63話 夢の続きの後の背中を見た自分を否定した俺
さて、今回自分を上昇させて書いてみた結果を……読んでくれたら面白いと思うんだと思うよ。
じゃあどうぞ、読んでね。
緊急避難を開始した七星菜愛は次元の狭間に囚われていた。
空間を跳躍する、そのまま、回転する星雲を人目にして、このままに囚われていた、7次分を解放する。
業来の波動を感じて、逆境の未来を乗り越えるために、七星は七つの星の神運を呼び寄せて、波動を送りだし、
回転する歯車のように、時間を跳び越えた。
七星菜愛は……竹男のいる世界線に跳び移った。
「竹男お兄ちゃん!!」
「おぉ菜愛……久しいな!」
この世界はまだ竹男お兄ちゃんがいる世界線なのね。
そう感じた七星菜愛は、ひっそりとこそばゆい様に囁いた。
「「二人だけの秘密だよ……」
「なんだい? 教えてくれよ菜愛」
「「命の結晶を感じて……そのまま世界を肯定してお願い!! お兄ちゃん」
竹男はその世界の前提を根底から覆すほど自分は逆転する者を知らない。
光の世界を生き抜いた……闇の世界も体験してしまった。
それが鼓童の雑念を凌駕することなのか……??
未来を見ると言うことは何なのか……
荒又の瞳を少女を知ることを否定した竹男は鼓動を知らない。
絆を知るために、絆を創るために動いてきた。
運命を体感するために力を結集するしかない。
それが俺の希望のために世界。
震えている……世界が……傷を癒す為に世界を揮わしている存在がいるのは、
悪はいる。だが、それが悪なのか??
リバース達は本当に悪なのか?? まだわからない。
魔わりの全てを開店する店を公開するのは悪だろう。
歯車のように回り続けている、世界を否定しても、何ともない。
救済を必要としている世界を作り出すことは世界を否定することにも繋がる。
あら形全てを見ておく必要があるな……
【ゼノ! 使うぞお前の力!!】
《良いぞ、相棒だなまさに、お前の力と俺の力を合わせるからな》
竹男と邪神ゼノはお互いをお互いとして意識して、世界を視る。
≪邪煉眼≫
世界を邪な眼で敢て見ることで煉する焔の瞳で力を読み取る技法である。
これにより、世界の排除分子を見ることが可能となる眼だ。
排除分子は……あいつとあいつとあいつか……だが、まだ泳がしておくか。
世界を視てしまった竹男は世界を忘却するのも忘れてしまうほど、世界を反転してしまうほどだった。
時間すらも忘却してしまうのは流石に可笑しいが、それも一考だ。
神の一手はまだ指されていない。
その先に会える君がいるから……俺は知ることが出来た。
ありがとう七星菜愛。
いや俺の真の妹だあいつは。
いや知っていたよ俺はあいつが真の妹だと言うことを。
でも俺はこいつをまだ好きなんだ。
俺の世界を変えてくれた黄金の天使、いや幸運の女神だから。
だから……まだ知らないふりをするから……俺は七星菜愛を愛することを否定ししてしまうだろう。
でも、妹だからこそ好きなんだよ。
だから世界を肯定するしかないんだ。
世界の逆境を乗り越えて風の松明を吹き飛ばしてでも魂を昇華するしかないんだ。
後悔を受け入れるしかないのか?? だから進むしかないのか……
「来るよ……お兄ちゃん!!」
「!?」
◇◇◇
現在竹男達は空力市までやってきていた。
天能咲市の隣の市で空にもっとも近い球空間の場所。
暁美と春美は後ろを一緒に歩いているのだが、あまりにも七星と竹男がヒートアップして、
話していたので遠慮していた。
「どうするんですか春美さん……あの二人のラブラブっぷりになんかついていけません」
「知りませんよ……私も竹男さんのこと気になるけど……でもあの二人兄妹みたいなものだし」
春美の脳内には竹男のとマジックバトルオンラインの記憶がある。
自分は赤毛の侍剣士のような戦闘スタイルで頑張っていたので、なんとか歩調を合わせたかった。
だが、春美は……ここで敵を見つけてしまう。
来る……ここより南に四五度の方向……!?
距離は……二百メートルほど……!!
春美は瞬時に人格を裏返した。
春美はこの状態を【Psycho Dual Disorder】とした。
略して、【PDD】。
簡単に言うと二重人格のことだ。
春美はいつのころからか……自分とは違う自分を認識していた。
記憶はところどころ、不安定な所がある。
だけどそれは自分としての自分を認識している先にある真の人格と言うか。
裏の認識を凌駕した世界を捜索している自分がいる。
それだけが命という物。魂だけは偽れない。
だからそれこそが真の自分だと言うことがわかる。
千宮春美の家は五大戦刀家の一角に入る。
五大戦刀家と遥か昔の歴史にある存在するこの世の歴史を変革した戦刀一族。
戦いの中にあるのは智と血を洗い流す先にある世界を……理想の世界とするために動き出す一族。
だが、春美は千宮家の中では分家で、一族の落ちこぼれとよばれていた。
千ノ宮の面汚しだと父親に張り手を喰らったのが、彼女のトラウマだ。
春美はそれ以降刀剣術を学ばなかった。
十五の冬だった。
それ以降、世界を作り出す画家や小説を書いたり、漫画を描いてみたりと創作活動に精を出していた。
だが、書いても書いても描いても書いても描いても掻いても斯いても駄目だった。
失敗は成功の元と誰かが言ったが、春美には才能が不足していた。
だが……ここで春美は真の力を覚醒した――――――!!!!!
敵が忍空の速さで跳躍する。
まだ誰も気づいてない。
私だけが気付いている。
ならばどうする? 止めるしかないのか……
来る……一七〇メートル、一六〇メートル……
姿の見えない漆黒のだがその青の天脚を持つ、過の者は。
空を蹴り、菜愛に狙いを搾っていた。
空中から、放たれた阿音の弾丸。
跳びぬいて放たれたそれを回避することが叶わない菜愛。
春美は表裏展開を行った。
変わる自分がそれが敵を欺くための者だとしても。
逆向きに放たれたその弾丸のような波動弾は、
菜愛ではなく春美の背中を捕えていた。
囮の一撃を放っていた。
リバース最高幹部の花輪は青いチャイナドレスを身に纏い、
気を操作して、近づく、…………………………………………
「みつけたョ……お前はイチバン危険ネ」
春美の背後にいつの間にか回り込んでいた花輪は
強烈で凶悪な掌底を春美に背後から叩きこんだ。
瞬間、春美は千ノ宮家に伝わる伝家の宝刀を抜いた。
「燐榎礼翔ノ羽根飛刃視ノ残斬画意の……
「刃仁乃物我導破!!!!!!」
花輪の掌底と真刀が衝突する。
この辺り一帯の空間に亀裂が入り込む。
エネルギーの衝突が世界の魂を捻じ曲げる。
空間を調節してしまうほど波動が生じる。
「これならどうネ……刃翔蕾拳」
吹き飛ばされる春美、だが、着地と同時に一瞬で背後に回りこむ。
そのまま千ノ宮流奥義を繰り出したふりを見せた、が、やはり威嚇を見せる。
「猛湖……葉隠れの印!!!!!」
竹男と菜愛と暁美の存在は湖のように広がる世界の葉のように、一瞬で存在が偽装された。
そのまま次のフェーズに入る。春美。
「我流天聖の印!!!!!」
砂が付くように 世界を天によりけり、荒増して行く中に
剣の淵を使い、天の聖によりけり、流れる自分をそのままに。
そのまま、花輪を流した世界から。
「なかなかやるネ……ならばこれでどうかナ??」
花輪は世界を跳び外す勢いで跳躍した。
花輪は天候を支配する気術を使用した。
「零鉄寒降………………………………宙満凍氷乃放雷餓心気………………派!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
世界は空力市は一瞬で冬と化した。
今はまだ春だと言うのに。
春美は次の一手を考えていた。
どうする……まだ気づいてない。
竹男さんも七星さんも……暁美さんも。
私がやるしかないのか……!??
クソッが――――――――!!!
どうしたってんだよ私いや《俺》……!!!
変われ私……いや俺になれ!!春美!!!
もしかして……ヴァルゼンさん……!?
そうだお前であり、私であり、俺はお前だ。
どうすればいいの……私の力ではこれが限界……
限界を自分で決めるんじゃねえ!!!!!
お前はまだ全力を出してないから!!!!!!
だから壊せ!!! 自分の殻を!!!!!!
まあ無理だな今の自分だとな。 だから今は変わるんだ俺に!
わかりました。変わります。もう一人の私お願いします。
《良いぜ、お前の全てを俺に託せ。だから絶対にこの野郎をぶちのめしてヤルからな》
一瞬にして、春美はヴァルゼンに変化した。
この正体不明の中華娘風の少女……
赤毛の刀剣使いの現在に生きる戦刀士と呼ばれる一族の末裔。
まだ戦いは始まったばかりなのかもしれない。
愛を守るために繰り広られるお互いの意地と魂を賭けた戦いが。
火蓋を切って起こされた。
同時刻……
天能咲市のさらに別の隣……艦想市。
シオウは一人でリバース最高幹部の一人、麻稗陵禍との激戦を繰り広げていた。
シオウの応酬と思われたが、麻稗はシオウ砲弾を受けてもケロッとしており、むしろなんだが気持ちいいような顔をしている。
快感を得ているのかのようなそんな感じだ。
「おかしい……何故俺の攻撃が効かないんだ??」
シオウは考えるがまだわからない。
「行くよ……ワタシの本気を見せてあげるからね」
シオウはゾッとした。
「優柔不断の妄想を肯定する≫≫↓」
!?
シオウは何が起きたのか理解出来なかった。
だが、ここで一つの可能性を理解した。
まだだ、止めるな……放て――――――――――――――
「シオウ 王高 寸波禄……」
「心音怪弾 !!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
何かが衝突した瞬間シオウの世界と麻稗の世界が混ざり合い。
二人は別の世界に飛ばされた。




