲ってくるのに彼らは襲ってこない。
「お前らどうしたんだ?」
俺は彼らの話を聞く。
どうやら先ほど大きな爆発があり、自分たち以外。集落含めて全部が爆発で吹き飛んだようだ。
...俺のせいかな。
俺は少し申し訳なく思って彼らの為に暫く働いた。
食べ物に困れば彼らの為に魔獣を狩り、敵襲が来れば俺が対処した。
それから俺は一人の女性と仲良くなった。名前はカレン。
彼女は少し男勝りで粗野だが、顔は良く俺と仲良くしてくれた。
...俺は思った。今度こそ彼女が出来るかもしれないと。
それから数日後、この村に一人の男が来た。
「ここに人間が匿われているって噂を聞いてきたら本当に居るじゃねぇか...」
そう言って彼は名乗りを上げた。なんか吐息がすごかった。
「俺の名前はハームゥ...これでも魔界十三騎士の一人だ...」
それから彼は俺を睨みつけて言う。
「俺の彼女のソフィーユを散々痛めつけてくれたみたいじゃん...許さねぇよ...」
こんな吐息野郎にも彼女がいるのか!こんな自分にうっとりしている奴でも。
俺はそれを聞いて思わず自爆してしまった。吹き飛んでいく再建設したばかりの集落...
今まで自爆するときは遠くでやっていた。
自分が集落を壊したことがバレない為に。
俺はカレン達の方を見る。
「お前が私達の集落を壊したのか!このクソ野郎が!」
彼らは怒っていた。顔から分かるほど怒っていた。
そして血相を変えて俺に襲い掛かってくる。俺はそいつらの魔術や矢を避けながら必死に逃げていった。
俺はそれから失恋した痛みを感じながら火山を進んだ。歩いているだけでも胸が痛かった。そしてカレンは胸が大きかった。
哀しみを抱えながらひたすら進む。
なんで俺は彼女が出来そうになるといつも邪魔が入るんだ...
そんなことを考えながら火山の守護者などを倒していった。
そして俺は遂に火山を抜けて草原へ出た。
久々のまともな所に出て嬉しいはずなのに俺は何故か喜べなかった。
...俺は呪いで死ぬ前に自爆した。
俺はまた冥界に居た。
そしてまた閻魔に慰めてもらった。
それから冥界で遊んで元気が出たので現世に帰った。