2/5
寡黙な図書委員 02
新山と話をするようになったのは、お互い放送委員だったから。同じ委員にでもならなければ、会話をすることなんてなかったと思う。新山は明るく人が周りに集まってくるタイプの人間だけど、私はどちらかと言えば周りに人を寄せ付けない…特に意識してそうしているわけじゃないけど、なかなか近寄ってもらえない人間だから。
受験の足しになればと、何かしらの委員長になりたかった。あまり仕事が無いと聞いて放送委員を選んだら、同じく放送委員になった新山が仕事は全てやりたいと言ってきた。
「委員長なんてやる気はないけど、仕事は全部やりたいんだ」
聞くところによると新山はマスコミ…特にテレビ業界に興味があるらしく、放送局に勤めたいという。
放送委員の仕事に全て取り組めば、一通りの機材を扱うことが出来る。少しでも機材の仕組みなどを知り、将来に役立てたいと新山は熱く語ってきた。