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A6話 竹谷竹男の高校生活と萌浄つららとの出会い1

A6-1「お嬢様と二人っきりのお茶会」


 今俺は閑静な住宅街の御屋敷にいる。

 ここは金持ちしか住んでない通称聖令地区でその中でもさらに規模が大きい。

 なかでも俺はそのだ……その中でもさらにハイパーお金持ちの萌浄家のお嬢様、萌浄ほうじょうつららに連れられて彼女の実家に来てしまった。

 なんてことない俺のアパートから徒歩十分のとこにある場所なので特に問題ない。

 そしてそこには立派な茶室があった。

 掛け軸はとっても高そうな値段は目の玉が飛び出そうなものだと推測する。

 茶道具もかなり格式の高いものしかない。

 そんな中で彼女こと萌浄つららは俺に座るように即す。

「そちらで御待ちなさい。竹男」

 俺は黙って正座する。

 そして待つこと少々のことで。

 一杯の粗茶が出来上がる。

 俺に差し出すつららお嬢様。

 俺はその粗茶を一口飲む。

 なかなかのものだなというのが感想だな。

 まあ味はよくわからないが。

 そしてつららお嬢様が俺に話しかけてくる。

「どうかしら? なかなか作るのは初めてなんだけどどう思います」

「まあいいんじゃないかな」

「ありがとうございます。それでは今日は一日あなたのことを知りたいと思います」

「俺のこと?」

「そうですあなたのような勇敢な男の子は初めてかもしれないですね」

「そうかな当然のことをしたまでだけど」

 まあそうなんだが、でも何だろうなんか歯がゆいな。

 俺はなんでか俺のことを気にいったこのつららお嬢様のことをどう考えているかというと、よくわからない。

 でもなんだろうこの温かい瞳を俺は何故か直視してしまう。

 大きな青いリボンが印象的なその美しい髪がなんとも言えない煌びやかなものに見えた。

 なんだろうこの娘は……俺はふいに手を伸ばしてつららの綺麗な髪を頭を撫でた。

 その時は俺もどうかしていたと思う。

 この時つららは俺のなでなでを拒否するわけでもなく、黙って受け入れた。

 その時の表情は何故か赤みがかっていて、ポーッとしていた。

 暫く撫でていたら今度は手を握りたくなったので手を握る。

 心臓の鼓動がわかる。

 俺は暫く握っていたかったがつららのほうから手を放してきた。

 そして急に冷静を取り戻してこう言った。

「いきなり頭を撫でてきて、今度はあまつさえ手を握るなんて竹男様はなかなかの破廉恥なお人なんですね」

「つい……すまん」

「いいです、こちらも直ぐに拒否しなかったのがこちらの落ち度です。それより……」

「なんだ?」

 その時のつららの顔は何か神妙な顔つきだった。

 でも何故か思い悩んだかのように直ぐに表情を元に戻して、「なんでもありませんわ……」とだけ言い放ち、今日はお開きにしましょうかと言われた。

 最後に得意のコーヒーを一杯入れてもらい飲んだが、これも美味かった。

 そして俺は日常に戻った。

 そして次の日学校に俺は来ていた。


A6-2「登校久々なのでなんか緊張する今日この頃」


 なんていうかさあ……おれのこととか無視してたと思ってたみんな。

 でも俺が登校したら、みんなではないが山田が俺のところに来て「なんで休んでいたんだ?」と聞いてきた。

 俺は「気分が乗らなかったから」と素直に答えると、「そうか……」と納得したような感じで聞いていた。

 歩美さんもいつものおどおどしたのはどこえやら「なんで学校休んでいたの??」と実に気軽に話してきたので俺はつい本当のことを話してしまった。

 つまり俺が学校で無視されたりしているという被害妄想的な何かと自身がレベル0の否能力者な劣等感に悩まされていることを言ってしまった。

 最初は驚かれたが、でも直ぐに納得してしまい。

 歩美さんは「それなら一緒に直していこうよ。わわたしもレベル0の否能力者だから」と励まされた。

 まあそうだよなそんなに能力者はいないのだ。

 山田も否能力者だし。

 ただ赤松は違う、なんとあいつはレベル1だ。

 しかも血流操作の能力者で、血液を操ることが出来る。

 主に血流を加速させて、運動能力を向上させたりするらしい。

 なかなか便利な能力だなと思った。

 それよりも今日は一日おもしろかった。

 帰りは歩美さんと帰宅した。

 話は普通のことを話した。

 昨日見たドラマとか、好きな食べ物は何とか、俺の趣味とか、まあそんな当たり障りのないことだ。

 しかし道端で思わぬ女の子に出会う。

 萌浄つららだ。

 最初会ったときは何故かしまったと思った。

 だが何故にしまったと思ったのかよくわからない。

 別につららは俺の彼女とかでもないし。

「御機嫌よう竹男様。その隣の婦女子は誰でしょうね……ふぅまあいいですわそんな小さきことは」

「竹男君、この女の人誰なの? いきなりわたしのこと小さきこととか言うしなんか失礼です」

「あらそれは失礼しましたわね。ならそんな小さき胸では竹男様には不釣り合いですわ」

「ガーン……胸のことは触れないで……そこはやめてよ、ウィークポイントだよそこは酷いよ……」

 そう言って歩美さんが俺の腕に腕を絡みつけるように握ってもたれかかる。

 なんだろう凄く歩美さんから、てへへわたし傷心した乙女みたいな感情が籠ったアプローチを感じる。

 そしてそれに対抗するかのようにつららが俺の空いている左手を掴んで引っ張る。

「離しなさいよこの」とつららが歩美さんに言う。

「なんで離さないといけないのかな~」と歩美さんは挑発するかのように返答する。

 それでなんだかんだで双方の意見を尊重することになり、放課後ダブルデート(俺一人だけど)をすることになった。

 どうしてこうなった!?


A6-3「修羅場な空間が形成されてそこにまたもやややこしいことになるそうです」


 俺は今ショッピングモールにいる。

 ここ無限異能都市はこういう施設も多種多様にあり、規模もでかい。

 さながら学生たちを楽しませることには大いに貢献するのがこの都市のいいところでもある。

 なお今はつららと歩美さんと二人でお洒落なカフェでお茶している。

 ここはそこそこお茶とかお菓子とかの値段がまあ結構高い。

 なのでここはわたくしが奢りますとつららがなんと歩美さんの分も奢るとかふとっぱらだな。

 そしてゆったりとした時間がほんの少し過ぎた後つららのことで話題になった。

「つららさんってレベル5の超能力者なんですよね確か」

「えっそうなのか?」

「そうよ……別に隠すつもりはなかったんだけどね」

 歩美さんが俺にスマフォを見せる。

 そこには今話題の最強のレベル5萌浄つららと書いてあった。

 どうやら何かのコラム記事のようだ。

 そこには最もレベル6に近いレベル5だと書いてあった。

 そもそもレベル6は現在二人しかいない。

 そいつらの情報は俺も知らない。

 そもそも興味が無い。

 だがそのレベル6という最強の中の最強を超えた超最強の強さを持つ化け物がいることが確かだ。

 ただその超最強になれるかどうかは本当に実力が無いと駄目だと考える。

 つららにその力があるのだろうか?

 俺はそんなつららに聞いてみた。

「レベル6になれるのか本当に?」

「わからない今度そのレベル6になるための実験があるの」

「へ~そんなのがあるのですか」

「それを受けるとなれるのかレベル6に?」

「知らないわ。でも確かにわたくしは最終的にレベル6になることを望んでいる」

 その時のつららの表情は真剣なものに見えた。

 凛とした眼差しで俺の顔をじっと見続けるつらら。

 彼女の中の白熱した道は挑み続ける試練のようにつららを本気にさせているようだ。

 つららは少しだけ右手でコーヒーを少しだけ口に運んで一口飲んだ。

 そしてまた語りだした。

「そうね、それにわたくしは竹男のことを好いているのよ」

「いきなり告白なんてずるいです。わたしもまだなのに」

「そそれでどういう意味だ? つららお嬢様?」

「そのつららお嬢様ってのはやめてくださる。何かこそばゆいですわ」

「わかった。それで好いているというのは?」

「あなたのその体から湧き出る力の冷気のようなものがなんなのか気になるの」

「なんだそれ? どういう意味だ?」

 俺はなんのことかわからなかった。

 つららが言う意味のことが何一つわからないでいた。

 するとつららがその疑問に答えるかのように俺にだけつららの秘密を話すと言った。

 歩美さんは少しだけ残念そうな顔だった。

「それで秘密ってなんだ?」

「わたくしだけが持つというか萌浄家の一族が持つ魔眼であなたを視たからよ」

「魔眼って……」

 俺は心底あきれたがつららが嘘を言うとは思えないでいた。

 なので本当のことだと思うことにした。

「もしかして信じてないかしら? この魔眼はねあなたたちの力の脈動とか零気とか後は悪しき邪気とかが視えるのよ」

「力の脈動? 零気? 邪気?」

「全部の説明は省くけどあなたたち人間なら誰しも持つ気とかの源の力あと邪気は普通の人にはない悪しき者の力ね」

「うんわからん」

 つららはその時やれやれまあいいわと言う顔だった。

 そしてそれでもつららは俺に耳打ちするように聞かせた。

「だいたいの力の数値を視れるという能力もあるのよ」

「で俺の数値は?」

「それが文字化けしてて何故かわからないわ」

「なんだよそれお前の魔眼意味あるのか?」

「なお歩美さんに使った場合は五と出たわ一般的女性だと三から五くらいだから彼女は力があるほうね」

「つららは?」

「わたくし? 確かお兄様に視て貰ったら八百八十六と出たわ」

「お兄さんいるのかよ。それって高いよなまあ」

「レベル5の平均値が五百ぐらいだから高い方ねまあ当たり前かしら」

 ドヤ顔で俺に自慢するつらら。

 つららの言葉の隅々に高揚とした感情が籠められていたが俺はそれを華麗にスルーした。

 そしてつららはさらにこんなことを言った。

「どうです? どうです? わたくしのこと見直しましたかしら。いいってことですわ」

「はいそうですね」

 俺は適当に返した。

 そしてそろそろ戻らないと歩美さんがふてくされてないか心配なので戻ることにした。


「遅い!!」

「すまん」

 歩美さんは完全にご立腹だったが直ぐに気分を元に戻したようだ。

 俺もつららもあやまった。

「それでそろそろどこかに行くか?」

「そうね。マニシロとかにいきたいかな~」

「マニシロ?」

「知らないのかわいい服とかがいっぱいあるんだよ」

「行きたいかしら」

「じゃあ行くか」

 そうして俺達はマニシロに向かった。


 そこには真歌と渚がいた。

「なぜに竹男が女の子……しかも二人をはべらしているです。わたしというものがありながら……ぐぬぬ」

「竹男さん見損ないました」

「いやこれはだな……」

「このこたちは誰なのかしら?」

「誰ですか~この二人は?」

「俺から説明するから二人は黙っててくれややこしくなるから」

 そうしてつららと歩美さんに真歌との出会いの経緯を話した。

 もちろん真歌と渚にもつららと歩美さんのことを話した。

 そしてそこから何故か服を見るよりも真歌の歌が聴きたいということになって、歌をきくことになった。

 近くの公園で歌を聴く俺達。

「長く~新たな力を目覚めさせる進化の兆し~~~~~それはあなたの本当の力なの~~~~~~♪」

 いつのまにか俺達の周りには人だかりが出来ている。

 みんな真歌の歌に聴き入っている。

「よかったよ真歌みんなも満足そうだな」

「すごいね~」「このこ何者?」「プロより美味いよね」

 観客がみんなでざわざわしているがなんだろうなんか少しだけ悔しい。

 俺だけの真歌だと思っていたのにとか考えてしまう。

「ありがとう。みんなも聞いてくれてサンキュー」

「なかなかいい歌なのですね」とつららが素直に褒める。

「すご~~~い。すごいね。真歌ちゃんすごいよ~~~かっこいい」

 歩美さんはなんかすごいよろこんでいる。

 それでもすごいよろこびようだと思うがまあ初めて聴いたからだと思うが。

「流石です真歌お嬢様」

 渚もいつものように素直に褒める。

 そしてここからある事件が起きるのが三日後である。


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