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俺をエースと呼ばないでくれ  作者: たちまちいさか
39/40

この後、恐ろしい攻撃力の機銃の噂が流れたらしい

『各機発進!』


チーム<超急戦(ちょうきゅうせん)>の隊長、玉城宿理(たましろ しゅくり)の一声で、

オレたちの<作戦名(オペレーション)スリングショット>が開始

された。


<ソルブレイド・オンライン>の大規模戦闘イベン

ト<旅団戦>の中で前人未到の旗艦撃墜を目指す。


<旅団戦>のルールの改定で、復帰(リスタート)位置がチーム

の先頭機体位置から半分の場所からになったことを活用し、

超加速状態で再突入し、敵の旗艦にいち早く攻撃をしかけようというものだ。


まずは、チーム先頭機体を<旅団戦>の中央空域

より少しでも前に送り出すことが肝心だ。


射出装置(カタパルト)の加速があるうちに<クタナ・ハルファス

>の圧縮炉加速(イオンドライブチェーンバースト)を重ねる。


球体の全方向モニターに映し出される風景が加速によりギュンと歪む。


射出装置(カタパルト)内の暗闇から抜けると、色彩の宙に出る。


艦隊がズラリと並ぶ壮観な様子がみるみる遠のいて行く。


<クタナ・ハルファス>は、単発エンジン式の小型機の中で

最高速が優れた機体だ。


速度が機体強度を上回る間、多少機体にダメージが

入るが、圧縮炉加速(イオンドライブチェーンバースト)を三段階重ねた時は

宙域(エリア)を数秒で横断できる。


圧縮炉加速(チェーンバースト)を重ねた時の加速エフェクトはかなり

の迫力だ。


さらに機体がきしんで、警報音が鳴り始める。


角野機(ユニコーン)には「離れないように…」と言ったが

少し先行するつもりだった。


といってもそのまま、敵旅団に突っ込んで行けば

数秒で撃墜されてしまう。


旅団同士の中間地点、戦艦の主砲が届かないギリ

ギリの位置、B地点を目指す。


角野さんの<クタナ・フォラス>もよくついて

きている。


金田部長と調整した単発エンジンはいい仕上がり

のようだ。


レーダーに機影はない。


飛騨機(ワイバーン)、B地点に到着。もう少し前進します」


玉城機(オーブワン)より飛騨機(ワイバーン)。無理をしなくていい。

 攻めすぎて敵のレーダー網に入らないように』


師匠(マスター)。遅れてすみません』


少し遅れて、角野機(ユニコーン)がB地点に到着した。


玉城機(オーブワン)狙撃位置(ポイント)到着。

 <赤>は<魚鱗(ぎょりん)の陣>を敷くようだ。

 先頭はもちろん<ハルバルガエナストス>…

 天は味方したぞ」


索敵能力に優れる<ガドール・レラジェ>に搭載された

超望遠カメラで敵陣を確認したようだ。


確かに目標の艦が先頭にいてくれるのは助かる。


『ついでに敵影だ。

 巡洋艦クラス<ケファ・ハーゲンティ>が二隻

 先行している。

 一隻は我々と遭遇する進路だ。戦闘準備!』


オレの<クタナ・ハルファス>のレーダーにはまだ

機影はない。

やはり、<ガドール・レラジェ>の『眼』はかなり

の性能だ。


<旅団戦>では、開始まで各旅団は横並びの仮の

陣形で待機していて、開始と同時に実際の陣形に

移動する。


つまり、この間はオレ達の目標とする旗艦<ハル

バルガエナストス>がどこに移動するかわから

ないのだ。


敵の陣形が整って、本格的な艦隊の前進が始まれ

ば、ほとんどの場合、艦対艦戦闘が始まるまで、

陣形に動きはない。


オレ達がB地点を維持するのは、敵艦隊の前進が

始まるまでの間だ。


『<ケファ・ハーゲンティ>より艦載機が出たぞ。

 機影は3…4…全部で8だ。

 香駒(ガンナー)、射程に入り次第、マーク4、5、7の順

 で射撃。

 続きは追って指示を出す。前衛の仕事を増やすなよ』


香駒(ガンナー)、了解』


飛騨機(ワイバーン)、前衛の指揮を任せるがいいか?』

『了解です』


金田機(ゴールドワン)配置(ポイント)到着』


桂間機(ナイトワン)配置(ポイント)到着。バッチコイや』


飛騨機(ワイバーン)角野機(ユニコーン)、今更の確認だが、敵が狙撃(われわれ)に気づいて、

 何機通ってもかまうな。B地点の戦線維持が最優先項目だ』


玉城機(オーブワン)はウチらに任せとき』


『了解。頼みます』


『敵影、感!師匠(マスター)、8機、来ます』


『まずは6機ほど…減るけどね』


敵の機動残光(コントレイル)が見えたと思ったとたん、

香駒純樹(かごま あつき)の宣言通り、敵機の数が減っていく。


<ガドール・レラジェ>の弾速に武装強化(エクストラポイント)をつぎ

込んだ超電磁砲(レールガン)は、純樹の腕で、レーダーレンジ

外で射撃補助サイトのついていない敵をも撃ち落とす

ことができる。


宣言の6機どころか、出撃した艦載機を8機全部

墜とした。


-純樹のヤツ。言うだけあってやるね…


飛騨機(ワイバーン)、敵巡洋艦の再発艦(リスタート)速度によっては、

 狙撃をすり抜けて来る敵がある。油断するなよ』


<ケファ・ハーゲンティ>は少しずつ前進しながら次々と

艦載機を送り出してくる。


遮蔽物のない宇宙空間での戦闘で遠距離射撃が当た

ることは絶対有利だ。


<ケファ・ハーゲンティ>は思うように距離を詰め

られず、艦載機を撃破している謎の攻撃の射程を探

りながらの前進になっているはずだ。


『抜けられた。2機行ったよ』


それでも、<ガドール・レラジェ>の超電磁砲(レールガン)

攻撃に耐える機体が出撃してきたということだ。


敵も無策で突っ込んでは来ない。


『了解、行くぞ角野機(ユニ)!』


『はい、師匠(マスター)


オレの<クタナ・ハルファス>と角野さんの<クタ

ナ・フォラス>がそれぞれの敵をロックする。


敵はいずれも<カタン・モラクス>。

赤の旅団では重装備の機体で、船足は遅いが装甲が

固いのが特徴の機体だ。

恐らく三連装ビームキャノンを装備しているはずだ。

断続的に撃たれると、こちらの能動的防御(シールドパリィ)

持続時間を超えて攻撃される。


ビーム攻撃の予防線をはるために、光学兵器阻害(ビームリフレクター)

発射する。


<カタン・モラクス>は光学兵器阻害(ビームリフレクター)

避けるように横移動をしがら攻撃を始めた。


敵が横移動さえ始めれば、オレの得意(パターン)に持っていける。


ミサイルや実弾攻撃を避けながら、光学兵器阻害(ビームリフレクター)

間に挟んで、加速して回りこむ。


段々と敵との距離が縮んでいき、旋回軌道の限界を

迎えて機体がすれ違う。


すかさず、アンカーフックを敵にかけた。


<カタン・モラクス>は急減速したが、質量差で

<クタナ・ハルファス>は引かれる形になる。


オレは機体をひねりこんで、フックを巻き上げ

防御無効(シールドブレイカー)>を叩き込む。


ガ…ギギン


防御無効(シールドブレイカー)>の効果を示すカウントが敵に表示

されるが、2度目の衝突で敵は爆散する。


能動的防御(シールドパリィ)を使ってこちらは無傷(ノーダメージ)


初見ではまず何をされたかわからないうちに敵は

撃墜されることになる。


角野機(ユニコーン)の方もほぼ同じような手で敵との距離を

つめていた。


角野さんは機体をひねりながら、<カタン・モラク

ス>にアンカーフックを二本とも掛けると、すぐに

巻き上げて、<防御無効(シールドブレイカー)>を

敵機の腹に突き立てた。


完全にマウントを取った状態から、前面武装の30

ミリ機銃で重装甲の敵を瞬殺する。


-普通の30ミリ機銃なのに、ダメージ高すぎて

特殊兵器に見えただろうな。


狙撃に耐えた自慢の装甲を『紙』にされた上、

メッタ撃ちにされた<カタン・モラクス>乗りに

オレは同情した。


師匠(マスター)、<防御無効(コレ)>スゴイです!』


興奮気味の角野さんは<防御無効(シールドブレイカー)>実戦初日だ。


角野(ユニ)…恐ろしい()


オレは心の中で慄いた。

続けてがんばりました。

ここまでお読みいただきましてありがとうございます。

評価もいただいて、ありがとうございました。


いよいよ作戦も本格的に始まりました。

初登場の赤の機体<カタン・モラクス>は他の機体に

比べて戦車のようなシルエットの機体です。


金田部長の<カタン・オリアクス>も似たシルエットで

<カタン>シリーズは特に装甲が固いというイメージで

扱われています。


それをあえて機銃で倒す。


ムーちゃん、サドかもです。


次回はB地点防衛戦、佳境に入ります。

敵の奇策に苦戦します。


引き続き、よろしくお願いいたします。

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