表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
召喚奴隷の異世界録  作者: 荒渠千峰
2章 異世界受刑者
37/103

23 後の祭り

「ココまでくれば安全か」


 ローブを纏った男は抱きかかえたディアの顔を見やる。あまりに突然のことだったせい

かどうやら気絶しているらしかった。僅かながらに寝息を立てている。


 ……まぁ、起きていられるよりはマシか。


 大きく地面が揺れ、闘技場がみるみる崩れていく様子がここから窺えた。恐らくヴァラウィルが暴走を始めた頃だろう。


「はじまったか」


 フードが風に取られ、崩れゆく闘技場を一瞥すると遠くからディアを呼ぶ声が聞こえてきた。ローブの男は右脚を前に出して地面に魔方陣が展開させる。


「シルフィー」


 地面から小さな竜巻が起こり、ゆっくりとディアの身体を浮かばせた。


「これで気付きやすくなるだろう」


 闘技場から上空へと舞う二つの影を確認すると、ローブの男はフッと笑みを見せた。


「ヴィヴィもうまくやってくれたみたいだな」


 再びフードを被ったローブ姿の男、アキラは音もなくその場から消えた。


「ディア!!」


 元囚人たちを引き連れたアシュリアが宙に浮くディアを見つけたのは、アキラが消えた直後だった。


「これは、風魔法か」


 ……あの男は何者だったんだ、どこかで聞いた事のある声だったが。


 しばらく唸っていたディアの近くにズドオォンと何かが落ちてきた。


「「ぐぇっ」」


「もうちょっと着地はどうにかならなかったのか!?」


「うるさい男ね、あのままあの場に置き去りにしてスライム型モンスターにでも生まれ変われば良かったかもしれないね!!」


 砂煙をあげながらリキヤと風魔の巫女が喧嘩をしていた。元囚人たちを下敷きにして。


「なんだ、無事だったか……ところでその少女は誰だ?」


 お互いの頬を引っ張り合いながらリキヤはようやくアシュリアの存在に気付き、立ち上がって砂埃を払う。


「俺の命の恩人だ、えーっと名前はキノコちゃん……じゃないや、なんだっけ?」


 若干ずれたキノコ型の帽子を正しながら少女はアシュリアをジト目で見た後、浅く息を吐いて、


「ヴィヴィアンヌ」


 ブーたれながらも名乗った。


「よろしく、ヴィヴィアンヌ」


 リキヤの差し出した手を握り、そのまま背負い投げを喰らわされる。


「馴れ合うつもりは微塵もないね」


 そう言い残すとヴィヴィアンヌは元囚人たちの上から降りて地面に沈んでいった。リキヤはひっくり返ったまま、


「素直じゃねーの」


 ボロボロな姿で満面の笑みを見せた。


「俺達の事、忘れてないか?」


 元囚人である男の一人が儚げに呟いた。





評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ