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俺をエースと呼ばないでくれ  作者: たちまちいさか
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美少女が激しすぎると言うんだが

「こんな…激し…おうっ…ううっ!」


「ちょっ…先輩、声がでかい」

「だって、うっ!」


くれぐれも言っておくが、オレは先輩-玉城宿里(たましろ しゅくり)に何もしていない。

至極、真面目に<ソルブレイド・オンライン>のプレイを見せているだけだ。


まあ、彼女がえずくのも無理はない。


何しろヘッドマウントディスプレイで360度全方向視野がリアルに描かれたコクピットビューは、進行方向とはかかわりなく、激しく横に流れている。


これがオレの特徴的なプレイスタイルなので仕方がないが、こう大声で叫ばれてはいつ警察が来てもおかしくない。


-知りあったばかりの女性をネットカフェの個室に連れこんだ。

-大男がか弱い少女を襲った。

-ロリ。


いろいろな言葉が頭をよぎる。


責めを受けるとしても、せめて彼女は年上なのだから「ロリ」抜きで責められたい。


「とりあえず、俯瞰(ふかん)視点に切り替えるから待っててください」

ヘッドマウントディスプレイのバイザーを上げて彼女に視線を下げる。


「…!…!」

両手で口を押えながら、玉城先輩はコクコクうなずくばかりだった。


オレの駆る機体は艦載機の中では小型の<クタナ・ハルファス>という。


<白の旅団>の単発エンジン式機体で圧縮炉加速(イオンドライブチェーンバースト)使用時の最大巡航速度は亜高速域に達する。


それが、バーチャル視点でアンカーフックを使用したスイング・バイ・ターンを繰り返したら、もうジェットコースターも目ではない迫力の機動だ。


敵の爆発エフェクトをしり目にオレは仕方なく自機が表示される俯瞰視点に切り替える。

状況はわかりやすいが、やっぱりゲームゲームしていて興醒めだ。


「…うう、最初からこうしてもらえばよかった」


「オレのプレイスタイルを確認したいって言われたら、いつもの感じでって思うじゃないですか」

オレはついでにオプションウインドを開いてビューモードを操作する。


「背景も<ゼロ>にしましょうか?」


『背景ゼロ』とは、黒い宇宙に点々と星々が描かれている背景に、光源無視のクッキリとした機体表示。


オレたちがアニメでよく観る宇宙空間はあくまで大気のある地球から見る夜の世界がお手本になっている。

実際に銀河に出たら、(そら)は…。


「…何を言っているんだキミは。このカラフルな宇宙こそ、このゲームのいい所じゃないか」


オレがこのゲームを一発で好きになったのは、この風景に出会ったからだ。


星と言えば、夜に光るものだと思っていた。

しかし、夜とはただの地球の影でしかない。


宇宙には星を遮るものなどなにもない。


そこには『宙』という圧倒的な光が織り成す色彩があった。


「カラフルな宇宙に影として<機獣(てき)>が現れる。そして機体表面の意匠(サイン)の脈動。威嚇。戦闘。私はゲームをしたのはコレが初めてだが、即ハマリした」


オレのすぐ目の前から、いないはずの人物の声が聞こえていて不思議な光景だ。


「それはこのビジュアルに見事に撃ち抜かれたからだよ」


確かにオレのモヤモヤした毎日に「彩」が加わったのはこの何もない空間を飛び回る開放感にあった。

その象徴が彼女の言う「カラフルな宇宙」だ。


「オレも好きですよ」


突然、オレのアゴに見えない打撃が来た。

彼女が何かに驚いて飛び上がったらしい。


「な、なな、何を言っているんだキミは…」

「ややこしい言い方しました。すみません」

ここまで読んでいただきまして

ありがとうございます。


しばらく玉城先輩と二人ですが、

まずは主人公のシューティングゲーム

らしからぬ特殊なプレイスタイルと

手に入れたチートアイテムについて

のお話となります。


これを書いた後で、「進撃」の立体機動を

観て感動しました。

ちょうど重い描いていた感じに近くて。

こちらは更に引っ張られてますので

ジェットコースターみたいになります。


なにとぞお付き合いくださいませ。

よろしくお願いします。

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