第2話 俺がキングだ
目が覚めると俺は女神と一緒に冥界にいた。
暫くすると案内人の鬼に連れられて閻魔様の前で立たされた。
「えっと、君は女神に抱き着いて自爆をして死亡。神を殺しちゃ流石にいけないでしょ... 君には冥界で千年間の労働義務を課せる」
「それとクロエさん。あなたも自分が神だからと言ってチートスキルと偽り間違えて作ったハズレスキルを渡すのはいけないですよ... あなたには百年間ここで反省してもらいます」
こいつあの時そんなことをしていたのか。神だから俺より罰が凄い緩いし....
俺達はそう言い渡されるとその場を去った。
「貴方のせいで巻き添えを喰らってしまいました。もしあなたが冥界から帰ってきたら生きていることを後悔させてあげます」
このクソ女。自分のことを棚に上げて人を責めやがって。
俺は怒りに震えた。
その後、強面の鬼に連れられて仕事場に案内された。
どうやら初日は針地獄の針の取り換えをするそうだ。
俺は先輩に倣って仕事を始める。
だが仕事中、先輩は急に蹴ってきた...
俺は体中が穴だらけになった。
でも起き上がるとすぐに傷が塞がる。冥界では死ぬことは無いのだろう。
俺はそれから百年間必死に働いた。
ある時は初日の様に針地獄の針を取り換え、ある時は閻魔様の肩を揉む。またある時は鬼たちの憂さ晴らしに金棒で殴り続けられたこともあった。
俺はもう我慢の限界だった!
しかしここから脱出する方法が見つからない。
何か方法が無いか考えていると、一つのことに気づく。
この冥界では死ぬことは無い。
それなら、自爆を使ったらどうなるのか。
それに気づくと初日から毎日いびってきた先輩目掛けて突っんで自爆した。
身体がすぐさま爆発する。やばい!凄い体が痛い!!
だが俺の身体はすぐさま復活する。どうやら先輩も復活していたがすっかり腰を抜かして俺に怯えていた。
俺は彼に唾を吐き捨て言った。
「雑魚い奴がイキってんじゃねーぞ!」
それから、俺を止めに鬼どもが周りから集まってくるが俺はひたすら自爆をする。
「雑魚が何人来ようと結果は一緒だぞ?」
俺は気持ちよかった!自分よりヒエラルキーの高いと思っていた強者をなぎ倒す快感に溺れていた。
「俺に勝てる奴は居ねぇのか!」
そう言って周りを見るが皆俺に委縮していた。
最高に気持ちいい。
今までさんざん見下されてきた俺がそんな見下していた奴らを跪かせた。
俺は近くの鬼どもに命令して人間ピラミッドならぬ、鬼人ピラミッドをやらせた。
俺は全員が一丸となってピラミッドを作って誇らしい顔をしてこちらを見つめる。
...俺はそんな彼らに近寄り自爆した。
俺はそれからも好き放題した。
そんな俺を見兼ねた閻魔は俺をしょうがなく生き返らせた。