25話 能力ファイト大会編其の七
25-1「ライバル激突!両者対決の時!」
よく見るとシオウもしずくもまだ生き残っていた。
俺は今トーナメント表を眺めていた。
このままいけば次の次にシオウと準決勝でしずくと当たることになる。
あの二人は今どのくらい強くなっているのか興味がある。
実際シオウはレベル2だよな確かそれでかなりの実力がある。
何度も闘ってみた感想では確かにあいつはレベル4ぐらいの実力があった。
だからここまで勝ち残れたのであろうと思える。
一方しずくと言うとかなりの実力があるとみている。
たしか俺と同じエクス・リバースが使えるんだっけ?
とにかく俺はしずくのことをあまり知らない。
どのようにしてあのような力を付けたのか見当もつかない。
そしてそれを俺は知らずにしずくと接してきた。
そんな俺はどうなんだ?でもあんまり人のプライバシーに土足で踏み込むのもどうかと思うが。
それでもしずくのことが知りたいと言う気持ちが湧いてくるのはどうなっているんだろう?
俺はそんなことを考えながら時を過ごした。
そして俺の番が来る。
勝負の時間だ。
なーにこんなの早く終わらせてシオウの一戦を楽しみにしたい。
そして俺の戦いが始まった。
結果は案外簡単だった。
試合開始速攻でエクス・リバースを使い猛ラッシュを仕掛けてやった。
すると相手は何も出来なくなってあっけなく倒れた。
こうも張り合いが無いとなんだかな~
とにかく次のシオウの対決前に俺は息抜きをするべく観客席の美知のとこに行った。
「おう美知元気にしてたか」
「もちろん元気の元気さそれより竹男凄かったよあんな強そうな相手を開始十秒でノックアウトしちゃうなんてね」
「夢中だったからな次の試合が気になってな」
「次の試合?」
「シオウだよ次の相手は」
「シオウって竹男のライバルのシオウさん?」
「まあそんなところだな」
「それでどうなの竹男的には楽勝なの?」
「そんなわけないじゃないかシオウは俺より強いとまでは言わないが俺と互角に匹敵する力を持っているぞ」
「竹男と互角!?そんなに強かったのあの人!?」
「まあそうなのかもしれないが違うのかもしれない」
「どっちなのさ~竹男」
「まあいいじゃねえか後俺次の試合までにやらなちゃいけないことあるからもう行くわ」
「行ってらっしゃい竹男ここで見てるからね」
そうして俺はその場を後にした。
やることと言うのは試合前の挨拶を済ましておかなければという俺の下らない礼儀だ。
俺は控室の中に居るであろうシオウのもとを訪れた。
「なんや竹男……こないなときに」
「こんな時だから挨拶しに来たんだよ」
「ほう……それで?どんな挨拶をしに?」
「俺は手を抜くつもりはないからな」
「なんやそれ……改まって……そんなの当たり前やろ」
「当たり前のことでもお前が親友の俺に気を使って手を抜くかもしれないだろ?」
「いつ親友になったんや……俺とお前はライバル同士やろ?」
「いや親友だろたまに休みの日に遊びに行くし飯も一緒に食べに行くし」
「まあ親友と書いてライバルと読むとも言えるかいな」
「そうだろ?」
「まあいいやろそれならこちらも言いたいことがあるで」
「なんだ?」
「俺はお前を倒すために秘かに特訓して特訓して特訓して特訓して奥の手を開発したんやそれを今日お前に初めて見せるからな」
「いいのか?そんなこと言っちゃって?そういうことは隠しておくもんだぞ」
「いいんや隠し事はすかんからのそれに言っても言わなくても結果は同じや」
「と言うと?」
「どうせ俺の勝ちは決まっていると言いきれるほど力を付けたからな」
「ほうそれは楽しみだ」
「じゃあな試合の時に会おう」
「おうそうだな」
そして俺たちは別れた。
再び会うまでに。
大げさな言い方だなどうせ後少しで顔を合わすと言うのに。
そしてまた顔を会わせる俺とシオウなのであった。
「また会ったな」
「おうそうやな」
そして両者は睨み合う。
試合は開始された。
まず俺が動く前にシオウが動いた。
あの構えはシオウ流弾だ。
それを見た俺はその動作のまま回避余裕……でした?
いや可笑しいこんなに簡単に躱せるはずが無い……俺は何かの罠と思い距離を取る。
やはりそうか……弾が逆向きに回転している!
俺は背中から狙われていることに気づき咄嗟に回避動作をとる。
なんとか躱したが弾はシオウの元に戻っていく。
って自分に当たっているじゃないか!と思ったら弾が消えた。
どういうことだ!?俺の勘違いかまさか自分の弾には当たらないのか?
俺は考えていたが今はとにかく保留にした。
それよりもシオウが今の技の説明をしてきた。
「どうだ……これがシオウ逆転弾だ……相手を後ろから狙えるんやどうだ躱し難いだろ?」
「へっへ……どうってことないよ」
「ならばもっと喰らうがいい!」
そうしてシオウはシオウ逆転弾を何発も発射してきた。
そのまま俺は躱すしかなかった。
それでも何度も当たりそうになるが決して当たらなかった。
そして三十発ぐらい発射されたかなという時シオウが別の技を使ってきた。
まず両手を人差し指と薬指と小指を合わせて中指と中指をくっつけた。
そして気合いを込める雄叫びをあげてそれは放たれた。
「シオウ速撃波!」
速い!駄目だ躱せない!俺の体が動く前にシオウの攻撃は命中していた。
そして少しのけ反る。
「この攻撃は速くて範囲が広いが威力が心もとないシオウ弾くらいよりちょっと上程度だ」
「なるほど……」
そして俺はもう考えるのをやめた。
獣手化を使う。
そしてとにかく攻撃しまくるのであった。
しかし当たり放題である。
シオウ速撃波は何度も来る。
そして躱せずにいた。
そのまま俺の体力ゲージが75パーセントを切った時俺は冷静になれた。
(いかんいかん……このままでは駄目だ……俺は何か対策をたてないといけないようだな……)
そして俺は躱せないならそのまま突っ切ることにした。
つまりそうだ突撃である。
やはり何も考えてないじゃないかと言いたくなる気持ちもわかります。
でもこれしかないんです。
実際目にも止まらぬ速さで攻撃されているわけでならば相手の動きを止めるしかないわけで。
俺は獣手化で速さを得たのでそこから思い切り飛びかかりに行く。
しかしそうは問屋が卸さなかった。
シオウはそこから移動した。
とんでもない速さであった。
なんだろうシオウ砲弾の応用だろうか。
指を弾いた瞬間後ろに跳んだように見えた。
そして俺の攻撃は躱される。
そのまままたシオウ速撃波を決められる
俺はまた獣手で加速する。
そして爪で殴りかかる。
だが素早い動きで躱される。
それを何回も繰り返すことになる。
そのまま相手の動きを止めようと俺は離れ技に出る。
爪撃波を咄嗟に思いついた。
爪で空気を刈り取るイメージを行いなんかズババーンとエネルギーを放つ気持ちで空を刈るとそれは発射された。
しかしシオウは一瞬焦ったように見えたが直ぐに回避動作をとられ躱された。
しかしそれが俺の狙いだ。
その隙をついて俺はシオウに思い切り距離を縮めた。
そして魔手化を使い殴りかかった。
魔地拳!
魔地拳つまりマジに強い拳ただそれだけな意味だ。
ぶっちゃけただのパンチだと思う。
しかしこういう時は気の持ちようが大事だ。
美知の爺ちゃん心条さんも言っていた。
「いいか技とは己の核となる精神が生み出した自分だけの物じゃだからとにかく適当は駄目じゃただし自分がそれに魂を刻むことができるのならそれは別じゃ」
だから俺は自分だけの技を考えている。
戦いの中でだったり事前に練習中にだったりだが。
そして俺は物凄いパンチを考え出した。
魔手化の状態で今まで爪での攻撃しかしてなかったが実はパンチも凄い威力が出ることがわかった。
安全装置がついてない岩を割ってみようとしたら簡単に割れたのだ。
なんて破壊力だとその時は思ったよマジで強いと思った。
だから魔地拳なのだよ。
単純かな?まあいいやと俺はその時思った。
実際この技は気合いを込めて相手を殴るただそれだけの技だ。
だからただのパンチよりほんの少し強い程度だと思うこの技は。
それでもこの技は基本にして強い技だ。
俺の攻撃はクリーンヒットするかと思われた。
しかしシオウもただではやられないようだ。
「シオウ指弾拳!」
「なんだと!?」
俺の攻撃を弾き返した。
要するにデコピンを繰り出してきたのだがそれが俺の魔地拳を跳ね返したのだ。
そろそろ本気を出さないといけないようだな。
「【エクス・リバース】!」
俺の中で邪なオーラと聖のオーラが融合する。
そして新たな光を得た俺は物凄く湧き上がる力を制御しつつシオウの眼前に立ち尽くしていた。
「なるほど……そうくるか、だったら俺も全力を出すとするで!」
「全力だと!?まだ全力じゃなかったのか……」
「そうや……これが……これが俺の全力や!!」
するとどうだろうかシオウの体がみるみる真っ白い光に包まれていく。
そしてそのまま白いオーラを身に纏った。
するとシオウの体全体が力強くなった前よりもオーラなのか前とこのシオウは何か違うと俺はこの時思った。
するとシオウが説明をし始めた。
「これはな覚醒した指王やから覚指モードと名付けたんや」
「隠しモード?」
「まあそうやな隠しと覚指……覚めた指と書いて覚指モードや……どうやかっこいいやろ!?」
「名前はいいから強いのかそれ?」
「もちろん強いに決まってるやろ!これはな溜め無しでシオウ砲弾、シオウ激流弾、シオウ連発弾など俺の技の中でも中級以上の技を連発できるんやで?」
「何だよその中級とかって……」
「言ってなかったか俺の技には低級、中級、上級、最大級の四ランクがあるんや」
「それで?」
「低級は一番弱い技だが溜め無しで使えるなど使い勝手はいいシオウ弾やシオウ流弾、シオウ逆転弾、シオウ速撃波などがこれに該当する。そして中級ランクの技はと言うと溜めが必要だったり微妙に威力が低級より高いのを俺が区分けしたやつだシオウ砲弾やシオウ激流弾やシオウ連発弾などがそれに該当する。そして上級ランクだが……これはまだ使ったことが無いのでわからん一応有るんだが危険だからな後最大級はまだ完成してない」
そうかそうゆうことなのか後危険って……やっぱり手を抜いているんじゃないかこの野郎……
俺は腹がたったので言ってやった。
「いいぞ使って」
「何!?まさか上級の技を使えと言うのか……」
「そうだ手を抜くなと言っただろ?」
「でもあれはまだ……完全に完成してないと言うか……威力が桁違いでヤバいと言うか……」
「いいからお前の全力をぶつけてこい!」
「!!……わかったそうだなお前の言うとおりだな決心がついた」
「さあこい!」
「行くぞ………………シオウ…………激烈……砲……弾!!!」
(なっ!?デカい直径十メートルは有るぞ!?こんなの躱せるのか!?しかもスピードも速いぞ来る!)
もう腹を括るしかないのか……ならば俺もここで咄嗟に考え付いた技を披露するとするか。
黒牙龍破壊滅拳!!
煙が晴れた時決着はついていた。
シオウは場外に飛び出ていた。
遥か後方十メートルくらいだろうか。
「俺は負けたのか………………」
まさか今の一撃でそこまで吹っ飛んでいくのか。
しかも体力ゲージを一気に削り取るなんて……
俺はなんだが自分の力が怖くなったが直ぐにどうでもよくなった。
とにかく勝ったのだここは喜ばないと。
次はついに準決勝だ。
しかも相手はしずくだろう。
俺は急に眠くなってきたこれはヤバいなんだろう。
直ぐに仮眠室に行った。
俺は深く眠り込んでしまった。
竹谷竹男……お前はやはり危険な奴なのかもしれない。
短期間でここまで力を付けるのだ……会場に設置された観客席のバリアにひびが入ってしまってるからな……こいつは早くあれを完成させなければいけないな……
そしてそれから少しの時が経った会場では激闘が繰り広られていた。
「ハアハア……こいつなんなの!?私の攻撃が通用しない!?」
「ふんっ当たり前だ雑魚ごときが我に刃向うなど烏滸がましい!」
「雑魚ですって!?ならばこれはどう?血の破裂弾!」
「ふんっ!」
その時何が起こったのかわからなかった。
私の技が突然掻き消えたのだ。
「どういうことなの!?」
「さあ止めと行こうか……」
ヤバい何か来る!?
防御をしないと。
「血の鉄塊壁!」
「そんなもの我には無駄だ」
何か後ろから迫ってくるそんな気がした。
当たりだ……痛い背中に何か刺さっている。
安全装置があるのにでも血が出てない?
何か力がどんどん減っていくような……
「さあこれで本当の止めだ」
ギュオーン!何かの発射音が炸裂したとき私は吹っ飛んでた。
そして気を失った。
準々決勝第四試合 朱家雫敗北。




