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53話 アマトちゃんの付き纏い半ストーカーな一日

 わたしの名前は虹浦にじうらアマトです。

 ちょっとダンスゲームが好きでゲーセンに毎日通い続ける普通のちゅうがく二年生の13歳です。

 毎回ダンスダンスレボリューションを十回ぐらいプレイするがいつも鬼難易度でやってるけど、いつも満点だ。

 毎回曲も変えるけど、やはり最近の曲もいいが昔の名曲もいいよね。

 全国ランキング一位だからかと思うけど最近後ろに人だかりが出来る。

「あの子凄いよね~」とか「アマトちゃんは日本一のダンスゲーマーいやいや世界一かもしれない」とか言われるけどまあうれしいかな普通に。

 しかし私がちやほやされてもまあ結構うれしいがそれでも今はあの人に自分のことを知ってほしいし、その人のことを知りたい。

 あの人は謎が多い……だが必ず知りえてみせる。

 私のあこがれの人…テルネアス様の守護者になって見せる!!



 今日の日付4月29日土曜日。

 お休みの日。

 テルネアス様は最近紫ネオンという芸名いや声優名で声優活動をしている。

 そしていつも土曜日は自分のマイ声優ブログで食巡り飯ブログとして色々な飲食店を回り、そこのこの食事を食べて感想を乗せるんだ。

 私もこっそりついていこうと今日初めてテルネアス様を尾行している。

 なおテルネアス様の自宅は天能咲市の安アパートにある。

 前なんとか特定した。

 でもいきなり自宅訪問とかは迷惑だろうから離れたところからそっと見守っているよ。

 ストーカーみたいなことはしないです。

 だから安心してください(誰にですか?)。

 そしてそこから天能咲駅からリニア電車に乗り、西長堀まで約30分弱ほどでつく。

 そしてそこの超有名ラーメン店に到着したテルネアス様は開店一時間前から並んでいる。

 私も少し後ろの方で並ぶ。

 うわー凄いよ30人くらい並んでいるよ。

 テルネアス様凄いな、こんな列に並べるなんて。

 普通あきちゃうよ。

 あ、でもなんかリュックからマンガかな?を出して読んでいる。

 タイトルは『ダークラグルス』だ。

 聞いたことないマンガだな。

 そんなマンガあったかな? もしかしたら結構前の作品なのかな? まあいいや。

 そして開店する。

 今の時刻朝の10時。

 そしてどんどん人が店に入る。

 そして開店してから30分ぐらいでテルネアス様の番が来た。

 私は少し後ろだったので、3分ぐらいで自分の番が来た。

 テルネアス様を見渡せる少しカウンターの二つ離れた席に着く。

 うぅ……ちょっと近いから緊張する。

「とんこつ葱ましましスープあっさりだけど少しこってりチャーシューダブル乗せラーメン一つ」

「少し待ちな!」

 と店主が言い、30秒くらいでラーメンが出てくる。

「私も同じやつで!」

「はいよ!」

 そしてわたしのラーメンも来る。

 テルネアス様は少しだけラメーンをふうふうして麺を啜る。

 美しい唇に麺が飲み込まれていく。

 あぁあのかわいらしい口にわたしも口を……というかキスしたい。

 でもでもわたしは決してレズではない。

 ただテルネアス様のことが好きなだけなの。

 たまたま好きな相手がテルネアス様になっただけで女性が好きなわけではないの。

 あぁテルネアス様~。

 そしてあまりにもじっとテルネアス様の顔を見ていたのか流石にこちらに気付いてしまった。

 そしてわたしの顔を見るとどうしたのかなといった眼でこちらを見てくる。

 そして……

「あなたもここのラーメン好きなんだね?」

「えっ……はいそうです!」

 本当はここのラーメンはどうでもいいがまあ食べてみたら結構うまかったけど。

 あなたのことが好きだから一緒のラーメン頼んだなんて言えない。

「私と同じ盛り付けを注文するなんて……あなたなかなかやりますね」

「いえ……美味しいのかなと思って……」

「そうだよここのラーメンは美味しいよ」

「はいそうですね!」

 緊張してガクガクだ。

 こんなにテルネアス様と話したのは初めてかも。

 あぁでも最初に会った時も結構話したような。

「あなた名前は?」

「アマト……虹浦アマトです!」

「アマトね……どこかで会ったことあるような覚えがあるけど……どこだったかな?」

「はいあの、三年前の5月くらいに未来形市で会いましたよね?」

「………………あの時のアマトちゃん? あれでもちょっと前に会わなかったかな? たしか…………竹男……サラリーマンの私の友達と能力ファイトしなかった?」

「…………うん」

「なんであのときはけんか腰だったの? 竹男困っていた」

「すいません。テルネアス様のことが取られると思って、つい興奮して……」

「取られる……いつあなたのものになったの?」

「いえ違うんです。でも私はテルネアス様のことが……全てが好きなんです!!」

 つい勢い余って告白してしまった。

 反省したいがどうしようもない。

 あぁどうしよう嫌われちゃう。

 しかしテルネアス様はちょっと驚いたような顔をしたが、直ぐにまたいつもの妖しい笑顔になり、私に施しを授けたのだ。

「ありがとうアマト。私も好きだよ」

「ええっ…………」

 私はあまりにものことなので言葉を失ってしまった。

 つまり……テルネアス様はわわたちののことが好きなの!?? そんな! まさか!? 実は両想いだった。

 しかし無情にもその後に続く言葉を聞き逃すことは出来なかった。

「友達としてアマトのことが好きかな」

「ガーン……!!」

「どうしたのアマト?」

「なんでもないれふ……」

 そうしてわたしたちは友達になった。



 その後二人組の男どもが私たちに話しかけてきた。

「ねえねえそこのかわいい二人組の女の子たち! 俺達とどこかに遊びに行かない~! 退屈はさせないからね。まずは手始めにカラオケにでもいかない?」

 なんとなく見た目だけで判断するのはいけないことかもしれないが、かなり遊んでいそうな茶髪のイケメンと青髪のややイケメンがナンパしてきた。

 テルネアス様との二人きりのデート中なのに……なんてやつらなの。

 わたしは不快感でいっぱいだった。

 テルネアス様も不快でたまらないという顔をしているだろうと思ったがまさかの興味があるような感じだと!??

 そしてテルネアス様が二人組の男にこんなことを言った。

「別にいいけど……あっでもただではつまんないから、私と能力ファイトして勝ったら遊びに行っても良いよ」

「えっうん……それは面白そうだね。じゃあ俺達と能力ファイトしようか。でもそっちの小さい女の子は闘えるのかな?」

 少しだけ馬鹿にしているのかわたしがまだ小さい子供だというだけで確認をとる茶髪イケメン。

 なんだとぉわたしはこれでもね結構やるときはやるんだぞぉ。

 本気出せばレベル3のやつらでも相手にならないほど」だぞ~強いんだぞ~ほんとだよ~~~……まあレベル4とかになると五分か負けることがあるけど。

 なおわたしが勝手に判断していることだが、レベル4になってくるとだいたいだが、その中では強いレベル4、まあ普通のレベル4、そして弱いと言うか闘い慣れていないレベル4の三種類が存在する。

 これはレベルが低い人たちの中でもこういう分け方が出来るがレベルが低いと大抵は弱い人が多い。

 まあでも中には物凄く強いレベル1とかいるし、無能力者なのに達人並みの実力がある武術家とかがいる。

 まあそんなのは例外中の例外なのでいちいち相手してられないけどね。

 そして私はその例外中の例外というほどではないが、レベル1の中でも結構実力があるんだぞ。

 使う武器は基本はこの拳と足だ。

 だが足による攻撃はしないな基本。

 それは最後の手段だ。

 あと最近は武器アイテムを使うようになった。

 使わなくてもまあまあ勝てる時もあるが、どうしようもない能力者(主にレベル4のお方)とかは武器アイテムを使う。

 いろんな武器アイテムを試したがまだしっくりくるものが自分ではわからない。

 片手剣型とか、槍型とか、爪型とか、刀型とか、使ったけどしっくりこない。

 そして今回つねに持ち歩いているのはトンファー型の武器アイテムだ。

 というかまんまトンファーなんだけどね、型ってなんだよ型ってどうみてもトンファーじゃないかただの。

 本物のトンファーと違うのは重さぐらいかな。

 微妙に軽いのだこのトンファー型の武器アイテム。

 材質はしらないけどでも女性でも振り回しやすいけどね。

 まあそんなトンファーをわたしは今回初めて能力ファイトで使うようだ。

「たぶんね。アマトは私の感だとそこそこ実力があると感じる。この子かなり闘い慣れていると思うよ。まああなた達もそこそこやるような感じだけど」

「おっわかっちゃうんだねやっぱり~流石能力ファイト大会優勝者の観察眼は違うんだね~」

「なんだ私目当てだったのね最初から……」

「もちろんよ。あんたもうかなりの有名人だよ。なぜか声優デビューしてるし。能力ファイトの世界でも知る人ぞ知る人だったし」

「そうだぜ。テルネアスさんは無能力者なのに実力が備わっている達人級だからな。あなたの射撃の腕は天衣無縫の実力と言われているからな」

「そうだったのテルネアス様!?」

「いくらなんでも誇張しすぎだよ……わたしは確かに無能力者だけど達人級なんてないよ。ちょっとばかり射撃が普通の人より得意なだけの普通の無能力者だよ」

「まあそれは今から闘えばわかると思うよ」

「それじゃあいっちょ闘いますか」

 そして能力ファイトが始まるのだった。



 既に周りにはかなりの人だかりが出来ている。

 もちろん原因はテルネアス様だ。

 実際テルネアス様はもうかなり有名だ。

 この前虹咲真歌(にじさきしんか)のライブ会場に特別ゲストとして呼ばれたというのも要因だ。

 これにより一気にテルネアス様の知名度はうなぎ上りになった。

 そしてそれより前も能力ファイターの間では無名の無能力者が超つえーらしいぞと噂になっていたらしい。

 正確な射撃で銃型の二丁拳銃の武器アイテムを使いこなすガンマンならずガンガールがいると……それだけテルネアス様は実力があるのよ。

「あれっ、テルネアス様だ」

「テルネアスちゃんだ。がんばれー!」

「テルネアス様は勝よね絶対」

「隣の女の子は誰だろ? 知らない子だね」

「いやあいつは確か……ダンスダンスレボリューション全国ランキング一位のアマトじゃないか?」

「そうだね確か全国ブレイクダンス大会にも出ていてそこでも確か三位という結果を出しているよね」

 うぅ……そのことは言わないで単純なミスで一位どころか二位すら逃したわたしの失敗を言わないで~!

「そろそろ始まるようだぞ」

「がんばれ~!」


『能力ファイト5分勝負スタートします。レディファイト!』


「こちらからやらせてもらう」

 茶髪のイケメンがダッシュでテルネアス様に近づく。

 テルネアス様はそれに動じず、銃型の武器アイテムを構えて動かないでいた。

 まずは様子見だろうか、とにかく待ちの戦法だ。

 するとどうだ茶髪のイケメンが約三メートルの距離に迫った瞬間わたしたちの視界から消失した。

 そしてどこに消えたのかと思ったらテルネアス様の背後にいつの間にか存在していた茶髪はテルネアス様の背中を殴り飛ばした。

 テルネアス様は茶髪の男に吹っ飛ばされた瞬間に直ぐに銃を腰のフォルダーにしまって、地面に手をついて側転を行い着地した。

 そして腰のフォルダーから銃型の武器アイテムを一丁だけ抜き取り、相手に弾を撃ち放った。

 茶髪の男はそれを僅かに体を逸らしただけで、躱しそのまままたもや消える。

 これは……どうやら茶髪の男は瞬間移動テレポートの能力者らしい。

 レベルいくつかわからないが、かなりの実力があると感じた。

 最小限の能力しか使ってないからだ。


 青髪の男はそれをただ見ているだけだ。

 だが、時より何やら話しかけていないがアイコンタクトを行っているように見える。

 なお武器アイテムを所持している。

 槍型の武器アイテムのようだ。

 すると茶髪の男も姿を現したと思ったら、手になにやら持っている。

 鉛筆のような銀色の太い串だ。

 先端が僅かに尖っている。

 それをこちらに投げたと思った瞬間消えた。

 そしてテルネアス様の足に刺さった。

「グっ……」

体から血が僅かに出ているがそんなにダメージは無いと思う。

 でも動きに支障が出るのは明白だ。

 だがテルネアス様はそれが刺さったまま、銃を構えて撃つ。

 打ち出された弾丸は青髪の男に命中する。

 青髪の男は驚いたような表情になる。

「何故だ……テルネアスは俺を撃つことを考えてなかったぞ! どういうことだ!?」

 どうも自分からばらしたようだが、青髪の男の能力は精神感応テレパスのようだ。

 相手の考えがわかる能力だ。

 だが、テルネアス様にはどうやら効かなかったようだ。


(何も考えずに狙って撃っただけなんだよね……)

 

 そしてそこからが一方的だった。

 青髪の男に弾丸が撃ちこまれ続けて、あっという間に青髪の男の体力ゲージがゼロになった。

 そして茶髪が何度かテレポートで背後とか横とかに急に現れて不意打ちするが、直ぐにテルネアス様が零距離で銃の弾幕的連射射撃が行われたのだ。

 しかもテレポートして咄嗟に逃げた茶髪の男の瞬間移動地点を予測でもしたのか現れた瞬間にその方向に銃を向けて、弾が既に撃ち出された後だったのだ。

 その繰り返しで、茶髪の男の体力ゲージはゼロになった。

 これによりテルネアス様の圧勝だ。

 ってわたしの出番全然ないじゃないの!

 これじゃあわたしのいいところ見せられないじゃない!!

「テルネアス様……わたしの出番なかった」

「そうだね。じゃあ今度は私と一対一の練習試合をしてみない?」

「へっ!? わたしがテルネアス様とですか!!」

「いや?」

「いえ光栄です」

 そしてまさかのテルネアス様とのバトルが始まるのだった。

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