24話 能力ファイト大会編其の六
24-1「これから俺は魔人となると言いたくなるほど相手が強い件について」
これは俺の能力が限界を達するほどオーバーロードする出来事が起きる事件の概要だ。
――この白天使な男は何をしたんだ。
いや文字通り白天使なんだ。
羽根が生えている六枚の羽根が。
しかもかなり神々しく後光が差している。
この三峰山三郎と言う男はレベル5である。
そして能力は不明だったが今確認した。
天使化というらしい。
本人が言うのだからそうに違いない。
俺は試合が始まって心底考えていた。
勝てない……この男には勝てない本気を出しても……
そんな弱腰なことしか考えられなかった。
「さあどうするこれでお終いだな天使の弓矢!」
降り注ぐ矢の嵐が止まらない。
俺は咄嗟に右手を巨大化させた。
巨大魔手の盾を展開させてなんとか防ぐ。
が俺の体力ゲージは82パーセントまで減った。
これが天使の力恐ろしい。
今度は近接戦闘を仕掛けてきた。
白天使の剣を展開してきた。
見るものを凌駕する剣は神々しいものだった。
こんなのと闘うのか!?勘弁してくれよ。
俺は死ぬほど苦戦しそうだった。
こっちも剣を出さないとやられる。
そう思った俺は闇のエネルギーを具現化してみた。
闇の魔剣を展開した。
これで互角に闘えるはずだとその時思ったがどうかわからない。
俺はそれでも負けは無いと思う。
まずは相手との間合いを詰めることに注意を置いた。
俺は翔けた。素早くそう鳥のように駆けた。
剣を振り抜く。
そして相手の剣が俺の剣を阻むように防ぐ。
剣との往来だ。
このまま一気に振り抜く。
俺の剣の方が巨大だ。
何と言っても魔剣だからな。
この力でなんとかしてみる。
巨大魔手のブーストをかける。
そして力勝ちをする。
奴の剣は砕け散った。
このまま切り裂く。
俺は飛びこんだやつの懐に。
しかし天使の羽根をを持つ相手だ。
飛んだのだ。これでは手出しできない。
俺は剣を捨てて遠距離攻撃を仕掛けた。
魔爪波をぶつけた。言ってみれば真空刃のようなものだ。
俺はこれで奴を刈り取ることにした。
魔爪波!魔爪波!魔爪波!!
俺の三連続の波状攻撃は当たらない全て躱された。
このままでは負けるなんとかしないと。
奴が羽根を持つならこちらも羽根を持たないといけないな。
俺の中で何かが弾けた。
そして背中からゆっくり黒い羽根が生まれた。
通称邪神獣の羽根っていうのはどうだろう。
悪魔だとなんか被っているような感じだからやめた。
何故か邪神獣というのが浮かんだ。
これでいいこの羽根は邪神獣のものだ。
その羽根は確かに常軌を逸していて邪悪なものを感じさせた。
しかし神のような並外れた力を持つとも感じさせた。
そしてこの飛び抜けた力で奴を倒す。
そう確信させる何かを俺は抱いた。
まず奴の間合いに入る。
それは羽根の羽ばたきと言うより重力操作のような何かを感じさせた。
直ぐに動く直観的に移動できる。
この邪神獣の羽根はそんな不思議な羽根だった。
そして俺は暗黒剣を生み出した。
暗黒剣「邪道隠」それは剣と呼ぶには烏滸がましいほど気配がなかった。
それは刀のような抜き身で静かに重々しくそれでいて強力な力を有する。
俺の右手の禍々しい力を全てそれに注いだ結果だ。
そしてそれを構える。
「なんだこの剣は……貴様それで勝負するのか!?いいだろうやってやる」
「………………」
俺はまず剣を振るった。
空間を切り裂いた。
そしてそれは波動となった。
空を切り裂いた。
天使は躱した。だが遅い俺はもう間合いに入っているぞ。
そして二撃目を喰らわした。
しかし不発。
躱されるが何とか間合いに入り直す。
そしてしつこく纏わりつく。
そして一打を入れる。
相手は障壁を展開しているのか体力ゲージを86パーセントまでしか減らせなかった。
そして次の一撃を入れる。
一度攻撃が入るとまた入るようである。
今度は70パーセントまで削るまだまだだ。
「ならばこれでどうだ!白天使の砲撃!」
白い砲弾が飛んできた。
こんなの剣で切り裂けばOKだろ?
俺は剣を構えたそして切り裂こうと思い剣を振った。
真っ二つだった。
それは(白い砲弾)真っ二つになったそして俺は奴の前まで超スピードで迫った。
「喰らえ……黒魔陰……!」
俺は暗黒剣「邪道隠」を右に構えそのまま左に振るった。
そして一気に振り抜いた。
瞬間的に何かで防御されたが決まったものは決まった。
体力ゲージは55パーセントまで減らした。
そしてそのまま体力を削り合う消耗戦になっていく。
暗黒剣を宛がう。
だが奴も白天使の剣を出す。
そして剣をぶつけ合う。
俺はそれを阻止しようとするがなかなか出来ない。
それどころか奴の剣技のスピードが上がっているような気がする。
そして俺の体に剣が刺さる。
72パーセントにまで減る俺の体力ゲージ。
だがこのくらいなら大丈夫だ。
試合を左右するダメージではない。
そして暗黒剣「邪道隠」は俺の力量では扱いづらい。
ならばどうする剣には剣では駄目なのか?
俺は考えた闘いながらそして結論が出た。
やはり俺には剣が合ってないみたいだ。
というわけで剣を解除する。
そして巨大魔手が戻る。
俺はこの魔手を何とかして見ようと思った。
魔手をこう少し攻撃的にしようと思う。
爪を剣の刃みたいに伸ばしてこうだ。
出来た鋭利魔手。
爪が前より伸びてより攻撃的になった。
これでどうにかなるだろう。
ついでに左手も同じことにして
鋭利聖手を展開。
【エクス・リバース】を展開する。
とんでもない力が溢れだす。
無限量のエネルギーが有るように錯覚するほどだ。
だがそうではないこの力にも限界はある。
今のところ連続使用で三十分ぐらいが限度だ。
その三十分の間に勝負を終わらせることが出来ないといけない。
そして俺は獣のような恰好で奴を狙い撃ちした。
まず一気に間合いを詰めてそのまま爪で攻撃だ。
俺はそれを実行した。
自分のスタイルに合っているのか鋭利魔手聖手はすんなり体に馴染んだ。
そして奴の体に鋭利魔手が当たった。
「なんだとそれは爪だと!?こんなのにーーー!」
何だがとても悔しそうに見えた。
それはそうと奴の体力ゲージは40パーセントにまで減った。
あと三四発で倒せるのではないだろうか。
俺は鋭利聖手を振った。
しかし白天使の剣で防がれる。
「僕もそう簡単にやられたりしないよ!特にこんな白い聖なる力の前ではね」
「よく止めたなだがこっちにはもう一つ爪が有るぜ」
「ならばこちらも増やすまで白天使の剣その二!」
奴は剣を二本目を召喚しやがった。
そして俺の鋭利魔手と衝突した。
なかなか均衡する闘い。
そして俺はいったん離れることにした。
そして動きを待つ。
そのほうが良いだろうと判断した。
そうして奴も剣を構えて突っ込んで来た。
振るわれる双剣は凄まじく相手がし辛いと思った。
そして俺も相手にするのが大変だと思われていた。
(こいつどうやって処理すればいいのだ……)
(なかなかやるな剣の腕はなんだかんだ言って凄いもんだ実力が違う)
俺は無理矢理突っ込んだ。
爪の方が力を加えやすいようだ。
そして動きが獣のそれと寸分一緒になりそうな感覚があった。
連続引っ掻きを体現する。
奴も剣で防ぐが防ぎきれないようだ。
そして剣が飛ぶ。
俺の鋭利魔手鋭利聖手が勝ったようだ。
そのまま引っ掻きまくる。
「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!」
「ぐわあああああああああああああああああああああ!」
「試合終了竹男選手の勝利です」
歓声が上がる。
俺には聞こえていなかったかも知れない。
そして正気に戻る。
鋭利魔手聖手も解除される。
ここまで来たからなやっぱり優勝したいもんな。
残り16名の大会参加者。
次勝てばベスト8か。
どんな相手が来るのだろう。
それまでどう勝てるか考えておかないとな。




