旅立ち
この物語はたくあん事、僕が知り合いも、仕事も、家もない状態で、あの某番組をパロディー化して勝手に自ら世界のどっかにホウチするという"完全ドMノンフィクションドキュメンタリー"小説である。日記も兼ねて敢えてブログではなく小説風にして書き下ろしていこうと思う。リアルタイム進行中である。期間は1年間。
友達を作り、住むとこも仕事も見つかり、なんなら彼女も出来るのか!?果たしてどうなるのか!?
2016年11月29日、僕は旅立った。
ディズニーランドへ行くという友人の車に便乗して多摩地区から成田空港へ。途中、高速道路で事故があり渋滞。旅にトラブルは付き物と言うが早過ぎないかい?
予定より少し遅れたが無事到着。友人との別れと再会を誓い僕は背中を向けた。
アエロフロートというロシアの航空会社に乗ってまず目指す先はモスクワ。ちなみに日本で最後に食べたのはカツカレー。美味しかった。
10時間ちょっと掛けてモスクワに着いた僕はトランジットの時間がギリギリだったので急いで次の便へ乗り込んだ。かなり寒く雪が降っていた、という事だけは覚えていた。
そして、目的地のポーランド。では、ないのだ。次の目的地はパリ。また4時間ちょっと掛けて飛び立った。
パリでの待ち時間はこれまた9時間程。夜の21時半頃に着いたのと前にも訪れた事があるので空港の中でひたすら待った。空港の中でも寒い。寝れそうな良い感じのソファもない。空港の中には僕と同じ様に寝泊まりして出発まで待っている人達がいた。みんなどういう理由でどこへ飛び立つのだろう。というそんな事を考えてみる感傷的な気持ちにはなれず、"寒い" "眠い"という感情しかなかった。そして、待ちに待った出発の時がきた。
2時間程掛けて向かうはポーランドはクラクフ。
首都のワルシャワが東京と言うのであればクラクフは京都。
ワルシャワではなくクラクフを選んだ。
というのも東京で生まれ育った僕は都会の窮屈な暮らしに嫌気が差していた。というか、最近になってそれに気付いた。常にモノやヒトでありふれている便利で騒々しい都会の暮らしに何も感じてこなかったのだ。猫を見かければニャーと会話しようと試みる(少し違うか。)位に当たり前の日常であった。
ポーランドに行く前はマルタ共和国とオーストラリアで働き住んでいた。そこで僕の価値観が変わったのだ。自然最高。人の温かさ最高。
例えば日本にいた時代は1つの物を買うのに同じ様な物が沢山のお店に売っている。値段と特徴とポイントが付くかとかいちいち比較して買っていた。煩わしい。
しかし、上記に挙げた国ではある物を買うにはそこのお店。その商品だけ。それで良い。比較して悩む時間も労力も無くなる。その分他の事に回せる。どのお店も18時頃には閉まったり日曜は休み。これに関しては慣れるまで少し時間が掛かったが、それで良い。仕事が早く終わったり休みの日に計画的に買い物をする様になり頭を使う。確かに急な予定には対応出来ないが、慣れればどうってことない。
海外ではこの言葉が合う。
"Take it easy" "気楽にいこうよ"
確かに日本に比べればサービスは劣るし、愛想悪い店員はいるし、バスは来ないわでムッとする時もあるけど、それ以上に人の優しさに触れられるし広い芝生の上に寝っ転がって青空見たり、海見てボーッとしたりで日本、特に東京では味わえない感情が味わえる。
まあ、そんな自分語りをそこそこしたところでクラクフに着いた。
寒い。
が、思ったよりは寒くはない。まずは空港から市内まで電車に乗っていく。事前に切符の買い方をネットで調べてはいたが、いざ券売機を前にするとテンパる。しかも後ろに人が並ばれると余計に。
その後ろの人に助けを求めようと振り返ると、ご老人の男性がニッコリ。隣には娘さんかな?綺麗な女性の方。この人は英語が話せたので助けてもらった。凄く愛想が良い。最高の親子?に助けてもらってポーランド生活がスタートした。
そして、目指すは今日の宿泊先のアパートタイプのホテル。
そこでまたトラブルが発生したのだ。住所を頼りに来たがホテル名がどこにも書いていないので場所がわからない。
ウロチョロしていると「How can I help you?」
ポーランド人の男性が声を掛けてくれた。
"ポーランド人優し過ぎ!最高!"
と心の中で叫び事情を説明する。たぶんこの住所はここで合ってるがホテルの看板がないからわからない。
そうしたら彼がホテルの人に電話をしてくれた。ポーランド語でいろいろと話しているがもちろん理解不能である。
そんなこんな呆然と立ち尽くしていると玄関を開けてくれ階段を登り部屋の鍵も開けてくれたのだ。ビーター曰く部屋で待っててくれと。今、出先だが13時半には着くと。
これは僕が悪いのだけれどチェックインは13時からと書かれていたのだが11時には到着していた。
というのもいつもはゲストハウスに泊まっていてアパートタイプのホテルというのが初めてで早く着いてもチェックインさせてくれるだろうと思っていたのだ。
そんなんでまたもや素晴らしいポーランド人男性に助けられたのであった。
見ず知らずの男性に鍵の開け方を教えるとかさすが外国…と思いつつ待っているとビーターが来た。
早く来てごめんと謝ったら笑顔で何も問題ないよ!と言ってくれた。ポーランド人はどこまで優しいんだ。
そして、外をブラブラ探検。
日が暮れるのが早い。夕方16時にはほぼ真っ暗。
ほぼ28年間(あ、28歳のおじさんです。)日本で生きてきた僕には暗くなったら家に帰る、お腹空いた、眠い。が反射的に体に染み付いているのだ。
なので、500ml約60円のビールを買ってホテルに戻った。
ポーランドはかなり物価が安い。そこらへんの話はまた今度。
約30時間のフライトで時差ボケもあり酔いがすぐまわり急激に眠くなったので初日は早めに寝ることにした。
[次回] 負の遺産アウシュビッツに行く!