外伝5 初能力ファイト?私否能力者なのに??
久しぶりの外伝の続きです。
ある日、テルネアスの床に泊まっていたので、私が代わりに朝食を作っている。
目玉焼きにお味噌汁、大根の漬物、野菜炒めの4品を作った。
朝からいい匂いがするのでテルネアスが起きてきた。
「おはよ~夏錬……グっモーニング?」
「グッモーニングだよテルネアス」
そしてたわいのない朝の挨拶を済まして私たちは朝ごはんを食べる。
「この目玉焼き、夏錬が……焼いたの?美味しい……とてもうまい」
「この大根の煮付けも夏錬が手作りなんだ……本当に料理好きなんだね……
私も上手くなりたい…………」
「だから私が教えているでしょ?ほらそんなことはいいから食べたらいいよ」
私は自分の子供をあやすかのようにテルネアスに言い聞かせておいた。
そして学校に行って授業を聞いて……テルネアス寝てる!!
しかし気持ちよさそうに寝ている。
寝顔が相変わらず可愛いのである。
これは反則だなと私は思った。
クリンとした御目目に柔らかそうな唇。
ふんわりしてそうな髪の毛全部私のものにしたいと思えるような美しい容姿を持っている。
私はなんだがテルネアスのことになると危なくなるなと思った。
それでいて自分のこの愛のようなものはなんなのだろうと疑問に思うこともある。
実際テルネアスだからなのかテルネアスだから好きだというところもある。
私はこの娘のためならば死んでもいいと思えるほど愛しているかもしれない。
いけない私は何を考えいるのか!
それでいてなんとも愛おしい可憐な花のようなそうだな百合の花のように美しいと自負できるこの娘は。
「佐倉崎夏錬さん!何をボーッとしているのですか!」
「はひっ!?」
いつの間にか起きているテルネアス。
そしてこちらを心配そうに見ているのである。
可愛いこの表情も良い!グッドだとてもグッドだよ!
そして意味も無くウインクをする私。
なんなら今すぐ二人で教室を飛び出すかと考えたがさすがにそれは不味いだろうと思いやめた。
「すいません少し考え事をしてました」
とりあえず取り繕うことにした私。
一応優等生で通っているのだからこのくらいはしておかないといけない。
それでも私はテルネアスが好きだ。
大好きだこの気持ちは忘れない。
放課後になった。
今日は素敵な日々だった。
三時間目の体育。
テルネアスが走り幅跳びをした。
美しかった。
まるで白鳥のようなそれともウサギのように可愛らしいかった。
私はどちらも好きだ。
五時間目は美術。
テルネアスは私の絵を描くと言った。
ならば私もテルネアスの絵を描くと言った。
お互いの絵を描きあうことで何か絆のようなものが芽生えたような気がした。
これが今日あったテルネアスとの主な出来事だ。
もちろん放課後も一緒だ。
今日はお爺ちゃんに稽古を付けてもらう日だからそれを見て貰おうと思う。
私がいつもどんなことをしているか見せたい。
なんたって私の武の部分だ。
見せないわけがない。
「夏錬?何を明後日の方向を見ているの?……」
「何でもないよそれより今日は私稽古が有るから見ていってよ私の勇姿を」
「そうだね…………いいよ…………」
「それじゃあ私の自宅までレッツゴー!」
そうして私の自宅に戻ってきた私とテルネアス。
ここは閑静な住宅地の密集地帯だ。
それでもってちょっとした道場を開いている。
古武術の一つ佐倉崎流刀剣術を教えている。
剣道のようなものでは無くあくまでも実戦を想定した武道だ。
なので生半可な気持ちじゃ受けれない。
それで私はそこでお爺ちゃんつまりこの道場の顧問の孫と言う扱いだ。
だからかなり可愛がれている。
門下生はあまりいない。
全部で五人しかいない。
年代もさまざま上から六十ぐらいのお爺さんから十歳ぐらいの子供までいる。
他は私と同じくらいの高校生と中学生と大学生かな。
今日の稽古は休みの日だ。
だか私の稽古の日だと決まっている。
「お爺ちゃんおかえり!」
「帰ったのかなら稽古をするかいつも通りに……」
「あっちょっとまってお爺ちゃんお友達が来てるの見学させても良い?」
「邪魔にならなければ別に良い……」
「テルネアス!見てもいいって」
「?……ふむ……」
そうして私の稽古は始まった。
簡単なものだお爺ちゃんがいつも通り私の相手をしてくれるのだ。
木刀を持って相手の頭か肩か胴か籠手か足首に一撃加えれば勝ちだ。
私の場合頭に攻撃を受けたら負けだ。
これはハンデらしい。
でもかなり善戦するハンデだ。
だから負けたくない。
しかし今まで私がお爺ちゃんに勝ったことは一度だってないのだ。
これで三百五十二戦三百五十二敗零勝だ。
なんていっても家のお爺ちゃんは佐倉崎刀剣術の免許皆伝者だ。
その家のお爺ちゃんのお爺ちゃんに認められたと言うのだ。
そりゃ強いに決まっている。
そして今日もいつも通り稽古が始まる。
もちろん結果は……
いつも通り惨敗だった。
「あー!勝てない!勝てないよ!お爺ちゃん強すぎ!もう無理ぜーはーぜーはー……」
「夏錬大丈夫……」
「愚か者!そう簡単に勝てるものか!でも今日はいつもより動きが良かったほうだがな……」
「えっ!ほんと!?動き良かったの私!」
「ちょっとだけじゃな誤差の範囲じゃな」
「なんだ~がっかり……ドーン……」
「落ちこんどる場合か今日も素振り三百回しとくのじゃぞ」
「はーいもうお腹すいちゃったご飯は?」
「真澄が作っているじゃろ儂も頂きに上がるか」
「お母さんのご飯美味しいからねそうだテルネアスも一緒にどう?」
「うん……そうする……」
「やったー!みんなでご飯だ!」
そしてみんなでいつも通りちょっぴり豪華な晩御飯を食べた。
そしてテルネアスを泊めてあげることにした。
やったー!テルネアスとお泊りだ。
興奮してきた。
「あらそう言えばあなた宛てに小包が届いていたわよ」
「ありがとうお母さん!」
なんだろう私宛に?ちょっと気になるが今日はもう遅いので開けるのは明日にしよう。
明日は土曜日で休みだし。
「それじゃあテルネアスお休み」
「お休み……」
そして私たちは寝た(意味深)。
もちろん私は下で布団で。
私のベットはテルネアスに譲った。
次の日テルネアスが帰った後に残り香を嗅いで……って私は変態かー!
そんなことは断じてしないぞ断じてだ。
ちょっと頭を埋めるくらいはしそうだけど。
そして明日が来た。
そしてその六時間後大変な事態に巻き込まれるのであった。
「俺と能力ファイトしろよ」
「えっえっえっ!?」
「………………」
私たちは無事に居られるのか?
つづく。




