A2話 竹谷竹男の高校生活と虹咲真歌との出会い2
今回某会社の某ゲーム機のパロネタ豊富です。ではどうぞ。
A2-1「竹男の非現実的な日常」
眠い。…………俺こと竹谷竹男16歳かつ高校一年生の少年は今日は学校にもいかず、家でといっても家ではなく学生寮で一人孤独にレトロゲームをしているのである。
このゲーム機は俺が生まれる前からある物でいわゆる簡素な作りで今時かなり古いコントローラーを自分で操作するタイプのものだ。かなりの年代物だが俺はレトロゲームマニアでもあるのでなんとかというか本体は俺が生まれたときからあったので基本的にソフトだけを中古のレトロゲームショップに行き、買ったりしている。
実際このゲームは面白い。赤い帽子を被った髭親父が謎の王国の亀の化け物を退治するストーリーなのであるが、おもしろい飽きない。なんどでもできる。
他のはこの派生でレーシングゲームとかある。風船をカートに3つつけて相手ととそれを壊しあうゲームなのだが、おもしろい。相手がコンピュータでもまあまあおもしろい。
あとはピンクの何かよくわからいかわいい生物が大冒険を繰り広げるゲームだが、これもいい。なんていうかこいつの力がいいなコピー能力だし。
そして俺はこのゲーム機より数世代先のでも今ではレトロゲームと呼ばれている画面が二つあって、立体的に見えるいわゆる3D表示の携帯ゲーム機も持っている。今ではそもそも携帯ゲーム機は廃れていて、なんで手にもつ必要あるの? そんなのめんどくさいじゃんみたいな風潮。今は小型のレンズ型携帯端末が流行っていてゲームは手で操作せず、脳の信号で直接操作する直感型操作タイプが主流だ。どういうことかというと画面で例えばテニスをするゲームだと打ち返せとか、スマッシュを打てとか、こっちに動けとかを念じるとそのように動いて操作できるのだ。つまり手で操作するより脳がダイレクトにゲームのキャラを操作するシステムが確立されたのでそうなっている。
もう手で操作するこんなゲームはもう同人業界やフリーゲームとかでしか生き残っておらず、まさに時代遅れなゲームと馬鹿にされている。
でも俺はそんなレトロゲームでしかないこのスーパー面白いファミリー向けのゲーム機を愛している。まさに神ゲーソフトも豊富。こんな面白いゲームが今では前時代の遺物とか言われているなんて……なんてもったいない。
俺はソフトも実物でもう50本は買っている。このSFSGだけだけど。
携帯ゲームの3DOはソフトがあまり現存してないのか俺でも16本ほどしか持ってない。
オークションでそこそこの高値がつくので、貧乏学生の俺だと買うのは至難の業だ。
話がそれているな。俺は今家出レトロゲームを一人でしている。
一人は慣れたが、やはりつまらない。
誰でもいいとは言わないが、俺とゲームをしてくれる……女子とか男子とか来ないかな。
ピンポーン! ……チャイムが鳴る。
うん? 今朝の10時だぞ? こんな時間に誰だろう? 新聞の勧誘か? 今時紙のとか年寄しか見ないが……出てみるか。
俺は玄関に行き、扉を開ける。
するとそこには昨日出会った謎の不思議な髪色をしている少女がいた。
「あれ? なんで君がここにいるんだ?」
少女はこちらを時より気にするような素振りでちらちらと俺を見ながらこう答えた。
「私は……歌の、声を、世界の、声が、聞こえる、の、だから、あなたの、家が、どこにあるか、わかるの、なので、つい、暇だから、来ちゃったの」
うんなんとなく意味は分かる。そうなのか、でもあれ? この娘はどう見ても小学校高学年から中学生低学年ぐらいにしか見えないけどそういえば真歌はいくつなんだ?
俺は彼女に年齢を聞いてみた。すると彼女は答えてくれた。
「11歳」
と一言だけだが。俺はそうかと返事すると。
「私は、ね、暇なのだから、ねえ、聞こえてる、それは、何?、つまり幻想?、いや、違う、それは夢なのかもしれない。 ……無視は私は好まない。なので私とともに来て」
うん、まったく意味が分からないな。この娘は何が言いたいんだろ?
来てだから? 外にいきたいのか? 俺は外に出たいのかと聞くと。
「違う、そうじゃない、あなたの趣味などの世界を知りえたい。だから私と来て、世界に入って。簡単にこの世界の言葉に直訳すると、あがってもいい? かな」
なんだよ、俺とつまり何かして遊びたいのかこの娘は。
俺は素直に俺の学生寮に招待した。
そして散らかっている、飲みつくした、ペットボトルが散乱する兵糧と呼ばれるストイックなお菓子や駄菓子の山がある中、そんなことはどうでもよさそうに俺のベットに腰掛ける彼女こと真歌。
そして部屋の様子を少しだけ窺っているように見えるが、直ぐに興味が消失したのか、彼女はごろんと俺のベットに横になり。
寝息をたてている。
もしもーーーし!? 真歌さん? いや真歌ちゃんなのか? なんで俺のベットでいきなり寝るんですか? もしかして昨日は徹夜で歌を歌ってたとかそういうことなんですか?
俺は彼女を引きはがそうと肩に手を触れて起こそうとするが、彼女は「ううううう~~~~」と唸りながらベットのシーツを手でしっかり離さないようにして抵抗する。
あまりにも抵抗するから、俺は諦めて彼女をそのまま寝かした。
時間が過ぎていく……あれから二時間。
現時刻昼の十二時ちょっと過ぎたころ。
俺はベットに少女が寝ている事実などゆうに忘れているふりをして一人ゲームをプレイしていた。
そろそろお腹も減ったので、カップ麺でも食うかと思い。
俺は箱買いした、塩味のこれまたオーソドックスなお湯を入れて三分で食べごろの常食するゲームのためのエネルギーを食そうとした瞬間。
俺の横にそれを興味ありげに覗き込む真歌がいた。
いつの間にか起きていたんですか?? いつ起きたのかね? まあそれはいいとして……真歌さん……なんでそんな恨めしそうな顔で俺のカップ麺を狙っているのかな~と俺は彼女のことを何も知らないが、あまりにもカップ麺を注視するのでカップ麺を上にあげる。
彼女の視線が泳ぐ。顎が上がる。俺は今度は俺から見て左に移動させるカップ麺を。
すると真歌はそれを目で追うように見入る。俺は次々とカップ麺を動かして彼女の態度を楽しむ。
そして俺はそろそろ麺も伸びそうになるので、彼女に聞く。
「食べたいのか?」
真歌は無表情だが、まっすぐな瞳でこう答えた。
「うん」
ただ一言だが、伝わる俺には。
ということで俺は彼女こと真歌にカップ麺を少しだがやることにした。
熱いからふーふーしろよと俺は箸を持ち、彼女の口に麺を運ぶ、その際彼女は俺の真横である右側にちょこんと女の子座りして口を開けてそれが来るのを待つ。
俺は麺を軽く覚ますと、もう食べごろだと感じたので、彼女にプレゼントする。
真歌は俺が運んだ麺をちゅるっと吸うようにその柔らかそうな唇で麺をおいしそうに飲み込む。
といってももちろんもぐもぐと噛んでいるが、そして彼女はもっと、もっとと目で訴えかけてきて俺にカップ麺をくれと指示するように視てくる。
俺は仕方ないなと思いつつ二食目も三食目も与える。
そしてそれでももっともっとと目で訴えかけてくるので。
俺は仕方ないから全部食わせた。
そして彼女はお腹が膨れたのか、その場でグテンと倒れこむように大の字になり。
この世界の中の自分を見つめるようにキラキラとした眼で俺をじっくり視てくる。そして暫くしたら起き上がり、俺の手を握る。
そして今度はこんなこと言ってくる。
「さあ、時は満ちた、今、こそ、私のために、あなたが、動く時。それは悠久のしらべ、混沌のカオス。またしても動けなくる囮な人形。つまりまたつまりこれを欲する。人間界の言葉で直訳すると……もう一つこの……ラーメン? が食べたいです」
と無表情だが俺に語りかけてくる眼で言う。
いやいや冗談じゃない。俺は今仕送りを貰っているけどこの無限異能都市は物価がまあまあ高いので生活するのが大変なんだ。
一か月のこの学生寮の家賃は10万ほどで、俺の一か月の仕送りは15万ぐらい。
授業料は最初に納付しているのでかからないが。
なので殆どが家賃代に消えるのである。
一か月の食費をつまり削らないと生活できないので俺はカップ麺という最終兵器で乗り切ろうとしているのである。
たまに野菜を食べないとまずいと思うので、極たまにスーパーに行き、キャベツとかを買ってきて千切りにして食べる程度だな。
とにかく生活を乗り切ろうとしてバイトしてもいいが、俺は極度の人見知りである。この真歌とはなぜか話しても苦に感じないが、普通の同級生と話してもかみ合わない。
だから俺は学校ではぶられている。意図的な虐めは無いが。ただたまにこの都市を歩いていると不良に囲まれて、ぼこられそうになる。俺は直ぐに脱兎として逃げるが、奴らは俺を逃がさないとして追いかける。
とまあこんな日常が毎日繰り広られていくのである。まあ最近のことであるが。
とにかくだ!このカップ麺たちは渡せない。
そうだ……こうするか。
「それじゃあ俺にこのゲームで勝てたら、一個くれてやる? やるかやらないか? どっちだ??」
俺は真歌を挑発するように言い放つ。そして真歌はわかったと一言だけいい。
コントローラーを握る。
やるゲームはカクオカート。
レースゲームだ。
俺はいつも使う緑色の恐竜をデフォルメしたキャラを選ぶ。
真歌は亀の怪物をモチーフにしたこのゲームとは違う元となるゲームの最終ボスを選ぶ。
そしてゲームが始まる――
A2-2「俗世と切り離された少女」
――結果は……完敗だった。嘘だろ!?俺このゲーム何回もやりこんでいるのに今までゲームをしたことのなさそうな12歳の少女真歌に負けた。
俺はもう一回と言い何回かするが何度も負ける。
一度も勝てない。
そして流石に疲れたのでもうやめようと言うと。
「じゃあ、十二個だね」
「へっ?」
「十二回勝ったから、十二個ラーメン、ちょうだい」
と無表情だが眼はにやりと笑っている真歌がいた。
くそーーーー!!嵌められたのか? 俺は?? しかしここで約束を守らないのは男としてレベルが人間の強度が下がりそうだと思ったので俺は仕方なく真歌にカップ麺を十二個あげた。
真歌はわーーーーーーいとだけ言い、喜んでいた。
そして今度は徐に麺を開けて、俺に突き出してきた麺を。
俺はなんだと聞くと、「お湯入れて」とだけ言いベッドに横になる。
俺はそんなの自分でやれよと思いながら負けたので、仕方なく彼女の言いなりになる。
俺はカップ麺に湯を入れて、三分待ち、蓋を取り、彼女に出来たぞと言うと。
直ぐにバッと起き上がり麺をすするようにしたいと思っているのか……だが箸を握らない。
俺は真歌になぜ箸を握らないかと聞くと、彼女は「わたし、この世界の、食事のしかた、知らない、はしなど、持ち方知りえない、だからわたし食べられない」
俺はまさかそんな嘘だろと思った。
箸を持ったことないとかいくらなんでも……お前はどこのいや、まあ、つううか介護されるようなやつじゃないだろうが……」
足だってあるし、手もあるし、ちょっと言動があれですが……まあ見た目はかわいいんですがこの娘。
俺は彼女が箸を持てない理由がよくわからなかったが仕方なく彼女にカップ麺を食べさせた。
彼女はおいしそうに食べるが、俺は大変だ。
そして食べ終わると。
彼女は直ぐにまたベットに横になり、寝てしまった。
くそ~~~寝顔もかわいいなこいつーーー。ほっぺを指でつんつんしたくなる寝顔だ。
まあ取り合えず寝かしときますか。
彼女は夕方まで爆睡した。
そして夕方になり、俺は彼女を起こすことにした。




