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A0話 七賢人の評議会

今回の話はこの物語の主要な秘密と登場人物の紹介です。そして竹男の過去編でもあります。現在と過去を行ったり来たりするかも。ではご覧ください。

A0-1「集いし賢人」

 集まったか……

 ここはどこかのある時刻のとある場所。

 そこで何者か達が秘かに秘密裏に話し合っていた。


「……議長に、定例報告があります。いいでしょうか?」

「はなせ……」

 この場でのまとめ役を行う老人の問いに、荒くれた衣装を纏う、葉巻を吸うぐたんとした態度の男が話し出す。

「では……まず、今動きがあると思われている。リバースについての報告から……現在リーダー名称不明が組織する謎の革命系団体の集まりに元都黙霊県宙釈にて痕跡有でした……だがそれらしい破壊活動は特になく、足取りは一向に不明とのこと」

「ふむ……それで次は?」

「では今度は私から、最近の不穏活動の動きについて」

 その謎の圧迫感がある、黒縁色のスーツを身に纏い、その他の人物を圧倒する雰囲気を醸し出している。

「――で、あるからして……以上のことで遠くに不審な人物は確認されず」

「ふむ、では次」

 今度は和服を身に纏った、まるで陰陽師のように見える衣装の刀を三本帯刀している危険な人物が語り出す。

「現在石源帝国の椿来にて妖魔を発見、直ちに対策部隊を派遣したが、一向に捕まらず……なので現在行方を追っている所存であるところだ……」

「ではさらに次じゃ」

「私から良いでしょうか?賢老才殿?」

「なんじゃ?はやくはなさんかい」

「それでは私から……レベル6の中間報告です」

 ここでみなみなが彼の方向を見る。みな興味が尽きないのであろう。それだけレベル6のことになるとみな真剣だ。

「現在この国に5人しかいないレベル6ですが……いいですか? まず序列一位花澤作ですが……特に動きなし、見事にノルマというか、彼の日課と言うか能力ファイトゲームをこなしランキング一位の座を守りぬいています。……次に序列二位瀧童時炎過についてですが……現在も無限異能都市で任務継続中、特に不審な点なしです。そして序列三位萌浄つららについてですが……彼女も現在大学に普通に通っているようで特に不審な点なし。次は序列四位虹咲真歌は現在歌手活動に精を出し、国民的トップ歌手としての地位を確立しようとしてます。特に不審な動きなし、今度天能咲市でコンサートをする予定です。私も見に行きます」

「それは別に今言わんでいいじゃろが……」

 賢老才はあきれたように言う。実際あきれている。

「だって彼女の歌はですね!みんなの心を癒してくれるんですよ。俺の荒んだ心とかすげえ良いんだからな彼女の歌は!」

「まあお前はそいつのファンだからな」

 そう言い放つのは、黒を縫い付けた見事な斑の和服を着た。眼鏡をかけた少年だった。

「おまえは本当に興味ないのか、レベル6の歌声だぞ……気にならないのか?」

「俺はそんなのよりあの娘が気になって気になって夜も眠れない、誰かはいわん言ったら殺すぞ」

 殺気をこめた威圧を放つ、少年。その眼力はこの場にいるものを圧倒した。もちろんびびっているのは約一名だが。

「まあいいや……そして最後に序列五位ですが……」

 ここで言葉が詰まる少年。

 どうしたのかとみな目を引く。

「どうしたのじゃ? 何か不審な点でも?」

「いえ、実はですね。俺この娘のことが……好きになってしまって」

 ……………………長い沈黙が流れた後に無情なる叱責を浴びる。

「だって彼女七星菜愛ちゃんはですね。いい娘なんですよほんと。裏表なくこの世の全てのものを愛している超いい娘なんですよ。好きにならないわけがないですよ。ああー抱っこしてぎゅっとしたい頭なでなでしたい、一緒にデートしたい。手を繋いでお散歩したい」

「キモオタ野郎……」

 ここで荒くれた格好の葉巻を吸っている、男から野次が飛んだ。

 少年は激怒した。

「てめえ!!もういっぺん言ってみろや!!おら!!てめえの家なんて簡単に捻り潰せるんだぞ俺の家は!!お前の息子さんを潰してもいいんだぜ? この髭ヤニ野郎!!」

「あ~!?なんだとあの一族の出来損ないの癖によく言うな~てめえは!? あそこの奴らはみんな完璧なやつらじゃなかったのかよ! この豚野郎が!!」

 なにやらヒートアップして今にも大参事が起きそうだ。そこである男が待ったの一言。

「み、みなさん落ち着いて下さい……ここは穏便に済ましましょうよ」

 そう言ったのは謎の変てこな格好をして変な形の椅子に座る男性だった。

「うっさいな!!おまえはは黙ってろや!!」

「ひいっ!?」

「そうですよね、あなたは気弱な所があるので喋らないほうが良いですよ」

 と和服姿の三本の刀を持つ退魔士の男がフォローする。

「私はこういう場は苦手です」

 と嫌がる変てこな男だったのである。

とまあ会議は平行線を保っていたが言い忘れていたように少年が言い直す。

「それで序列五位のことなんですが……今親の転勤と言う話になり、天能咲市に越してくるそうです」

「なんだと……なぜそんなことに……まあいいだろう」

 とスーツの男が興味ないように言う。

「彼女の動向を監視するのは……お前の仕事だぞわかっているだろうな?×××」

「ああ、わかってるわ×××××」

「まあいい、それと……あとレベル6の追加人物について……わしからじゃ」

 みな興味ありげに聞いている。そして……

「今のところ候補者はいない……なので安心するがよい」

 みななんだ~という表情だ。そして会議は他の演目に移る――


A0-2「孤高の歌姫」


――某所。ある少女は一人メイクなどは軽く済ませ、衣装のセッティングを行い、声を出す。鼻歌だ。歌の練習だとか。

 そして彼女はまだコンサートまで時間があるのでどこかにこっそりお出かけをする。

 彼女の名前は虹咲真歌にじさきしんかこの国で最高峰の強さを持つレベル6の一人だ。そしてアイドルもとい歌手である。現在ほとんどの売り上げを制覇している彼女の歌はとどまることをしらないでいた。

「ふ~ん、ふ~ん、ふふ~んふ~ん、ふふふ~んふ~ん……」

 と鼻歌交じりで歩いている変装している彼女はサングラスをかけて、深めに帽子をかぶり、その不可思議な髪色を隠すかのように忍んでいた。

 実際彼女のことは誰しもが知っているわけではないが、町の人の8割は彼女のことを知っているだろうという結論が出た。

 さて……彼女は一店の喫茶店に入る。そして紅茶を頼む。そして隣り合わせの人と目が合う。そこで運命の再開であった。


「竹男君?……なの?」

「えっ君は、いったい誰?」


「わたしよ真歌よ!覚えてない?5年前に会ったでしょ無限異能都市で?」

 竹男は思いだそうとするが……思い出せないでいた。

 そもそも無限異能都市にいたころのことはほとんど覚えてないのだ。

 今から5年前となると~高校一年生のときだよな。う~んなんか黒猫飼ってたのは覚えているが、それぐらいだな……あとその俺と同じ猫友達がいたな。

あと、ビイーーーと毎日遊んですごして、楽しかったな。まるで妹ができたようだった。

 あれ?なんでだろう……不協和音が頭に響く。名前が思い出せない。

 あっでも浮かんできた……そうだな、思い出した。真歌との思い出を。

 俺はあの頃を振り返った。その頃俺は高校生で……毎日が楽しいと感じていた。


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