27話 能力ファイト大会編其の九(決勝戦)
今回で第二章は終わりです。次から第三章です。ではどうぞ。
27-1「決勝戦前の食堂での日常風景」
「これから一時間の休憩をとります、選手の皆さんも観客席のみなさんもお食事などを各自行い待機しておいてください」
現在時刻夜の7時もうすっかりあたりは暗くなり、尾灯が点灯している大会フロアをしり目にお祭り騒ぎとなっている会場がそこにあった。
出店が並びたこ焼き屋、お好み焼き屋、トウモロコシ屋、なんと金魚すくいまである。
簡易食堂みたいな施設がもともとあるのでお腹が少し空いた俺はそこで飯にすることにした。
携帯で美知とシオウと美月に連絡を取った。
そして今から飯にしないかと誘った。
美知はこんな反応だった。
「もちろん一緒に食べるに決まってるけど……タケオはそろそろ大丈夫なの?疲れとか出てきてないと嫁の立場のように親身になってみたりなんたちゃって……って」
「うんわかったじゃああそこの食堂で」
「あ~ちょっとその無機質な反応はなんなんだよ~!!もうちょっと反応してくれてもいいじゃないかタケオのバカ!!」
と言って切ってしまった。
美月はというとちなみにあれから一応能力者ファイターとして闘い方を参考にするためいろんな試合を見ているようだ。
まだ能力者ファイターに成り立てだから仕方ないな。
そしてこんな反応だった。
「私と飯もとい晩御飯だと……!?もちろん一緒に行かせてもらうに決まっているとも何せタケオは私と将来を誓い合った中でいついかなる時もご飯を一緒に食べなければいけないからなふふふタケオもちろんこの大会が終わったら正式に私と婚や……ブチッ……」
俺は電話を切った。
相変わらずだなみっちゃんはなんだが本気に聞こえたぐらいこわかった。
だが冗談だろうそうだろうと俺は思い込んだ。
そしてシオウとはというと……
「タケオ見とったからな、お前はやはり俺が見込んだ男や必ず勝つと信じていたで飯?もちろん一緒に食うにきまっとるやろじゃあなまたあとでなタケオ」
いたって普通の反応だった。
そしてあとしずくとテルネアスというとしずくは医務室なので携帯が繋がらないだろうしテルネアスは連絡先を聞いてないときたもんだ。
そういえば何故か聞いてなかったなテルネアスにはこんどあったら聞いとくか。
俺は約束の食堂に向かった。
さて何にするか。
腹が少しどころか気づいたらかなり減っていることに今気づいた俺はかつ丼特盛り(税込1200円)これにしてしまった。
やばい量多すぎた食いきれるかな……これ……
そして俺は美知達を探す……いたあそこか。
六人がけのテーブルがあったようでそこに美知達が既に座っていた。
なんとしずくとテルネアスもいた。
「しずくもういいのか?お前気を失ったんだろ?」
「もう平気です……あのくらいで気を失うなど日ごろの鍛錬が足りていない証拠ですなのでまた鍛えなおしです」
「そうよみっちり特訓しなきゃ駄目よしずく」
「てっうわあああ!!先輩何時からそこに!?」
「あっ祭さん来てたんですね」
「私もいるよ~お兄ちゃん☆」
「たく来るなら来るって連絡しとけやって言ってるやろ鈴子……」
「お兄ちゃんの勇士をこっそり見たいとまつりさんに話しちゃったのです~だから来ちゃったってへ☆」
「こちらさんはシオウ?」
「俺の妹だよそういやまだ紹介してなかったな」
「シオウさんに妹がいられたんですねこんなにかわいい妹が」
「指場鈴子でーす!年は13歳中一です」
このシオウと同じ金髪いや黄色髪だなこれはちょっとはねたくせ毛が印象に残る女の子はシオウの妹だ。
「でもタケオさんも凄いですねうちのお兄ちゃんに勝っちゃうなんておニイ喧嘩には負けたことないし能力ファイトゲームでもほとんど負け無しなのに」
「いやスズお前には会ったばかりだからわからないかもしれないがタケオさんは凄いんだぞ俺より遥かに強いどちらの意味でもな」
「なにそれどういう意味?」
「いまにわかる」
「ええ~教えてよ兄いってば~!!」
声でかいなこのシオウの妹さんは。
それよりもくもくとメガ盛りカレーを食べるテルネアスにみんな気づいてないようなふりをしながら気づいていた。
テルネアスさんそれほんとに全部食べるの?三キロはありますよ見たところ。
「よく食うな~テルちゃんは凄い大食いだよね」
美知が発言する。テルちゃん?
「美知それってテルネアスのことか?」
「そだよ~テルネアスだと長いからテルちゃんダメ?」
「本人に聞いてみないと……」
その当の本人は黙々と普通では食いきれないであろう量のカレーを食べている。
ジト目で俺のほうを見てきた。
なんだこの生き物かわいい。
そしてこう言った。
「タケオにならそう呼ばれてもいい…………他の人はダメ……かな」
一同おおっーーーーーとなる。
しかし一部の人はなんだが不機嫌な態度になった。
「どういうこと?テルネアスさんってもしかしてタケオにききき気があるのまさかね」
「なんで私に聞くんですか美月さんあなた確かタケオさんの幼馴染でしょ?なに弱気になってるんですか」
「しずくちゃんこそなんでちょっと不機嫌になってるの?まさかしずくちゃんもタケオののことが!」
「いえそれはあり得ませんから何を言ってるんですか彼はただの監視対象ですよ」
「あれ~でも少し照れてない~??そんな気がするよ私の感がそう言ってる」
ここでまつりさんが横から入ってくる。
「でも確かにしずくは私から見るとタケオさんのことを特別視している傾向にあると思いますね」
「せっ先輩!?先輩まで何を言って!?」
ここで鈴子ちゃんも乱入してくる。
「つまりこの場にいる人のうちタケオさんに何かしら特別な感情がある可能性がある人は美知ちゃん、しずくさん、美月さん、テルネアスさんの4名ということだよね☆あとホじゃなかった友達枠でうちのお兄ちゃんが入るよね」
何かよからぬことを言いかけた鈴子ちゃんだがある意味爆弾発言をした。
「ちょっ!」
「えっ!!」
「そんなこと~あるよ」
「……………………」
「まあ~まあ~タケオさんモテモテね」
まつりさんが止めをさす。
しかしここでまったが入る。
「いや本当に待ってください私は違 い ま す から本当にタケオさんのことはちっとも好きじゃありません」
きっぱり言い張るしずく。
しかしさらにそこで反論が入る。
「そんなに否定しなくても~~~……これはあやしいな余計に普通はいそうですかとか言ってスルーするのが普通なのに真っ赤になって言い返すとことかまんまあれだよね……ね~シルシル」
「おれに振るの鈴ちゃん!?」
いつの間にかあだ名で呼び合ってる二人。
シルシルって……すごいネーミングセンス。
「まあ~将来のパートナーになるタケオは誰にも渡さないけどな!」
美知がぶっちゃけるそれってほとんど告白だよななんでこういう時に言っちゃうかなこいつは。
しかし俺はそこをあえて聞こえないふりをする。
あさっての方向を見て知らないふりだ。
ただし当の本人の美知にはばれるのが欠点だ。
そしてシオウをつい見てみるとなんだがついていけないなという感じに見えた。
やれやれだぜとマジで俺には関係ないことだな的な顔をしている。
俺もこのままでは埒があかないなと思い少し発言してみる。
「ちょっと待ってくれよ本人が否定しているならそうじゃないのか?美月はそうかも知れないが他の人はまだわからないだろうに」
ここで待ってましたーーーー!と言わんばかりの顔で鈴子ちゃんが食いついてきた。
「当のモテ男タケオさんが介入してきたーーー!でもね~しずくちゃんはあやしいと思うよ☆前からこっそり見てたけど監視の仕方がどんどんストーカー染みてきたからね」
「えっそれってどういう……」
「あー!あー!ダメ言わないで鈴ちゃん!!」
後ろから鈴子ちゃんの口を塞ぎ羽交い締めにするしずく。
おいどういうことだストーカー染みた監視って聞きたいぞ。
鈴子ちゃんはムグームグーと言って何とかしようとしているがついにはしずくの手に噛みつく。
「痛い!!」
「ブハーやっと喋れるつまり例えば超望遠レンズとか使ってね……」
「黙れーーーー!!」
しずくがぽこぽこ駄々っ子のように鈴子ちゃんのことを殴る。
結構痛そうだ。
「痛いってしずくちゃんまあそんだけ反応しているってことはやっぱりバレたら困るってことだよね~☆まあ今回はこのくらいにしておこうかな」
「鈴……後で酷いから」
そういえばこの恋愛話の発端の発言をしたテルネアスはと言うと既にいつの間にかメガ盛りカレーを食い終えていた。
いつの間に食べたんだこの人は!?美人なのに……大食いかつ早食いなのだ。
まあそこがテルネアスの良いところでもあるのだが。
さっきのジト目かわいかったな~それよりほんとにテルネアスは俺に気があるのか。
結局その後恋愛話はグダグダのまま自然終了した。
そして試合時間が後十五分後に迫っていたさなかある話題が出た。
「しかしタケオさんは強いですよね~確か最近まで能力者じゃなかったんですよね~☆」
「私もそれは思ってたタケオ私より強いのはなんでなの?」
鈴子ちゃんと美月が俺の強さの秘密に疑問を抱いた。
確かにそうだななんで俺はここまで勝ち上がれたのか自分でも不思議だ。
「そうは言っても俺の能力言いたくないけど逃げることなんだよな本来は」
「「「「「「えっ」」」」」」
沈黙が場を支配する。
そしてまた一斉に場が盛り上がる。
「いやいやそれどういうこと?」
「逃げることとはなんとも独創的ですね……」
「回避能力じゃなくて?」
「えっどういうことですかタケオさんタケオさんの能力の真髄は腕を獣や魔のものに変えるものかと思っていたんですが……」
ここでしずくにシオウが発言をする。
「なんやしずく知らんかったのかタケオは逃げることしか出来ない超能力者やでちょっと前まではな」
「そんなまさかお前の能力が逃げることだと今までのあれはなんだったんだ」
「あれ電工さんいらしていたのですか」
「ずっと居たわ!後ろの席にな!」
ここで電工君も話に入る。
いや気づいていたけどばれないように変装までしてたから言いづらくてな。
ただまつりさんも気づいているような感じだった。
たぶんめんどくさそうだから無視したんだろう。
「しずくは監視してたのに気付いていなかったのか?」
「いえ確かにあなたの能力が逃げることだと美知さんやシオウさんに伺っていたのですが信じられずあの時の鳳凰丸戦のことを知って私の中であなたの真の能力だと確信していたんですが……」
「まあ~いいんじゃないの~二つ能力持ってるぐらいおれも2つ持ってるし~」
「おい美知それ言っていいのか二人だけの秘密じゃなかったのか?」
「能力が2つあることしか言わなければいいんじゃないの?能力は秘密だからね」
「シルシル2つ持ってるの?すごいな私と同じだね」
「えっそれってどういうこと?」
「私も2つ持ってるんだよ」
「おい鈴子それは……」
「能力1つは教えるけどもう1個は秘密ならいいよねいうだけならタダだし」
「2つ持ってること自体が内緒にしろと言っただろ」
「美知になら話してもいいと思ったんだよあ他の人は聞かなかったことにして☆お願い」
「まあそういうことなら」
「私もですか鈴子1つは知ってますがもう1つとは……なんでしょうね」
「別にいいわよ」
「俺もかまわん」
「そう…………」
「あっタケオさんになら教えてもいいかななんて」
「それってどういう……」
「私も立候補しちゃおうかなとかってへ☆」
またしてもこの娘は騒動になりそうなことを……
一斉に女子三人の視線が鈴子を襲う。
ん?三人?美月と美知とテルネアスか?ってあれ美知は笑顔で鈴子ちゃんと話している。
しずくだった何故かむむむっとした顔で見ている。
おいそれだとほんとに誤解されるぞしずく。
まあ他の人は……まつりさんがほほ笑んでいる……約1名には気づかれているようだ。
それよりテルネアスがここでまさかの発言をした。
「私も気になります…………タケオさんの力…………」
「おっとテルネアスちゃん次の対戦相手から情報収集かこれは意外とマメな性格ですな☆」
「次の対戦相手?」
「あれっ知らなかったんかタケオ次の対戦相手決勝戦の相手はテルネアスの嬢ちゃんだぜ」
「………………なんんだっってえええええ!??」
俺は一人で絶叫する。するといつの間にか好奇な目線に充てられていた。
「あれが今回の決勝まで勝ち上がってきた青年か」
「彼強いの?」
「確か鳳凰丸と引き分けた男じゃないかあいつは?」
「もう一人のあの少女はどうなの?」
「確か全国高等学校ライフル射撃競技選手権大会の優勝者じゃないのかあの娘?」
「すごいじゃない確か否能力者だし否能力者の希望の星ね」
えっマジですか確かに射撃には自信があると言っていたが。
「そうなのテルネアスさん?」
まつりさんが聞く。
「いちおう…………去年優勝したことがある」
「すごいじゃない……これはタケオさんも負けてられないようですね」
「まさかあんたがそんなに凄いなんてね」
しずくが称賛する。
「それよりここだと目がつくなさあそろそろ俺たちも観客席行くからタケオとテルネアスは控室行ってろじゃあどっちが勝っても恨みっこ無しだな」
そう言ってみんなと別れる。
テルネアスと共に控室に行く。
控室で話をした。
「しかしテルネアスはどうやって勝ち残ったんだ?まさか実力で」
「まぐれですよ…………相手がいつもより調子が悪かったり、いきなり転んだり運が良かっただけです…………」
「それにしたってな~否能力者なのに」
「タケオさんも凄いじゃないですか……レベル1なのにここまで来るなんてかなり異常ですね」
その時のテルネアスの目が尋常でないほどいつもと違ったまるで悲しみに包まれたようなほどこの世に絶望した表情に見えた。
だが直ぐに違う表情を見せた。
「でもそれがタケオさんの実力なんですよね……私もがんばらなくちゃだめだよね」
しかしその笑顔の奥底には何か奇妙な違和感を感じた。
何か俺に黙っているような何か重要なことを言わないでいるような。
それでいて助けを求めたくても出来ないようなそんな顔に。
「ではタケオ選手とテルネアス選手会場の特設リングにまで上がってください」
「おっ出番だなさあ行くか」
「はい…………………………」
テルネアスは二丁拳銃を持っていた。
よく見るとホルスターまでついていた。
本格的だな。
こっちは武器も何もない。
だが能力があるつうか相手は否能力者なんだからこのくらいのハンデは無いとな。
さあ試合の時間だ。
27-2「激闘の決勝戦勝ったのは……?」
舞台に上がる俺時刻は夜の8時ちょうどぐらい。
パネルには俺たちの姿を映し出している。
「赤コーナー!竹谷竹男選手年は20歳職業はサラリーマンだ!最近能力者に成り立てでまさかのレベル1これは実力は未知数なのか~!!」
なんかプロレスみたいな喋り方だな実況のお兄さんはさっきまでの女の人が男の人に代わってるのは決勝戦用なのかこの人は。
「そして青コーナー!謎の美少女テルネアス選手本名は謎に包まれている……なんとこの美少女18歳で高校生なのだがなんと否能力者なのだ!今大会唯一の否能力者なのだ!!」
うおおーーーーー!と歓声が上がる。
確かに俺も最初は驚いたよでも確か……
「しかしそれも納得なんと全国高等学校ライフル射撃競技選手権大会の優勝経験者なのだから!」
なるほどといった感じの声が出る。
まあそれのおかげなのか本当人は見かけによらないと言うか。
そしてそれぞれの説明が終わりついに試合が始まろうとしていた。
「それでは試合を始めます体力制時間無制限勝負第三十回能力ファイトゲーム公式大会決勝戦開始!」
試合が始まった。
さてどうでるか。
俺はとりあえず獣手化を使っていた。
これでどんな攻撃が来ても問題ないはず。
しかし思わぬ攻撃が飛んできた。
ビュン!
おっと速い避ける暇がなかった。
俺は咄嗟に獣手で防いだ。
爪で防いだのでほぼノーダメージ体力ゲージはパネルに99.8パーセントと表示されている。
パチンコ玉か……ビービ―弾ではないのか結構痛いだろうな体に当たったら。
俺は終始余裕のはずだった。
しかし次の瞬間思わぬことが起きた。
獣手化が解除された。
なっ……どういうことだ!?
いつの間にか自分の右手はいつも通りの普通の手に戻っていた。
何が起きた!?俺は右手に攻撃を受けただけなのに。
「タケオさん…………不思議そうですね」
テルネアスが話しかけてきた試合中に。
俺はおもむろに聞いてみた。
「これはテルネアスお前のの仕業なのか?」
「そうです…………種明かしすると今私が使っているこの弾は特製でして相手の能力者の力を封じるものなんです」
どよどよと会場が騒ぎになる。
そりゃそうだ前代未聞だ能力者の力を封じる弾だって?そんなものが存在するのか?
「いえ今のところ暴徒鎮圧用に能力者にダメージを与える弾は存在しますが能力を封じる弾は作られたことがありません」
「どういうことなんだ」
「ある知り合いから分けてもらいましたその人は発明家でしてまだ世の中に発表されてないものもあります」
凄い知り合いもいたもんだな~という声が出る。
「なおその弾は一度相手の能力を一定時間封じたら効力を失うので持って帰って調べても無駄ですよ……」
その時司会のお兄さんがこっそり弾を拾うとしていた。
どうやら能力ファイト協会は調査をしたいようだ。
誰でもそう思うだろうな。
それにしたってそんなの反則だろ!!
俺は逃げ出した広いリングの中をとにかく動き回ることにした。
確か今テルネアスは一定時間と言ったから時間経過で元に戻るはずだから。
俺はいつもより焦っていた。
だから逃げる気持ちを抑えられないでいた。
「そこ…………」
「しまった!」
俺はまたしても攻撃を受けた。
今度は弾が足に当たる。
これで体力ゲージは97,8パーセントに2パーセント削るのか。
つまり50回攻撃を受けたら終わり。
これはどうしたもんかやばいぞ。
その時観客席ではタケオに対する励ましがあった。
「タケオ頑張って勝ってお願い」
「タケオがんばれー!負けるなー!」
「両方ともがんばれがんばれがーんばれ☆」
「(タケオお前ならやれるだがらがんばるんや)」
「タケオさん動きがいつもより鈍くなってますね能力を封じられたのでしょうか?」
「わからんどうもあの少女の攻撃を受けたら能力者はいっかんの終わりのようだな」
そして舞台に戻る。
テルネアスがさらに動いた。
テルネアスが動き出した。
というよりこっちに向かって走り出した。
そして銀玉鉄砲を物凄い連射で発射してきた。
どうやら勝負を決めるらしい。
俺は能力を封じられていたので仕方なく生身の体で拳法を使うしかなかった。
大明理流拳法今こそ使わしてもらうぜ。
俺も走り出した。
そしてそのまま攻撃を回避することなく俺はテルネアスに一発攻撃を仕掛けることにした。
外傷無いなら問題ないよね。
俺は少し躊躇したがこれは試合だ恨みっこ無し俺は顔面を殴るのはやばいと思い腹を殴った。
「重拳!」
「きゃあ!」
攻撃が当たる。
どうやら接近戦は苦手ようだテルネアスは。
テルネアスの体力ゲージは95パーセントに減少していた。
なお俺は75.2パーセントになっていた負けている完全に。
俺はすぐさま次の攻撃に移る。
しかしテルネアスも直ぐに動いた。
やられたと思ったらすぐに立ち上がり銀玉鉄砲を投げ捨て腰のポシェットから新たな銃を取り出した。
いや待てそれどこから出した?明らかにそのポシェットより大きいぞ。
今までのハンドガンと違いその銃身は大きいどうやらショットガンのようだ。
そして距離を取るテルネアス。
そしてそのまま発射してきた。
俺の体動けーーー!!
バンッ!俺はなんとか躱すことに成功する。
そして2発目も躱す。
しかしそのままでは埒があかない。
そういえばそろそろ能力使えないかと思い使ってみた。
使えた!獣手化そして重ねがけで魔手化だ!
左手も聖手化名前はこの前つけた。
そして2つの力を交差させ【エクス・リバース】!!
ならばこちらも本気を出します……
私の中の限界を突破する…………限界突破!!
テルネアスの動きが刹那冷徹な氷のように冷たいものになった。
獲物を狙うその眼は尋常じゃないほど鋭いものになった。
「ヒット!」
バキュン!当たった、しかしなぜか能力は解除されなかった。
体力ゲージは65パーセントに10パーも削られた。
どうやらハンドガンより威力が上がっているようだ。
「セット…………チャージ……………………ショット!」
先ほどの弾丸より威力がけた違いだ。
チャージとかいってたから溜める昨日まであるのか。
どんなエアガンだよほんとに。
俺は物凄い速さで飛んでくる弾丸をなんとか避けた。
そして俺はテルネアスに接近した。
しかし俺は攻撃を出来なかった。
彼女の哀愁の漂う顔を見てあまりにも必死だったのだ。俺はすれ違いざまに彼女に聞いた。
「どうしても勝ちたいのか?」
「お金が必要…………だから絶対勝つ」
そうかなら…………
俺は距離を取った。
そしてこっそりエクス・リバースを解除した。
ばれないようにな。
そしてわざと負けたと思わせないように俺はそのまま「うおおおおお」と言いながらテルネアスに接近していた。
いい的である。テルネアスはそのまま俺の脳天を打ち抜いた。
痛ってえ!そして次は右肩左肩右膝左膝腹そして最後にまた脳天。
俺の体力ゲージは0になっていた。
「試合終了!勝者テルネアス選手です!」
歓声が起こる。
そして大会は閉幕を迎える。
その後3位決定戦が行われようとしたがヒトシがなぜか欠席したのでテルネアスの準決勝での対戦相手が繰り上がり3位となった。
そして表彰台に上がる俺たち。
優勝者はトロフィーと賞金1000万が手渡せる小切手らしい。
俺も貰えたそういえば2位も500万貰えたのかどうしよう何に使おう。
そして大会は終わった。
そしてその後みんなと大会終了後の飲み会が行われる。
と言っても大多数は未成年なのでカラオケボックスで1時間歌って帰った。
テルネアスも参加したよ。
というかいつの間にかテルネアスのお祝い会となっていた。
そして帰り道みんなと別れた後俺の前に姿を現した。
そうテルネアスが。
「ありがとうございます…………勝たしてくれて」
「なんのことかな?」
「とぼけちゃって……わざと負けたんでしょタケオさん」
「ばれてたか……でも俺別に金は入用ではなかったし」
「私には……正確には私の友人を助けるためにお金が必要なんです」
「病気なのか?」
「いえ事故のせいで未だに眠りについたまま目を覚まさないんです」
「それは大変だなでも血縁関係でもないのに親友を?助けたい立派だな」
「全然そんなことありませんよ……私は立派じゃないです卑怯な女なんです」
その時のテルネアスの顔は悲観した自分を戒めるように俺に対する罪の告白をしたくてたまりたい顔だった。
「言わなくていいことは言わなくていいんだぞテルネアス」
「今は言えません…………でも必ず時が来たら言いますから……タケオさんそれまで待っててください」
そう言ってテルネアスは道を引き返した。
俺はテルネアスの過去に何があったのだろうと考えを膨らませていた。
親友が事故により植物状態……きついなそれだけでも人生変わりそうだでもそれだけではないようなそんな気がしていた――
――待っててねカレン…………あなたを救うために後8000万ほど…………必ず稼いでみせる。




