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壊れた世界の迷宮で  作者: 風見渉
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旧都迷宮

 東京(トーキョー)──旧東京駅丸の内の地下には巨大な地下迷宮がある。





 旧時代の遺跡の地下迷宮。

 現在は魔窟化をし日々刻々と姿を変え今も尚自ら迷宮を自動拡張をしている。

 迷宮内で力尽きたものは、魔物も人間も問わず吸収をしていく──それを糧にして新たな魔物を産み出し、そして迷宮を奥深くへ拡げて行く。





 21世紀初頭──世界は終焉した。いや、それまでの世界が終わった。

 突如()()()()()世界と融合し──歪に分裂した……それが今の世界だ。

 魔物、という概念はその時現れた。


 人間は未知な生物に戸惑い、武力を投入したが──ある程度以上の魔物には敵わなかった──魔力、と言われるものの差であった。

 人間達は当初魔物(それら)を駆逐出来ず──渋々ながら居住区を狭め、住み分けざるを得なかった。


 



──24世紀

 幾つもの国が滅び、高度な文明が衰退し、かつての総人口の二割弱にまで落ち込んだ人類。

 文明レベルが17世紀ほどまで巻き戻っていた。


 だが、人類は強かにも“魔法”が扱えるものを時折産み出せるように進化をしていた。

 かつてのRPGのような魔法使い。かつての夢物語を人類は手にすることは出来たが、代償は大きかった。



「ユウト!試験やっぱり受けるのか?」


 ユウトと呼ばれた漆黒の髪の少年は、今年14歳になった。


 14歳になると試験──迷宮ハンター…各地に点在する迷宮に入るための資格──を受けることが出来るようになる。

 ランクによって立ち入ることができる階層が変わるが、それは各迷宮によって異なっている。

 各迷宮は【迷宮監理局】によって厳格に管理され、迷宮の入口1㎞以内は有刺鉄線を使った高い塀で囲われ入ることは出来なかった。

 

「ヒロか…。受けて合格しないと、入れないじゃないか」

 

 ユウトにヒロと呼ばれた少女──いや少年だ。栗色の髪に青灰色の瞳の線の細い美少女に見える──は出来れば試験を受けさせたくなかった。

 彼らは迷宮孤児──迷宮内で行方不明となったハンター達の遺児である。


「何もハンターじゃなくても…」

「でも、稼ぐのに手っ取り早くていいからさ」


 確かに迷宮内で取れる鉱物や素材は高値で買い取ってもらえるが、迷宮に吸収されてしまったら元も子もない。

 割りは落ちるが、もっと安全な仕事もある。


「院長先生に少しでも返したい」


 少々財政難に陥ってる孤児院の院長の負担を減らしてあげたいという性根の優しい少年だった。

 昔、東京駅丸の内地下(確か総武快速のホームの更に地下)に入ったときに、案内ないと生きて帰れる気がしないと思ったのが元です。

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