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キモチ相談所  作者: ぐみ
7/7

ありさのキモチ。

私はありさ。今すっごく眠いです・・・・。

今日もいつもの教室をでて、授業の30分前からあのハイテンションのかたまり人間の待つ教室へ行く・・。

もう、最近朝から集まれーとか、ゆりなも随分身勝手だよなあ。

教室のドアを開けるまで、なんだか時間がかかった。

いや、だって今思ってたこと全部ゆりなに聞かれたら・・・・読まれたらやだし。

よし、さっきまで思ってたことはすべて忘れよう!うん。

ガラガガラガラ―

「おー!ありさ遅いよー!集合時間より3秒遅い!」

3秒ぐらいいいでしょ・・ここに入るまでに結構心を無にしてたんだから。

ゆりなは朝からハイテンションだなあ。ゆりな、寝起きがないんじゃない?

「やだなあ~、私だって寝起きはテンション高くないよ~!朝起きるのが早いだけ!」

「えっと、ゆりなちゃんは何時に起きてるの?」

ああ、いつきちゃんきてたんだ。ってことは、あとはまりんちゃんだけ。

まりんちゃんはたぶんまだまだこないだろうなぁ。

「えーと、たしか今日は新しい悩み人探しの日だから張り切って4時に起きちゃった!一度起きたらなかなか二度寝できなくて、ランニングして、野良猫と遊んで、公園のゴミ片づけて、暇になったからちょっと散歩してたんだー!あー気持ちよかった!」

4時って・・・。

やっぱゆりなにはかなわないよ。そのテンションとその行動力、誰も真似できないよ。

「いやー散歩の途中でね。すっごいきれいな音色が聞こえたんだよね!早起きはサーモンの得っていうし、ほんときれいな音色だった!」

三文の得ね。

「細かいことはいいでしょ?その音色、ピアノの音だったんだけど、きれいな音色だった。でもなんか、引っかかっててね・・・。」

ん?ゆりな・・?

「あー!今日日直だった!日誌とりに行ってくるからちょっとそこで待ってて!」

また廊下走ってる・・。

「ありさちゃん、ゆりなちゃんちょっと変じゃなかった?」

いつきちゃんも気付いてたんだ。

「うん。私もちょっと思ってて。ゆりな、時々テンションが低くなるというか、いつものゆりなじゃなくなるというか。」

ゆりな、私たちに隠してることがあるんじゃ・・・。

「ありさ、いつき。もう来てたのね。」

いや、まりんが遅いんでしょ。

「さっきすごい勢いでゆりなが走っていったけど、どうしたの?」

「えーと、なんか日誌をとりに行くって。」

「そ。もう少し遅く来ればよかった。」

あはは・・・さすがのやる気のなさ・・。

「ねえ今日は新しい悩み人を探すんだよね~。わたし、新しい友達ができると思うと、すごいうれしいの!」

いつきちゃんは何にでも興味を持てる幸福な人間だね。私は全然嬉しくない。

勝手にゆりなの手伝いをやらされて・・・。

「2人は、ゆりなちゃんに出会えてよかったって思わない?ゆりなちゃんに相談したら、何でも解決してくれる。ゆりなちゃんは誰よりも優しいと思うの。」

・・・いつきちゃん・・。

「それもそうよね。」

・・・まりん・・。

「まあ私たちがゆりなに付き合ってるのも、そういうゆりなが好きだからだもんね。」

2人は私の言葉に頷いた。

ゆりなは時々めんどくさいしいきなり行動するけど・・・・。

私たちはそんなゆりなについていくのが、結構生きがいなんだよね~。

なんでだろう?ゆりなには振り回されてばっかりだな。

ゆりなが転校したときから。


「今日は転校生を紹介します。なかよくしてあげてくださいね。」

転校生っていうと、新しい環境で、恥ずかしがっていたり、落ち着いていたり、そういうイメージがあった。

でも、去年の小5になったあの日、私のクラスに転校してきたのは、全然創造とかけ離れたハイテンション少女だった。

「では、七石さん、自己紹介を―」

「ハイハーイ!七石ゆりなでぇーす!皆と友達になりたいから、気軽に声をかけてくださーい!あ、まって大丈夫!私が全員に声かけるから、今日からみんな友達だよ!私に会った時点で友達確定ー!」

弾幕のように自己紹介を早口で言い切ったゆりなは、なんだかすごい涼しい顔をしてた。

初めての場所で、初めて会う人しかいないのに、ゆりなはその日のうちクラス全員にフレンドリーに声をかけてくれた。

次の日になると、隣のクラスへ出かけて行ったりしたから、たぶん隣のクラスにも挨拶をしに行ったんだろうな。

ゆりななら、一週間で学年全員と友達になってる気がする。

たぶん・・・いや絶対一ヵ月で学校中の生徒と友達になったんじゃないかな・・。

「へーありさちゃんっていうんだ!不思議の国のアリスみたいでいいね!不思議の国のありさ・・・・なんてね!」

「あはは・・・よく言われるなあ。ゆりなちゃん、すごい元気だね。私話しかけにいこうと思ったんだけど、まさか先に話しかけられるとはね・・・。」

光の速さで友達を作るゆりながちょっとうらやましかったな。

私、友達作るの苦手っていうか、ちょっと友達と付き合うのがうまくいってなかったから、友達なんてすずくらいだったんだよなあ。

ゆりなは私のだめなところろか、すべて受け止めて友達をしていたんだろうな。

なんだか、ゆりなって他人思いというか・・逆に自分のことはどうなんだろう・・・。

「たっだいまあああー!ねえねえありさありさ、もしかして私のこと考えてた?」

え?ああ、まあ。

「もう!思ってること伝わるからって、心で会話しようとしないでよね!私、ありさの声もききたいから。ね?」

ゆりなは私に顔を近づけてウインクした。

「はいはい。わかったよー。もうゆりなったら。」

ほんと、ゆりなといると楽しくなるな。

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