舞台が整うまで真打は登場しないのかできないのか
「角野機。今のうちに回復弾しよう」
『師匠、さっきのは危なかったです』
オレとユニは目標のB地点に到達していた。
今は<ガドール・レラジェ>が脱出して再発艦準備中だ。
もう少しだけ進めたいところだが、今はまず機体を整えないと持たない。
『角野機、飛騨機、もう少しで追いつくさかい』
『飛騨機了解』
<ガドール・レラジェ>の護衛をしていた千成ちゃんの
<スサ・キメリエス>は大急ぎでこちらの援護に向かっていた。
『見つけたで二枚盾っ!』
オープンチャットに声が入る。黒木先輩だ。
「さっきの猛攻は、先輩のとこの機体でしたか」
『返事してくれるんかいな、うれしいで。やる限りはこうでないとなぁ』
巡洋艦クラス<ケファ・ハーゲンティ>がレーダー距離に入る。
『どこぞのアホが残したチーム<紅色大陸>…
いくで二枚盾。巡洋艦の火力を味わえやっ!』
視認もできた。モニターに拡大される。
『全門開け、攻撃や!』
『黒木先輩、それはボクの仕事です。攻撃開始』
-赤弓削くんブレないなぁ。
今日は機獣がいないので、機動力も低い。
ポポポンッ…
<赤の旅団>の荷電粒子砲を警戒して、
後部ランチャーから光学兵器阻害を発射して後退する。
その時、すれ違いざまに角野さんの<クタナ・フォラス>に
アンカーフックをかける。
<クタナ・フォラス>は何も言っていないのに、機体を下に向けると
圧縮炉加速した。
フックでつながった機体は釣り合って、大きく回転する。
<ケファ・ハーゲンティ>からは、6門の荷電粒子砲が放たれる。
ビームが展開した光学兵器阻害に当たって白く輝いた。
ビームのエネルギーが白い球状になって閉じ込められている。
それがいい目隠しになった。
オレと角野機は加速しながら大きく一回転してフックを外す。
光学兵器阻害をまたいで、上と下から充分な加速で巡洋艦に向かった。
『赤弓削、クローハマー、出撃るでっ!』
黒木先輩の<トトゥカン・アガレス>を先頭に、脱出していた
<紅色大陸>所属の機体が次々と発艦する。
「マジっかよ!」
-これが巡洋艦の再発艦スピード…。
-加速のために二手に分かれたのは失策だった。
『師匠、今、行きます!』
『させるかい!一斉射撃やっ!!』
超荷電粒子砲や荷電粒子砲の半タメ攻撃の弾幕が、
オレと角野機を更に遠ざける。
オレは能動的防御でしのぎながら、なんとか敵の編隊に接近を試みる。
『下手に動かん方がええで、加速に使われる』
-くそ、ほとんど動かず砲台か…。超荷電粒子砲を溜められたら厄介だ。
ざっと見ただけで、<トトゥカン・アガレス>が数機いるのが見えた。
『師匠っ!』
何条かのフルチャージの荷電粒子砲がオレに向かってくる。
バレルロールでかわしながら、いくつかは食らいながら能動的防御ではらう。
ズズン…
機体が被害を受けた振動が来る。
と、突然、敵機が数機爆散した。
突然の撃破…この感じ超電磁砲の着弾だ。
『こちら金田機、私がいるのを忘れてもらっては困る』
さらに、オレと角野機が回復弾に包まれた。
『ムーちゃん、ナイトの到着やで!』
桂間先輩の<スサ・キメリエス>が派手に急制動して、前面兵装を開く。
『桂間機、落ち着いて。状況中だ』
『よくもウチの角野機ちゃん、いじめたなぁ~!』
桂間機は2本の専用腕に搭載された、複合火機の
グレネードランチャーと30mmバルカンを撃ちまくる。
もう一つの専用腕のグレネードランチャーが器用に
オレたちをトレースして回復弾を撃ち込んでくれる。
『すまない二人とも、狙撃位置に入るのに手間取った』
『金ピカまで来たんかいな。姿を見せろや』
『クローハマー、金ピカはいただけないなゴールドワンと呼んでくれ』
『狙撃手がいたら相手は動く、行きたまえ』
こちらは、専用回線でオレと角野さんにだけ、聞こえるように指示が来た。
金田部長の言った通り、<紅色大陸>は隊列を組んでの射撃をやめて、散開する。
「角野機は左翼を!」
『はい!』
オレは圧縮炉加速をかけると、一番近い敵に照準を合わせて、
すれ違いざまにアンカーフックをかける。
アンカーでつながった機体はすごい速度で回転する。
-並みのパイロットなら即、制御不能だ。
更に近くにいた敵を衝突攻撃で撃破する。
角野機もアンカーフックを利用した衝突攻撃と近接兵器の
複合攻撃で敵を次々と撃破していく。
<防御無効>の効果もあって、ほぼ一撃だ。
仕留めそこなっても<防御無効>の効果カウント内に金田機が追撃を入れてくれた。
『数はすぐに元通りや。巡洋艦の再発艦をなめんなよ』
<紅色大陸>はすぐさま再発艦で数をそろえてきた。
再びこちらに接近しようとした機体が味方の荷電粒子砲に焼き払われる。
来た。ついに来た。合図だ。
『待たせたなっ!諸君っ!!』
「隊長、それ今日、二回目ですよ」
『このセリフは何度言っても気持ちいいのだ!』
チーム<超急戦>の小さな隊長、玉城宿理は<旅団戦>にいた。
続けてがんばりました。
ここまでお読みいただきましてありがとうございます。
評価もいただきありがとうございました。
<ソルブレイド・オンライン>の<旅団戦>はすでに
始まっていますが、話が少し飛んでいます。
驚かせてしまってすみません。
引き続きよろしくお願いします。




