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俺をエースと呼ばないでくれ  作者: たちまちいさか
35/40

男のロマンは浸るか浸らないかのプカプカ具合による

「すまなかったね。『悪い人役』を押し付けてしまって…」


「いえ、オーケーもらえるとしたら、オレからがベターだと思うっス」


銀峰(しろみね)くんが日本にいたら、彼女に頼んでたかな。

 緊急事態だったとはいえ、さすがにこの間、知り合ったばかりの

 キミに普通は頼まないよ…本当に申し訳ない」


「そんな。いいっスよ。ところで、なぜ駐機場(ハンガー)なんスか?」


金田部長のアバターは髪の色とメガネのデザイン以外、本人とそっくりだ。


銀峰(しろみね)先輩を『至高之彼女(マイプレシャス)』と呼んでない。


-『金ちゃんさん先輩』ではない金田部長だ。


「悪いことした『詫び』をしようと思ってね」


玉城(たましろ)先輩が明日、最悪でも自宅でゲームにログインできるように、

安里宗輔(あんり そうすけ)さんに頼めたことを金田部長にメッセージしたら

夕食後に<ソルブレイド・オンライン>にログインするようにと返事があった。


駐機場(ハンガー)にはチーム<超急戦(ちょうきゅうせん)>の所属機が並ぶ。


オレの愛機、特殊兵装<防御無効(シールドブレイカー)>装備の<クタナ・ハルファス>。


超電磁砲(レールガン)の超長距離射撃が持ち味のチームの旗機<ガドール・レラジェ>。


高機動と近接・中距離の多彩な兵装が自慢の桂間先輩の<スサ・キメリエス>。


オレの分身と言って過言ではない弟子の角野睦美(すみの むつみ)の愛機<クタナ・フォラス>。


金田部長の<カタン・オリアクス>と銀嶺静御(しろみね しずみ)先輩の<スサ・フラウロス>は

まだ動いているところを見たことがない。


<白の旅団>所属機なので、いずれも白を基調としたカラーリング。


静かにたたずむ機体たちを見上げていると、この数日で起こったことが脳裏に浮かぶ。


「この数日、濃密でした…」


「明日の方がもっと濃い一日だよ…飛騨くん」


「さて、そろえた機体も見る価値ありだが、本命はこっちだ…来たまえ」


金田部長は駐機場(ハンガー)の片隅にある通路へと飛び上がる。


軽く床を蹴るだけで移動可能。


無重力の駐機場(ハンガー)ならでは光景だ。


金田先輩は一度振り返ると、その中にそのまま入っていく。


オレは誘われるまま後に続いた。


通路は狭く、足元にガイドランプが一列に並ぶ以外、薄暗い。


と、その一角に二十インチモニターくらいの小窓があった。


「な…なんじゃこりゃ~っ!」


オレはその窓を一目見て、飛びついた。


「スゴイ光景だとは思ないか?」


金田先輩のアバターはニヤニヤ顔でオレを見ている。


オレはもう一度、窓の外に目を移した。


ゲームでいつも見ている色鮮やかな宇宙を背景に、延々と隊列を組む戦艦たち。


この壮大なスケール感は<旅団戦>でおなじみの光景なのだが、にぎやかさが各段に違う。


無人(ノンプレイヤー)らしい補給艦から伸びる何条もの牽引線(トラックビーム)


各艦とつながる牽引線(トラックビーム)の上を補給物資が移動していく。


数千、数万の整備AIたちが、船外作業服を付けて外装整備を行っている光景は、もはや異世界だった。


「ゲームなんだけど、それだけではない…。

 AIや引いてはプログラムがやっているのに、それだけではない。

 我々は知らないところで助けられている…ただの演出なんだろうけど

 これは我々の営みの縮図のように思えるのさ」


こうやって<旅団戦>の準備が進んでいく。

確かにゲームの演出なのだろうけど、感動する光景だった。


明日、オレの整備AIのソルトさんに会ったら、抱きしめてしまうかもしれない。


「いつか、我々が巡洋艦を手に入れた時は、この光景を艦橋から見たいものだ」


「いいっスね。オレも見たいっスよ。オレたちの(ふね)か…」


「たぶん、こういうロマンについて話せるのはキミくらいかと思ってね」


確かに香駒純樹(かごま あつき)は少し冷めてるし、レオーネは逆に騒ぎすぎる気がする。


「虚構と現実のいいバランス…のようなものっスかね」


自分でもノリノリの心酔派ではない気がするが、浸るところには浸るのだ。


「あ、そういえば、気づかれて騒ぎになると台無しなので、今のうちに話すことがあった」


「な…なんですか?もうこれ以上のキャラ変はご勘弁を…」


「キミの目隠(バイザー)はもう触らないよ」


角野(すみの)くんの音声の事だけど…あれ、本人の思い込みだから」


-あれ?口調が『金ちゃんさん先輩』になってる?


「私が用意したのは、音声入力できる文字チャットの部分だけだよ。

 角野くんは自分の画面上の文字表示を見ていれば、飛騨くんと緊張なく話せるだろう」


本人は読み上げソフトが発声していると思っているようだが、オレと直接話していたのか。


-金田部長、侮れん。


「角野くんには秘密だよ。緊張で話せなくなったら大変だ。キミ限定だけど」


チャットで話してなかったとバレで沈黙する角野さんが目に浮かぶ。


絶対ダメだ。知られては…。


「最悪、オーブワンを管制なしで出撃させるつもりだったが…」


「間に合いますよ。隊長は…」


なぜか、そういう予感はあった。


「いろいろあるが、気負わず行こう」


「いや、でも…しまって…行きます」


更に続けてがんばりました。


ここまでお読みいただきましてありがとうございます。

さらに評価もいただいてありがとうございました。


<ソルブレイド・オンライン>は<旅団戦>の前日から

エントリーを受付します。


受付が終わったチームも<旅団戦>直前までは、

通常サーバーで狩りに出ることができますが、

待機中のハンガーは本編の演出が始まっています。


主人公たちは<白の旅団>の旗艦<イルクルムプリビルス>

からこの光景を見ています。


通路は隠し要素で、この光景は本来、巡洋艦などを

持つことのできたチームたちの特権なのです。


ところで、チームとしては小人数な主人公たち。


本来、ギルドくらいの規模のチームがあるはずなのに

と思われるかもしれませんが、ゲームの処理限界の関係で

巡洋艦に所属できるプレイヤーの数に限りがあります。

(決定してませんが最大20機くらい)


巡洋艦にも数種類の傾向があり、所属旅団によっても

特色があります。


<白の旅団>は防御寄りで、艦載機は多め、

<赤の旅団>は攻撃よりで、艦載機は少なめです。


<赤の旅団>はその分、兵装が多く付けられます。

兵装はプレイヤーが操作する方が命中率は上がります。


ちなみに、スピード重視の

<緑の旅団>だけは艦載機をすべて小型にすれば

20機すべてを巡洋艦に艦載して運べます。


その他、ブースターなどを使える中・大型機を

最初から外に出して、巡洋艦と同行させることで、

戦略的に戦えます。


いよいよ、次から<旅団戦>です。

やっとこぎつけました。


執筆がんばらねば。

引き続きよろしくお願いします。

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