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10話 電工君との修羅場

10-1「会社の給料は下げられるわ、よく知らない奴に目を付けられるわ…散々ですわ」


俺は会社の給料を減給され、能力ファイトを一か月禁止されていた。

とても悔しい……俺は今までのアイデンティティを削り取られた気がしていた。

しかし一番の悔しさはストレス発散になってた、能力ファイトもできないというのが一番ダメージがあった。

一か月もの間俺はどうやってストレスを発散したらいいんだよーーー!と誰にも言えない叫びを俺は心で震えさせていた。せっかくの正月休みなのに台無しだ。


なのでタケオは少しばかりションボリしてた。美知と相変わらず休みの日に主に組手や外に出かけては遊びに行っているが、それでも気分は立ち直れない。

美知は慰めの言葉をかける。

「まあ……こんなこともあるかも知れないと……肝に銘じる?というよりおれもタケオを止めれなかったから……悪いのかな…………」


「美知は悪くないよ……俺が悪い……」


「そんなことないよ!!おれはタケオが悪いなんて思ってない……その変な団体のやつらが悪いに決まってる!!絶対に許さないからなその団体のやつらおれがそいつらをしめてやるから!」


「それは……もういいんだ……本当にめんどいからこっちから手を出すと余計に面倒なことになるから、やめとくんだぞ美知」


「タケオが言うならそうする……でもおれに出来ることならいつでも言ってくれよ!タケオの力にいつでも協力してあげるからな、タケオ!」

俺たちはそんな会話をある休日のお出かけの時にしていた。

と言ってもそれはいつもの河川敷の前の道を散歩しているだけなんだがな。


そんな時に前方から早歩きで歩いてくる人影がある。

顔に包帯を巻いていてまるでミイラ男のようなその謎の人物は俺たちに近づいてくる。

美知が怯える。「ぎゃあああああミイラ男!!」と驚いているが、俺はそれが誰であるかだいたい分かっていた。もちろん先日大火傷を負ったしずくである。


しずくは「少し折り入ってお話があるのですよ……主にタケオさんに。」


そういって二人で話がしたいと美知に詰め寄る。とても気迫が強い。

なぜか火花が散るしずくと美知。美知は口を開く。

「お前は……確かあのときの鳳凰丸のおじさんにやられた女……」


「そうですよ、私はやられました火あぶりにされましたよ、でもこの通り大火傷も最新の医療技術で全治一か月で済みましたよタケオさん意外と平気ですよ」

しずくは相変わらず早口で喋る。疲れないのかなと思う。


それで俺は二人で話がしたいと言うしずくからの提案を飲んだ。

俺は美知に先に帰るように言っておくと素直にでは無いが「え~~~」と言って残念そうな顔で今にも泣きだしそうな顔だが


すぐに立ち直り「タケオが言うならそうするよ」と折れた美知は先に帰っていると言うので、先に帰らす。


しずくの話したいことは「先日はなぜか私のためなんかに鳳凰丸気道と闘ってくれたようですね……」とお礼を言いたいらしい。早口ではなく丁重に聞いてくる。

そんなことか……俺は「別にお前のためというより、なんかあのおっさんが無性に許せないとそのとき思って勝負を挑んでいたんだよ……」


「それより俺はあのとき何故お前がテーマパークのイベントの無謀な能力ファイト……

レベル5なんかある奴に何故挑もうと思ったんだ……?確か他の挑戦者すらレベル4ばかりだったと後でイベントの実行委員会の人が教えてくれたのに。お前は確か……レベルいくつだっけ?」


「人のこと言えないでしょ……あなたもレベル1でしょうに……私のレベル教えてなかったですか?確かレベル3ですよまだ半人前ですね」

俺は驚いた確かにこいつは強いけどまだレベル3だと言うことに……とっくにレベル4はあると思っていたからだ


「どうしたんですか?呆けてますよ……まさか変なこと考えてるんですか、キモいですよ」

何を言っているんだこの女子は……俺はお前で変な妄想するような人間だと思っているのかしずくは


「とまあ嘘ですけど……そんな誤解なんてあるわけないですよタケオさんは強いですから……」

おれが強い……確かに鳳凰丸には勝てたが、俺はその時何かが違ったのであったのでそれは俺の実力と言っていいのか……それより俺の質問に答えてないことを指摘すると


「ああ私はその時なぜ鳳凰丸と闘っていたかと言うとですね。興味本位で強い奴と闘いたいという欲求だったらしいです。前から彼がこのテーマパークに来ることは知ってましたし。それで私は挑戦することに決めたのです」


おれは典型的に出てくるのであろうある突っ込みを入れた。


「お前はどこのサ○ヤ人だ、悟空よりバカなんじゃないか?」


「私は実は高校の成績は……そこそこですよ、クラスで上から十二番目ぐらいですよ、なので馬鹿ではないですよ、失礼ですね人に馬鹿っていうほうが馬鹿ですよタケオさん」


そんなこと言いたいことではないのだが……それより俺はしずくがこんな包帯グルグル巻きの状態で大丈夫なのか聞いてみた。


「大丈夫ですよ、まだ少しヒリヒリしますけどこれはこれで私の無謀な行いを戒めていますことになりますから……親から大怪我したのは心配されませんでしたこれではお前のことを立派な将来の管理理事会に置けないと言われてしまいました。心苦しいです……あの親には逆らえませんから」

言わなくてもいいことを言いだすしずく、おれはとりあえず慰めてやる。


「俺はお前がどんな奴でも俺を監視すると言ってきたことも全然迷惑だなんて思ってないからな……だからお前はいつも通りの自分を大事にしてあげるんだよ。自分をしっかり持てば大丈夫だと俺は思うぞ……」


しずくは何故か気に障ったのか震えて顔を強張らせてこんなことを言ってきた。

「それでもあなたのことなんて私は信頼したりはしませんから!そんなことで私を騙そうとするなんて、なんて男なの……」


めんどくさい女子だな~~~と俺は思うけどそこもまあまあいいところでもあるかもと

俺は自分を騙してこのめんどくさい女の子を素直に見てやろうと思っていた。


しかしこれからもあなたの能力ファイトの監視を続けていきますと宣言するしずく。

それまだ続いていたんだ……実はたまにしずくらしき人物の人影を能力ファイトの時に

視線を感じるどころか、変なお面をしている女の子が草むらから覗いていたり、電柱の角から覗いていたような気がする……


これではバレバレなんだけどな、誰かまでは分からなかった。

ここで俺の知らないやつが急に後ろから声をかけてくる。


「おい、しずくこいつはどういうことだ……俺との約束はどうした」


誰だこいつ……黒髪の普通の髪だがすこし外はねのこの男は誰だ?

俺はしずくに聞いてみるこいつは誰なのだと。


「彼は……うちの公正試合実行委員会のメンバーの一人……早乙女電工というものです……ちょっと苦手なんです。」

しずくは小声で俺に聞こえるように発言する。


「こいつとは直接話をしない約束だったのに……しずくは悪くない……つまりお前が悪いんだな、うちのしずくをたぶらかしたのか!!」

なんだか誤解しているようだぞこの電工君は。


俺は事情を説明しようとするが、しずくに「ちょっと待って下さい……さっきのことは二人だけの秘密にして下さい」としずくは何故か先ほどのことを秘密にしたがる。


電工君は唖然とした顔で呆然としているそしてぶつぶつと何か呟いている。


「二人だけの秘密…二人だけの秘密…二人だけの秘密……二人だけの??」


バチバチッと電磁波が電工の周りから染み出ている。これはどうやら完全に誤解を受けているようだ。そして電工は逆切れ気味にこう言った。


「お前が気に入らない……竹谷竹男俺と能力ファイトしろ……お前と決着をつけてやる」

何の決着なのか分からないが、断る動機もない。

しずくはおろおろなどせず、冷静に物事を考えてる……そしてこう発言する。

「電工…もしかして……タケオさんと能力ファイトしたいの?私は帰ろうかな?迷惑でしょ私がいたら」

しずくなりに気を使っているのか、ただ面倒な人物から離れたいのかまでわからないが……電工はすぐに返事をした。


「俺はしずくが近くにいても一向に構わない!むしろ俺たちの闘いを目に焼き付けておいてくれたまえ、では勝負しようじゃないか竹谷竹男」

なんかしずくと会話したら機嫌が良くなったようだ……こいつらどうゆう関係なんだろ?


「それじゃあ5分勝負でいいでしょうか?時は金なりといいますし」


「一向に構わないぞ……では真剣に勝負しようじゃないか竹谷竹男……ちょっと本気を出さしてもらうけど、俺はいつも本気だからな」

本気で闘うのか……俺もあの禍々しい力を意図的に出せたらこいつ死んじゃうからだめだな。

前みたいに少しコントロールできたらいいのにな。


そして端末の認証ボタンを押して能力ファイトの開始の合図も鳴る。


「始め」


今回は短いなコールが。特に疑問を感じなかった。


そして勝負が始まると同時に電工が接近してくる。捕まえようと来ている感じだ。

俺は察して逃げる、追いかけられる。足の速さは同じくらいだ。


逃げることが能力なので俺のほうが有利だ。電磁波で周りの金属を引き寄せようとしているのか……金属なんてなかった……引き寄せられる大きさのものは特に。


「ぐぬぬぬぬぬぬ……ならばお前を捕まえるまでだ……」

負け惜しみか、俺は捕まらないぞ……逃げることに関してはもうスペシャリストを名乗れるかもしれない、特にスピードが同じくらいの相手なら尚更だ。


そしてばてている電工……どうやらスタミナ切れらしい、その隙に俺は接近して一発蹴りを食らわす。吹っ飛ぶ電工。ゲージは97パーセントに減った。あとは残り3分ぐらいを逃げるだけだ……電工は弱かった……どうやら俺と相性が悪かったようだ。


残り2分……電工必死に俺を捕まえようと少ないスタミナで俺を追いかける。

残り1分……こんどは電磁波を拳に集めている。そして俺に突進軽く避ける。

残り10秒くらいで諦めてしまう電工……なんだったんだこいつは……俺の勝ちに決まった。


しずくはまじまじと見ていてくれた。そして電工に一言。

「電工君惜しかったね……タケオさんのほうが強かったみたいだよ……だからもう帰っていいから」

笑顔で慰めているようだが、電工には逆効果だった。電工は悔しさのあまり泣いていた。

涙をボロボロと目に浮かべている。

しずく曰く結構電工君は涙もろい性格で良く泣いてしまう。男の癖にちょっとカッコ悪いのだとしずくは漏らす。


「顔はイケメンなんだけどね……」それは余計なお世話なので本人には黙っておいて上げようしずく。

なんという残念なイケメンだ。しかも勘違いが多いと言う際どい性格ときたらこりゃ少しばかり面倒であると感じるのもわかる。


電工は泣き止んだのか、口をやっと開く。

「俺の負けだ……しずくは今回はおまえに預ける、今回だけ……今回だけだからな!」と捨て台詞を放って退散する。


しずくは良くわからないので??な顔をする。

「何言ってるんだろ……電工君……勘違いしているのかな?」

しずくは意外と鈍感な女の子かもしれない。自分のことだと結構気が付かないものなのかも知れないな。よくわからないまま電工との能力ファイトは俺の軽い勝利に終わる。

勝負した意味あったのかなと俺は思った。


10-2「しずく、監視のためタケオの家にあがり込む……えっ!?」


しずくが俺の家に来ました……

何を言っているのかわからないが何故かこうなっていた。しずくはどうしてもあなたの家に行ってみたいと、懇願してきた。「どうして?」と聞くと、あなたの趣味や動向を知るためには家を見るのが手っ取り早いと申すしずく隊員。


俺はよくわからなかった。ここで俺がハイと言ってもいいものか、なお無理ならあなたに能力ファイトを毎日三回は仕掛けます、と脅される。こいつの能力は洒落にならなさそうなので俺は承諾する。

そして俺の家と言う名のアパートに到着した。

そして玄関を開ける。入った時にしずくが発言する。


「意外と整理整頓されてますね……」


俺は意外と綺麗好きだからな。

しすくはまず台所を見る。まだ、越して3年も経ってないのでかなり汚れていない台所を見てしすくはこう発言した。


「タケオさんは料理をしない方なんですか?」


ずっこける俺。「そんなわけないだろ!自炊しないと生活できないわ!」

しずくは嘲笑した顔で鼻で笑うように返す。


「あら、じゃあどうしてこんなに台所が綺麗なんですか普通毎日料理していたらこんなに綺麗なわけないでしょうに」

俺は少し言い訳をする。確かに毎日は自炊はしてないので事実だ。俺は自分のプライドを折るつもりはなかった。


「俺は台所を綺麗に使っているだけだ。料理してないわけではない!」

嘘は言ってない。これでどうだ女の子と言う生き物は本当に面倒だ。


しずくは腑に落ちないのをスルーして今度は俺のゲームが散乱してるところに通称ゲームの間と食事をするとこと寝るところつまりリビングに来た。色々と観察してるしずく。

そしてこんなことを言ってきた。


「ゲームは一日何時間してますか?」


「三時間ぐらいかな」


「多すぎです!一時間まで減らしてください。」


「お前にそんなこと言われる筋合いはない……」

と言った瞬間ブラッドナイフを出すしずく。

ヤンデレかよ……というかお前は俺のお母さんかという突っ込みをしたくなる。


「わかった間を取って二時間に……」


「一時間十分……」


「一時間四十分」


「わかりましたそんなに好きでしたら一時間三十分で手を打ちましょう」


なんだかよくわからんやり取りをしている俺たち。

しずくは俺のゲーム時間をコントロールして何が目的だ?俺はそのことについて聞いてみた。


「だって……ゲームばっかりすると駄目人間になるってまつり先輩が言ってたから……」


ふーん、あのしずくの先輩が心の支えなのかと俺は思った。

そしてそんな他愛のない会話を続けていくと、しずくはあることを切り出した。


「タケオさんはこの前私が鳳凰丸気道と闘った後に鳳凰丸と闘ったらしいですね?」

俺はなんだそんなことかと思い普通に返す。


「ニュースにもなったからな、それでなんだ?俺は当然のことをしただけだぞ」

しすくは神妙な顔でこう返してきた。


「違うんです、私のせいでタケオさんが別人のようになったという話を電工から聞きました。当日電工はあなたを私の代わりに監視していたのです」


さらっと監視を継続していることにはスルーする俺は疑問点をぶつけてみた。

「俺のあの時の記憶はあんまりないんだよね……その別人みたいになったのも俺の隠された力の一つだったりするんじゃないかな?」


「いえ実はですねそれは……私の口からは上手く言えません。まつり先輩に口止めされているので……」

ここまで言っておいてなんだよと思ったが、俺は頭を冷静にするために聞いてみた。


「何が言いたいんだよしずくは……俺の家に勝手にあがり込むは意味深なことを言うわ、目的は何なんだよ」


「私の目的は……あなたの監視です。これは任務でもありますが、個人的にあなたに興味が湧いているからです。」


なんか興味があるとか言われたぞ……たぶん恋愛的な意味ではないだろう。

俺はさらに質問をぶつける。


「興味ってなんだよ……まさか?俺のこの力に嫉妬しているとか?コントロールできたらレベル5でも引き分けなんだからな……嫉妬するわけだな」


俺はわざと煽る。怒らしたら恐そうだけど、しずくの本音が知りたかったからだ。

するとしずくは確信に触れるようなことを言ってのけた。



「もしかしたら、私もタケオさんみたいに成れるとしたらどう思いますか?」



「えっ!?…………どういう意味だしずく?俺のようになれる?」


「これ以上は公正試合実行委員会の規定違反となるため私の口からは言えません。でも私といずれ本気の私と闘ってみたくなりましたよね?是非真剣にファイトしましょう……竹男さん」

そう言ってしずくは今日はもう帰るということで帰り支度を始める。なんだか近くから美知の不穏なオーラを感じるというか声がダダ漏れだ。


しずくが帰宅した後こっ酷く美知に抗議された。あの女と何があったとか根掘り葉掘り聞かれた。俺の平穏は続くとは思えないな、少しはあきらめも肝心だと思ったタケオであった。

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