表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

60/95

44話 マジックバトル・オンライン 17

44-1「最後の決戦」


 ついに来た。

 俺達はついに89階層の前のボス部屋の扉の前に立っていた。

 これで終わる全てが終わる。

 終わりの魔術師を倒してこの戦いを終わらせるんだ。

「ルカ……ついにこの時が来たんだな」

「タケオ私最後まで頑張るから」

「行くか……!」

「うん」

 そして扉を開いた。


 そこは何もない殺風景な白の空間だった。

 それだけで本当に何もない。

 そんな一人のクソッタレを除いては。

「やあ、ようこそ。僕のステージへ」

「終わりの魔術師……行くぞルカいつも通りだ」

「はい、タケオわかってるいつも通りだね」

「そうはさせない」

 パチンという指を鳴らす音が響くとルカが瞬時に移動して、磔の十字架にされた。

「ルカ!! 終わりの魔術師卑怯だぞ!」

「なんとでも言うがいい。今回は最後の戦いだからな。僕とおまえの一騎打ちにしたいんだよ」

「なんだと! それでもお前はラスボスか!」

 我ながら意味不明な煽りだがもうどうにでもなれだ。

 しかしそんな挑発には乗らないのか終わりの魔術師は淡々と話を進める。

「まあいいじゃないか。さあ来ないならこっちから行くぞ」

 そう言い終わりの魔術師は魔法を行使する。

「オメガフレア!」

 ゴウッと極大の炎玉が俺に飛んでくる。

 俺はそれを俊足の足捌きで避ける。

 そして俺は悪魔制裁拳デビルジャッジメントナックルで攻撃を開始する。

 そのまま勢いを殺すことなく突撃する。

 全力だ全力疾走だそのまま奴をぶち殺すことだけを考えろ俺。

 そしてついに当たる俺の攻撃が。

 そして奴のHPを302ほど削る。

 奴の残りのHPは9999兆9999億9999万9697だ。

 フザケルナ。

 ふざけんなふざけんなふざけんな。

 ふざけるなーーーーーーー!!!

 俺はルール無用のこいつの非道な行いにキレた。

 こんな出鱈目な相手をどう倒せばいいんだ?

 教えてくれよ。

 気の遠くなる作業が待っていると言うのだけはわかるいやわからない。

 俺はとにかく拳を揮う。

 なんどもなんども殴りまくる。

 そして辛うじて削りきったHP。

 残りは約9999兆9999億9998万

 ははっもうちょっといけるか?

「気が澄んだか? じゃあそろそろこちらから反撃させてもらうぞ」

 くそっ来るか来るなら来い!

戦慄の影の刃オーバーシャドウブレイド

 奴の影から刃のような剣のような形のものが俺を刺すように攻撃した。

 俺は咄嗟に爪で防ぐが少しかすった。

 268のダメージ。

 ヤバい。

 俺の残りの体力は2652しかない。

 このままではヤバい死ぬ。

 次第に俺は奴の攻撃を喰らうわけにはいかないと悟り避けながら絶対回避の構えをとるしかなかった。

 俺は攻撃を避けまくった。

 だが時たまかすり少しずつダメージが蓄積する。

 俺は回復薬でなんとか回復しながら戦うのだが次第にその頼みの綱の回復薬も底をつきそうになり……

 俺はここで賭けに出ることにした。

 謎の裏進化である。

 これで一気に蹴りをつけてやるのだ。

 俺は迷いなく使用する。

 そして一時的だが世界最強の力に匹敵する力を得ると思う。

 俺は奴を何度も何度も殴って殴って殴りまくった。

 殴る殴る殴る。

 殴る殴る殴る殴る殴る。

 殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る。

 とにかく死ぬまで殴る。

 しかし与えたダメージは僅か5万8千。

 とにかく反撃の隙を伺わせないようにしろ。

 こいつを完膚なきまで叩きのめせ。

 俺は咄嗟にオリジナルの技を考え付く。

 千列狼王絶大拳を繰り出す。

 一騎当千の敵を倒しまくることが出来る狼の王こそしか出せない絶大な拳による技だ。

 俺は奴をぶん殴る。

 しかし終わりの魔術師は反撃してこない。

 一撃で2682ポイントのダメージを与えるがまだまだ足りない。

 しかしここで反撃が来た。

「紅の殺意による魔炎の踊り」

 黒い炎が踊るように俺の周りを漂い始めた。

 これは……まずい身動きが出来ない。

 俺は動きを制限された。

 このままでは縦横無尽に動くことが出来なくなった。

 さてどうしようかな。

 よしこの手で行くか。

 俺は少し考えて技を放つ。

旋風の轟雷脚(サージナルグレネイド)!」

 俺は放った技により炎が消えた。

「これは驚いた咄嗟に技を考えて発動するなんて……君は天才か?」

「さあどうなんだろうかね!? 俺でもわからないな!」

 俺はこの時の自分が自分ではなかった。

 でもわかる俺はこのくらいのことは簡単に出来るこの世界の穴はいくらでもあるはずなんだ。だから俺はまだ戦闘でろくに使ってない無限逃避と時間逃避と邪神獣化を使用することを決意した。

 

44-2「終わりの始まり」


 俺は無限逃避を使った。

 するとどうだ相手の攻撃を無限に回避することが可能になった。

 これでどんな攻撃も怖くない。

 ただし制限時間がある後五分と出た。

 五分以内に決着をつけないといけない。

 そしてSP回復薬をがぶ飲みして次の俺のユニークスキルを使用する。

 時間逃避だ。

 使用したら時間が経過しない……いやゆっくりになった。

 相手がほとんど動かない。

 どうやら俺だけの時間が光速に流れている。

 ただしこれも時間制限がある。

 後10秒と出た。

 10秒間だけ光速に動けるようだ。

 よし最後のユニークスキルだ。

 邪神獣化だ。

 俺は迷わず使う。

 すると……俺の中の邪神獣が姿を現した。

「うおおおお……なんだこれ力が……破壊が全てを破壊したい……この糞野郎を……殺してヤル……ダメだ自分を見失うな俺……」

 俺の姿は邪神獣とかしていた。

 羽根は生え、腕は黒く変色して手は魔獣のように鋭利なものとなり爪は巨大化した。

 体も少しだけデカくなり足はスラリと伸びて黒く変色した。だが足の爪は程よく伸びている。

 俺は地を光速のごとくではなく今は本当に光速で駆け、終わりの魔術師のとこに参る。

 そしてそこで俺は怒りの億攻撃を回避する。

 「我が拳に魔王の力を……全てを蹂躙する破壊の刃を与えたまえ……覇王邪苦荷苦強蝕限界破壊拳(ダイナストエビルゴットビーストリミットオーバーデストロイナックル)!!!」

 全てを破壊する強烈な一撃が決まった。

 ダメージはなんと1億9821万7864ポイントものダメージを叩きだした。

 しかし終わりの魔術師のHPはまだまだ残っている。

 俺はこのまま全てを失ってもこいつを倒してもいいと思った。

 同じ技を瞬間的に無詠唱で五回放つ。

 そして時間逃避が時間切れになった。

 すると終わりの魔術師が少しばかりだけではなくかなり驚いていた。

「HPが12億ほど減っているだと!? 何をしたんだお前は!?」

「さあな」

「ならば僕も本気を出すか……裏ボスモード!!」

「なんだそれ?」

 すると姿が変わる。

 フードを脱いで角が悪魔の角のようなものが生えた見たこともない男がそこに立っていた。

 イケメンの青年と言ったところか。

 まあ目が尋常じゃないほど怒りに燃えているが。

「この姿で行くからお前は直ぐにやられるだろう……」

「ぬかせ……行くぞここから俺の本気だ」

 俺は限界を限界中の限界を超える。

 そして新たなユニークスキルを得た。

 超神邪神化ハイパーゴットエビルゴットモードだと?

 すると頭の中に声が聞こえたような気がする。

『我の力を欲する者よ少しだが力を貸してやろうじゃないか……ふふっ精々力に飲み込まれるなよ竹男よ…………』

 俺は全てを変えるかもしれないこの新たな力を使った。

 刹那俺の姿は全く違うものになった。

 羽根が十枚生えてそれもすべて禍禍しい透き通った黒で俺の体は黒いタキシードのようなリーマンスーツのような黒の服に変化した。

 そして手は魔獣のそれになるが巨大化はしてない。

 そして見違えるのが尻尾だ……何やら悪魔のようなよくわからない尻尾が生えている。

 耳はつんつんに尖っている。

 すると終わりの魔術師は心底驚いていた。

「なんだそれは……!? そんなユニークスキル設定した覚えないぞ!? どういうことだ今謎の声が!? プログラムのバグなのか!?」

「さあ終わりにしようか……」

「なにっ!?」

 俺は重力の左右されない動きで終わりの魔術師に光の速度で近づき、最高の技を放つ。

∞零拳インフィニティゼロブレイク!!!!!」

 ドン!! すべてが終わる最終終着点の一撃が決まった瞬間だ。

 叩きだしたダメージは∞ポイント。

 そうだ相手のHPがいかに高くても無駄だったのだ。

 何せ無限のダメージを与えるのだこれで終わりになるしかなかった。

 俺は安堵したついに終わったのだこの戦いが俺達の戦いが。

「ふははっはははははははは……ははははははははっはははははははははあっははははははははははははははあはははははあはははははっはははあははあははははははははははははははははははあはははははははははあははあははあああああああああああああああああああ負けただと!? この私が!? 私が作った最高のゲームで……?? そんな馬鹿な有りえない信じられないそんなことがあるのか!??」

「お前は負けたんださあルカを解放しろ」

 奴は不服そうに指を鳴らすとすぐにルカがこちらに戻ってきた。

「タケオ勝ったんだね凄いよその姿は?」

「なんだが新たに覚えたユニークスキルのお蔭かな」

「やったよこれでみんなは……みんなは元に戻らないのかな……」

「そうだな……そうだよなみんなは死んだままか……」

 俺はもう元に戻らないことを嘆いたすると終わりの魔術師いやゲームマスターは驚愕の事実を述べる。

「お前らまさか勘違いしているが今までゲームオーバーした奴らは死んでないぞ。まさか命まで奪う技術力なんて無いからな。市販のゲーム用レンズでどうやって殺すんだよ。まあそういう風に誤解するように仕向けたのも私だがな」

「なんだと……それは本当なのか終わりの魔術師いやゲームマスター!!」

 俺は奴に近づき襟首を掴んで問い詰める。

 するとゲームマスターは素直に話し出した。

「お前たちを本気にしたくてなただのゲームじゃここまで命をかけてゲームをしてくれないだろう? それにまあ私の目的はまだ達成されてないしな」

「目的?」

「私の目的はこのゲームじゃないのだ。目的は現実世界にある。後一応ゲームオーバーした者たちの中で一部の奴にはペナルティを受けてもらう」

「ペナルティだと!? なんだそれは?」

「それは現実世界に帰還してからのお楽しみだ……クックック驚く顔が今から想像できるぞタケオ」

 そして何かの音が鳴り、世界が崩壊してきた。

 目映い光に包まれて世界が崩壊した。




 気が付いたら病院の寝室にいた。


 ゲームには繋がれたままだった。

 だがこのゲームは内臓バッテリーが装備されていたのでここまで運ぶことが出来たんだろうと思われる。

 それを見越したんだろうな。

 だが強制的にゲームの電源を切られたらあいつはどうしていたんだろう?

 それは何か作戦でもあったのだろうか。

「竹男!! 起きたんだね! 心配したよ。もうやっと戻ってきた」

 病室の扉を開けたのは美知みしるだった。

「美知お前来てたのか……なんか久々にお前の顔を見たような気がする」

「なにそれ、いきなり目覚めて第一声がそれなの? なんか竹男らしいね」

「他のみんなも来ているのか?」

「うん隣の病室に鈴子ちゃんとそのまた隣にしずくさんがいるよ」

「よし会って来るか」

 俺は隣の病室に行くことにした。

 そこでゲームマスターが言ったペナルティを受けてもらうといくことがなんであるのかを俺は知ることになる。









Side stage Reverse


「ん……現実かさて私もこれから準備しないといけないなこの世界の変革のために」

 そこは寂れたラボのような部屋だった。

 沢山のモニタが9つほど置かれてパソコンが何台もある部屋だ。

 何かのよくわからない道具も散乱している。

 そしてそこで女はおめかしする。

 ある人物に会いに行くために服を整える。

 そして準備は整った。

「さてあいつを安心させに行くか……わかっているなルカ悟られるなよ」

(わかっているよカルあなたの言うことには私は逆らえないから……)

「私のことはリバース呼べと言っているだろ」

(ごめんなさいリバースじゃあ変わるね)

「許可する」

 そして一瞬で顔つきが変わる。

 そこにいたカルと呼ばれる女は直ぐにルカと呼ばれる少女に姿を変えた。

「竹男待っててね今行くから」

 そこにはマジックバトルオンラインの世界にいたルカが確かにそこにいた。

 だがどうやらかなりの事情があるようだ。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ