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優しさってやつ

作者: ゼブラ

「あなたは優しすぎて、もう無理。別れよ。」


また振られた。しかも同じ理由で。

今回の子こそはいけると思ったが、

半年経って時間の問題だなと悟ってしまった。


僕は狭い小道を石を蹴りながら歩く。

こんな気分の時はなんの音楽を聴こうか。


気分に順じたしんみりした曲がいいのか。

それとも気分に反した心が躍る曲がいいのか。


僕は広い道路の脇を沿って歩く。

こんな気分の時はどこを見て歩こうか。


空を見て気分を晴らすべきか。

地を見て今の自分を表わそうか。


僕は今振られた彼女のことを思い出す。


突然告白された。同じバイトの子だった。

僕はただの友達と思っていたのでびっくりした。


僕はその告白にOKした。

その子を好きになる努力をしようと思った。


たくさん奢ったりしたし、サプライズしたし、

LINEの文も何度も推敲したし、何度言い合いになっても

僕から折れた。


それでも半年たったころから明らかにお互い愛想が

尽きそうになってきている。


僕には理由がわからなかった。

僕が君に愛想を尽きそうになっているのも

彼女が僕に愛想を尽きそうになっているのも。


いっぱいデートしたじゃん。

いっぱい電話したじゃん。


それでも僕は振られる理由がわからなかった。


僕は家に帰って携帯を見た。

一つLINEが来てた。


「私の好きとあなたの好きは違うかもね」


`元`カノからだ。

僕はすぐに折り返し電話をした。


しかしつながらなかった。

ブロックされているのだろう。


僕は気付いてしまった。

僕は床にひざまずいて崩れてしまった。


僕は元カノのことを好きになれてなかったのだ。

僕の眼と彼女の眼は一点で昔も今も交わって

いなかったのだ。


大事なのはお金ではない。

見せかけの優しさでもない。


ーーー本当に大事なのは愛情の優しさだった。

僕は今気付いてしまった。











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