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43話 マジックバトル・オンライン 16

43-1「襲撃の終幕」


 ヴァルゼンさんが行く。

 そして終わりの魔術師と戦うことになる。

 どうやらコトローという男は最初のほうで脱落したようだと終わりの魔術師が説明した。

 そしてちょことっとだけアバタ―を借りていただけだとか。

 なんとも言えない感覚だと思う。

 実は信用していたやつがこの世界の裏ボスというか黒幕だったなんて。

 森男君がショックを受けている。

 俺はそんな森男君を慰めるが、それでも森男君はまだ信じてないようだ。

「それじゃあこの前までのコトローさんはいったい!?」

「ああそれは君を騙すための演技だよ。コトローという男はとっくの昔に脱落しているからね」

「そんな……」

 落胆する森男君。

 それでも終わりの魔術師は相手を煽ることをやめない。

「まあそんな気にするなよ。どうせあんな男最後まで生き残れなかっただろうしね」

「こいつ……僕と戦え!!」

 森男君が怒りを露わにした。

 しかし終わりの魔術師はそれを簡単にあしらう。

「残念だが次に戦うのはヴァルゼンと決まっている。それまで君たちは止まっててもらおうか」

 やはり体が動かない。

 くそ、ゲームマスター権限というやつかやっかいな。

 それでもヴァルゼンさんは戦う気まんまんだ。

「いいぜ。こんな黒装束の餓鬼なんか私がぶっ倒してやるからな」

 そしてヴァルゼンさんが終わりの魔術師と戦うようだ。

 両者にらみ合う中最初に動いたのはヴァルゼンさんだ。

 右足を振りぬいて駆ける、そして右手に持った細身の剣で終わりの魔術師を切り裂く。

 しかしそれを簡単に避ける終わりの魔術師。

 そのまま右拳を前に突出して、ヴァルゼンさんを殴りつける。

「ぐはっ!!」

「どうしたもう終わりなのか?」

「くそっ! まだまだ!!」

 そしてヴァルゼンさんがまたもや踏み込んで突撃していった。

 そして勢いよく両手に構えた細身の剣で突くように剣を振りぬいた。

 しかし終わりの魔術師は瞬間移動してそれを躱す。

 そして今度は遠距離攻撃を放った。

「オメガ・フレア」

 突如巨大な火の玉が出現して、ヴァルゼンさんを飲み込んだ。

「ぐああああああああああ!」

 ヴァルゼンさんは燃え滾る地獄の業火を浴びているかの如く死にそうな顔をした。

 このままではもたないぞ、くそ俺の体が動けばこんなやつ。

 いやこんな奴と言ったが倒せるのだろうか俺なんかに。

 俺はこいつに敵うのかどうかわからない。

 実際どうなんだ? 俺はこの何もわからない不気味なフードを被ったゲームマスターなんかに敵うのだろうか。

 こいつはゲームマスターだどんな卑怯な手を使ってくるかわからないだろうし。

 事実現在俺達の体は謎の力によって動かないというチートも真っ青な卑怯な手を使ってきているわけだがはたして……

 そんなことを考えている間にヴァルゼンさんが攻めてに転じた。

「これでどうだ!! 煉炎業火斬!!!」

 放たれた焔の斬は確かに奴を捕えたかと思われたが、瞬時に消えた奴が。

 そして背後に現れた終わりの魔術師を瞬時に反応してまたもや技を放ったヴァルゼンさん。

「滝流斬!!」

「なんだと!?」

 一撃を喰らう終わりの魔術師。

 しかしそれでも効いたような素振りを見せない。

「なんてね……僕のHPは999999999あるから今のを喰らっても痛くも痒くもないかな~」

 終わりの魔術師が信じられない情報を吐いた。

 九億九千万……それが事実ならもはや勝ち目なんて無いじゃないか。

 とんでもないやつだこの終わりの魔術師もといゲームマスターは。

 チートなんて使い放題プライドとか無いのか。

 いやもともとみんなをゲームに閉じ込めた奴なんだよなそりゃプライドよりも実益を優先するかそりゃそうだ。

 にやにやしているのか(といっても顔は暗くて見えないが)勝ち誇ったような顔なのかと想像するが終わりの魔術師はさあどこからでもどうぞと言ったように仁王立ちで構えている。

 ヴァルゼンさんはそれでも諦めずに猛進している。

「うおりゃああああああああああああああ!!! 十絶剣!!!!!」

「なにっその技は!? まあ効かないけどねっなんだとおおおおおお!?」

 なんと終わりの魔術師のHPが十分の一ぐらいつまり一億ぐらい削れた。

「ききさま何をした!?」

「ふふっ十絶剣は相手のHPの最大HPの十分の一の割合ダメージを与える技なんだよ。だからあんたのバカデカいHPを削れたんだよ。このあんぽんたんが」

 なるほどそんな技があったのかこれならどんなにたくさんHPがあっても関係ない。

 それを聞くと終わりの魔術師は思い出したようにハッとなりそしてシステムウインドウを出していきなり反則技を繰り出した。

「じゃあそれ禁止ね」

「なんの真似だ。十絶剣!!!」

 しかし技は不発。

 ただの通常攻撃になる。

「どうなっているんだ!? 十絶剣!! 十絶剣!! 十絶剣!!!!!」

 しかしどんなに技を繰り出そうとしても不発に終わり、ただの通常攻撃になる。

「バカだね君は。こっちで君のその十絶剣を禁止技リストに加えたんだよ。ほんと笑っちゃうよね」

 またもやとんでもなチート行為である。

 こいつの反則すれすれどころか完全に反則技をどうにかしないと勝てないだろもう。

「くそっ卑怯だぞてめえ!!」

「なんとでも言うがいい。卑怯の前に僕は最強を超えたキャラだからねこのくらいのことは当たり前なのさ」

 悪びれずにそう答える終わりの魔術師。

 いくらなんでも理由が強引すぎないか?

 まあとにかく卑怯な奴なわけだ。

 それでもヴァルゼンさんは諦めずに攻め続ける。

「うおおおお!! 乱れ桜壱匁斬り!!」

「358のダメージ。でそれでどうするんだい?」

「はあああああ!! 斑百烈斬り!!」

「496のダメージそこそこだね。まあ大したことないけど」

 やはりどんな攻撃でも終始余裕の終わりの魔術師。

 ヴァルゼンさんの息は次第にあがる。

 そして終わりの魔術師がついに飽きたのか反撃に転じた。

「これでいいかな? マスターヘルボール」

 巨大な球がヴァルゼンさんを飲み込む。

 そしてあっけなくヴァルゼンさんは戦闘不能つまりHP0の状態この世界からの退場を宣告される。

「あちゃ~やられちまったな。みんなすまん」

 そして笑顔で消えて行った。

 ヴァルゼンさんまでが……

 俺は内心焦った焦りまくった。

 このままでは全滅だそうも思った。

 だが終わりの魔術師は不敵な笑みを浮かべて(もちろん顔は暗くてよく見えないが)こう言った。

「それじゃあ僕は89階層で待つことにするよ。あらかた仕事はすんだからね。じゃあねとりあえずまたねバイバイ」

 そう言って忽然と俺達の前から姿を消した。

「くそっ暁美さんとヴァルゼンさんが……」

「落ち着いて竹男みもうしかたのないことよ」

「しかたなくなんかない!!」

「竹男さん……」

「森男くん君はこれ以降ついてこれない」

 俺は突然きりだした。

 森男くんはこれ以上この戦いに巻き込むわけにはいかないそんなことを考えていた。

「そんな! でも…………わかりました僕はここに残ります」

「ありがとう必ずこのゲームをクリアしてあげるからな待ってろよ」

「はい! 待ってます」

 そして俺とルカは89階層を目指すことになった。

 待ってろよ終わりの魔術師こんなゲーム直ぐにクリアしてやるからな。


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