寡黙な図書委員 01
この話に登場する人物たちは、同性同士での恋愛をしていたり、身体の性別と異なる服装をしていたり(女装や男装など)します。
そういった方に対する理解の無い方や、偏見を持つ方の閲覧はお勧めいたしません。
また、この話はフィクションであり、取材などを行った上で書いているわけではありません。あくまで趣味の一環として書いている話である、ということを大前提に読んでいただけたらと思います。
恋愛の話を主軸に書いていこうと思っていますが、キャラクターたちの周囲の出来事…家族との話や生活など…などもたくさん取り入れていこうと思います。
なので、恋愛小説が読みたい!という方にはつまらない話かもしれません。
あらかじめご了承ください。
彼のことを、私はほとんど知らなかった。特に会話をしたりすることもなかったし、周囲のクラスメートたちと同じ程度にしか私と彼との間には何の接点もなかった。今思うと、その頃の私は本当に彼を知らなかったんだなと思う。
同じクラスの新山亮平、私と同じ一人暮らしの高校生。新山以上に、彼を知る人間なんてきっといない。
「今日も唐揚げ?」
「悪いかよ」
「悪くないよ」
「…食べたいん?」
「気持ちだけで」
にやっと笑った新山。絶賛嫁にお熱らしい。嫁といっても男子だけど。料理上手なら嫁って呼んでも違和感ないよね。
チャイムの音と同時に、私たちは他人みたいになる。変な噂がたって彼を不安がらせたくないから。と、私は思っている。