第6話 俺は縛られる
俺はまた冥界にいた。そして右手にはあの剣がまだあった。
「君、それは死の剣じゃないか!持ったものは必ず一時間で死ぬと言う!」
どうやら閻魔の話によるとこの剣はかつて最強の魔王バールスが最後に力を全て注ぎ込み使ったと言われる魔剣らしい。
その剣の呪いで死んだ者は冥界には行けず、呪いによって何処かへ連れてかれるそうだ。
つまり俺は呪いで死ぬ前に自爆で死ななければならない。
これ地球に帰ったら流石に手から離れるよね?
俺はそれから現世に戻った。
すると、遺跡は勿論森林一帯が全て無くなっていた。
ドイウコト?俺の自爆はここまでの力は無かったぞ!
俺は暫く考えた。
そして、俺の視線は右手の剣に送られる。
こいつのせいなのか?
俺は問うがもちろん剣は答えない。
どうやら俺は一段階強くなったらしい。
それから俺は暫く更地になった森林を歩く。
俺の身体は歩くだけでまるでメジャーリーガーのストレートのような速さで前に進む。
しばらくそんな風に歩いていると声を掛けられた。
「お前がここを更地にしたものか...」
そう言って彼女は俺に名乗りを上げる。
「我は魔界十三騎士にしてこの森林を守る者!縛りのソフィーユ!!」
すごい剣幕だ。どうやら俺が森林を壊したのを憎んでいるらしい...
俺はすぐに自爆をしようとするが力が発動できない。
そんな様子の俺を見て彼女は馬鹿にするように笑う。
「お前たち勇者はスキルしか強くはない。だから私の力でスキルを縛らせてもらった」
...この状態で一時間経ったら俺やばいじゃん!前回死んだの何分前だっけ。
俺がそんなことを考えている間に彼女は俺に対して突っ込んでくる。
だが、やけに彼女の動きが遅く見える。俺は近づいてきた彼女に向けて思わずビンタする。
「フッ!べぇぇぇぇ.......」
彼女は回転しながら遠くに飛んでいった。
...俺の力強くなりすぎてない?
俺はそんなことを考えながら彼女の飛んでいく様を見ていた。
...やばい、早く自爆しないと!俺はそのあと急いで自爆した。