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寡黙な図書委員 03
機材を扱うといっても、一高校の放送室の機材なんてたかが知れている。それでも、将来のために!と明るく笑う新山を、なんだかいいなあと思ってしまった私は、仕事の役割分担を決めることにした。
放課後、新山が翌日の昼の放送で流す音楽と原稿を用意する。そして私は昼の放送で原稿を読み、音楽を流す。新山に放課後の仕事を割り振ったのは、昼休みに放送室に長らくこもることは禁止されているからだ。
……昔ちょっと馬鹿をやった先輩がいて、彼らは一週間の停学謹慎処分を受けた。時期が時期だったため卒業も危ぶまれる事態となり、処分を下した先生方もてんてこ舞いだったそうだ。その教訓を踏まえ、二度とそのような事態を起こさせないために、翌年度より昼休みの放送室入り浸り禁止令が敷かれた。