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配信2回 歌ってみるのも難しい

ところでこれコメディーでいいんですかね?

 自分の自己紹介動画を投稿した後に、自己紹介動画について調べてみた。おそいんだよなぁ。

 どうやら名前、好きなもの、嫌いなもの、何をしていくか、といったことを質問に答えるような形で話すのが多く見受けられる。

 あと最初の動画ということで、なんか編集に気合が入っているように感じた。


 俺の事故紹介動画は完全にクソである。BGMなし、テロップなし、なんかいきなりアカペラで歌う。そのせいで尺が汁を吸った麺みたいに伸びる。馬鹿か?


 まあもう投稿してしまったので仕方がない。いつかちゃんとした自己紹介動画を作るとしよう。


 Q ところでアカペラの件だが、なぜ伴奏なしなのか?


 A 著作権がよくわからないからです。


 アカペラだとごまかしがきかなくて下手さが際立つ。俺は際立った。


 とにかく、元の音源を流したらダメっぽいことが判明。

 自分で弾くのはあり。できませんねぇ! 楽器はあるんですけどねぇ!


 じゃあどうするか?


 アカペラでいいじゃんってなった。


 ちなみに探せば耳コピした音源とかが使っていいですよーってあったりする。使えよ俺。



◆◇◆



 実際問題として、歌ってみたは楽である。


 稽古の場合、道着を着て、風景とかから撮影場所を考えて、撮影して、編集しなければならない。

 これが歌ってみた(アカペラ)になると、テキトーに歌って録音する、背景画像とVRアバターと編集でドッキングして終わり。

 そういうとこだぞ。動画が伸びないの。

 もっと丁寧に作りなさい。


 ただ困るのが、俺は別に歌がうまいわけじゃないことだ。深刻な問題である。

 マイクの音量調節なども素人ではうまくいかない。歌っていると音割れするのに、普通に話すと音が小さい。みんなどうやってるんだ?


「とりあえず歌ってみたでしばらくつなぐか」


 もちろんアカペラで。


 なぜか伴奏をつけないあたり、馬鹿なのである。



◆◇◆



 何曲か歌ってみて分かったことは

・声が大きくなるところで音が割れる

・話すと声が小さい

・動画を投稿すると音量が下がる

・そもそも俺、歌下手だわ


 技術的な面は機材やノウハウでどうにかできそうだが、歌が下手なあたりは救いようがない。

 猿叫とかしてると咽喉が死ぬので仕方ない。


 そんな折、高校時代の同級生から連絡があった。


「随分久しぶりだな。7年位ぶりか?」


「まさか出るとは思わなかったわ。今まで連絡しても出なかったのに」


 通知があっても折り返さなかったので話すのは久しぶりだ。

 俺が出れるときにかけてこないこいつが悪い(クソ野郎的思考)。


 ひとしきり現状の話なんかをした後に


「そうだ。お前曲作ったりできる?」


 この友人は音楽系の部活に入っていた。

 俺は作曲に手を出してみたものの、作曲ソフトに見事に単調なドラムだけが打ち込めたのでセンスのなさを痛感していたところである。


「できるっちゃできるけど。ものにもよる」


 曲の長さや、曲の種類によっては音作りからやらなければいけないから数か月かかったりするという。

 何種類も楽器を使うのではなく、アコギだけで弾き語りっぽくできないのか聞いたら、そっちのほうが難しいと言われた。

 作曲は謎の世界である。


「じゃあ明日行くから、作曲よろしく」


「刀見たいから持ってきて」


 7年ぶりの再会は、いきなり曲作りからスタートになった。


 いきなりすぎてちょっと脳みそが追いつかなかった。



◆◇◆



 というわけで曲作り当日。

 ちょっと曲がる場所を間違えたりしながら友人宅に到着。


「おう、着いたぞ。シャッター開けろ」


 友人の誘導に従い、無事駐車完了。

 荷物を持っていざ参る。


「おじゃましまーす。あ、これどうぞ」


 その辺によって買った菓子折りを友人家族にわたす。

 外面は大事である。


「じゃあー、ベッドかイス、好きなとこに座って」


 今日はノートパソコンを持参している。

 ちょっとしたテーブルがあったのでそこに置かせてもらう。必然、俺の居場所はその周辺。ベッドの端っこに腰を下ろすことになった。


「こういう感じの曲がいいんだけど」


 好きなアーティストの曲を聴かせる。

 というか、この部屋音楽機材とかPCとかすごい。そのマイクくれ。


「とりあえずこの曲コピるから。歌詞考えといて」


「いや、こんな感じの作風ってだけで、パクんのはちょっと。あと歌詞だけなら何曲分も書いてるけど」


「いや、コピっても完成したらだいたい原型とどめてないし。それと歌詞に合わせるより作った曲に合わせるほうが楽だから曲に合う感じで歌詞作って」


 ちょっとしてとりあえず曲ができたらしい。

 曲に合わせてその場でささっと歌詞を書く。それに合わせてちょっと曲も修正する。歌詞も微調整する。


 ちなみに今回は午後だけお邪魔して、ささっと曲を作ってみようということで、時間がないのでサビだけだ。


「こんなもんかー」


「おー」


 無事に曲完成。サビだけだが。

 元の曲の原形をとどめてないどころか、好きなアーティストの作風にも似ていない何かができた。

 この間、約1時間半である。

 遅いのかはやいのか俺にはわからん。


「でさあ、お前これやってみない?」


「なにそれ?」


 曲作りも終わってだらだらしているとなんか勧められた。どうやらフリーゲームのようである。


「俺が作ったやつなんだけどさ、評価も高いし、他のVtuberもやってるからやってくれよー」


 どうやらフリーゲームのサイトで1位を取ったりもしていたものらしい。

 会社作ったりもしてるし、こいつどんだけ手広くやってんだ?


「んー。俺のPCクソ雑魚だからなぁ」


 グラフィックを最低にしてゲームしてもガクガクするのだ。

 あと長時間つけっぱなしにするとバグる。この仕様は買ったときからである。返品すればよかった。


「これ軽いからたぶん大丈夫だって。やって」


「確かにこの形式のフリーゲームはカクついたりしないけど、録画と併用するとどうなるか……」


 俺はあんまりゲーム実況とかはやらないつもりでいたのだ。

 それに聞いてみると3週しないとトゥルーエンディングにならないらしい。なんでそんな仕様にした?


「ちなみにゲームオーバーのときの画像は俺が鬱ってるときに書いたやつだから」


 さいですか。


 とりあえず保留ってことで、その日は帰った。

 なんかサムネの作り方とかいろいろ教えてきやがった。そっち系の関係者から教えてもらったそう。せっかくなので作った曲のサムネでやってみることにする。


 ……全然再生されねぇ。


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