プロローグ
主人公は未だです。
場所はイタリアが誇る魔術師の最高議会場サンピエトロ大聖堂跡地、通称【王の根城】別名【魔の頂】
ここは周りを山に囲まれ、魔道的結界に覆われたその古城には、常時数百人単位の一流結界魔術師が常駐し、イタリアの王族に代わる今世の王、キリシアン3世を守護している。
更にイタリアで伝統的な10の一族の長を配置して、ここで毎年の国内すべての決定を行う。
その城の【魔術的絶対組織本部】と書かれたプレートの掲げられた一画に、イタリアのそれぞれ神を奉ずる一族の長が集まっている。
一つ、剣の一族にして剣神クリュサオルを一族の守護神と仰ぐバートン家の総帥、アイネス・バートン。更に補佐役として次期総帥となる当主のカイン・バートン。
一つ、弓の一族にして猟神アルテミスを守護神とするグレイム家の総帥、フラウニス・グレイム。更に補佐役に当主のゴルド・グレイム。
一つ、商人の一族にして商神ヘルメスを守護神とするドグニ家の総帥、リアナ・ドグニ。更に補佐役に当主のドルバ・ドグニ。
一つ、知恵の女神アテネを守護神とする賢者の一族、フニム家の総帥、オーグリ・フニム。更に補佐役は何故か孫娘の魔術学園生、リーナ・フニム。
そして、その中で総帥でも補佐役でも無いが、今回の招集に応じなければならなかった、少女。バートン家が長女、リチア・バートン。
この9名が集まる今回の議題こそ、後に【神の末裔】と言われる一人の少年の処遇についてだった。
その中で先ず、初めに口を開いたのは最年少の少女、リチア。
「本日皆様にお集まり頂いたのは、先日誕生した新たな【神の欠片】<<ピースメーカー>>を宿された【資格者】の方の迎え方についてです。
彼の御方がその身に宿すことになった欠片は闘神アレスの右腕にして剣の神の名を持つ剣神クリュサオルの魂。
そして、その神能は本契約を交わした相手をその分身たる神剣に変え、その者が得意とする技能を大幅に向上した技能を得る事。
契約内容は仮契約と本契約の二種。仮契約は体の一部に【資格者】の血液を付着させながら神言を紡ぐのみですが、本契約は血の契約が必要になります。」
「血の契約じゃと!?しかも仮契約と本契約の2種が有るとな?その話は誠か?!」
それまで黙って聞いていた少女の祖父、アイネス・バートンが内容の出鱈目さに吠えた。しかし、この爺が吠えるのも無理はない。
今まで聞いた中でも、【神の欠片】持ちは世界中に何人か居るが、その従者に与えられる能力は欠片一つに付き一つずつ。しかも、【資格者】に仕える際の契約も本契約のみでほぼ神言契約だと言う。(対象の体、主に手や肩、頭などに触れながら神の欠片に教えられる神言を紡ぐ事で、そこに取り込んだ欠片の神気を注ぐ事で対象の身体能力の向上や魔術的向上など多岐に渡る)能力は近くに居た側近に何かしらの魔術的能力を与える物だった。
しかし、この爺が驚く原因は血の契約という点。
契約の内容は上から順に魂の契約が拘束力が強く、得られる能力も強いが、反面【資格者】の負担が物凄いらしい。その所為で若くして亡くなると言う記録もある。
次に一番軽い契約が神言契約。
そして、次に一番規格外な契約が血の契約だ。
これは対象に血を付けながら神言を紡ぐのだが、【資格者】の血を使う時点でその契約対象は凄まじい力を得る上、過去の例からの事だが、力の封印も自在らしい。
らしいと言うのも、過去に仮の契約と本契約と言う二種類の契約を出来る欠片は存在していないのだ。
なので、どれほどの力が得られるかも分からないという事だ。
無論どの契約も、優秀な魔術師が何人束になって襲おうとも涼しげに返り討ちに出来るほど理不尽な能力なのはわかって居るのだが・・。
「誠にございます、お爺様。そして、彼の御方、国籍こそ日本人ですが、詳しくは語って貰えませんでしたが何処かの国から流れた孤児だそうです。
その御方本人に語っていただけたので、そこは間違いないかと。そして、これは誠に偶然の出来事でしたが、その御方が欠片をその身に宿す経緯を、この私リチア・バートンが目撃させて頂きました。」
「ほう、剣の一族にして剣神を仰ぐ家の娘がその場に居合わすか・・それはもう偶然ではなく、必然と言う物じゃな。・・・のう?皆の衆?」
リチアが語った後にそう言って来たのは、弓の一族グレイム家が総帥、フラウ二ス・グレイム。
この老人は剣と弓の違いはあるが、同じような戦闘神を仰ぐ家の長なだけに、今回の偶然を表面には出していない者の、内心では剣の一族に遅れを取ったと思っているので、食いつきが他の家とは違うのだ。それは言葉の感情の端々から見え隠れする。
「・・・で?お嬢さんが見たという事と、その内容をハッキリと確認しているという事は、その御方はお嬢さんと同い年くらいという事かな?」
ドグニ家当主、ドルバ・ドグニが一つ確認する。
「ええ、私と同じハイスクール生です。そして、勝手ながら彼の御方は日本のハイスクールには事情により通えなくなるそうなので、一度日本に帰国していただいて中途退学の申請をして貰う様に具申しました。」
「ほう~?それではお嬢さんが教える位の素質まで持っているという事かな?お嬢さんが直々に魔術を教えるという事じゃろう?【金色の召喚術師】に教えて貰える上に、欠片持ちで才能もあるとは羨ましい事じゃ。」
そう言ったのは賢者の一族、フニム家総帥、オーグリ・フニム。
しかし、オーグリの言葉をリチアは否定した。
「いいえ、彼の御方は魔術はおろか、剣の素質もありません。本当にただの一般人の身で欠片をその身に宿されました。」
そこで、一旦周囲を見回して、彼の神が言っていた事を告げる。
「しかも、その時に神の魂が語った言葉が『お前さんは他の奴より貧弱だが、ある一点に於いては他を遥に上回る資質が有る。その一点と言うのはまだ言えんがな?言ってしまえば努力をしないだろ?そこでだ、その資質を見込んで、神から依頼を出そう。用件は他の奴の人間の手に染まっていない俺の欠片の確保。そして、もう一つはお前さんらがクリーチャーと呼ぶ者達の中に居る欠片持ちの欠片の奪取。そして、最後に他の神の欠片の確保・・如何だ?同じ人間を殺して奪うのはお前ら人間は嫌うから、その他の奴らにまけといてやるんだ。やさしいだろ?期限は死ぬまででいいぜ?人間の寿命なんざ寝ていたら終わりだ。そして、死んだ時に欠片を回収させて貰うから、その時まで俺の能力も、奪った能力も使えるようにしてやるから、精々人の為にクリーチャーの掃除でもしていろや。』っというのが剣神様の魂のお言葉です。」
そこまで語ったリチアは神に聞いた彼の特異性を伝える。
「何でも、彼の御方は他の御方よりも適合率が異常に良いらしく、更にそのお体に蓄積できる神能も多いのだとか。・・・その所為で魔術が使えないのかもしれませんが。なので、私が手取り足取りご教授させて戴き、一刻も早い人類の切り札に成長して貰おうと思った次第です。」
矢鱈と長い神のセリフを覚えていたリチアに感心する一同だが、最後の部分を聞き逃すオーグリでは無かった。
「ふむ、手取り足取りと言ったか?なら、当然契約は本契約をやっているのだろうな?さっきからの発言は、忠誠を誓った者に対する敬称だ。まさか、未だ本契約迄やってないとは言わんだろ?」
その耳聡い老人の言葉に舌打ちをすると。リチアは肯定の返事を返す。
「・・ええ、実は神の戯れにつき合わされまして、しかも都合悪く人型のクリーチャーの襲撃を間近に控えまして、止む無くその場で行いました・・////」
リチアはその時の事を思い出したのか、身を包む真紅のパーティードレスの様に顔を真っ赤にして俯いた。必要な行為だったとはいえ、他の目が無かったとはいえ、あのような場所でやったと言うのは後で思い出しても焼けるように熱くなる。・・・だが、その効果は絶大だった。
彼の剣になる前の状態でさえ、元々のリチアの身体能力も上がった上、彼の剣となった時の充足感は物凄かった。だが、あれを他の子たちにもやると成ると何処か嫉妬心が湧き出してくる。
あれが初めての出会いだったのに、もう彼の事が頭から離れなくなっている。・・いや、初対面の相手だったからこそ、少しの動揺で出来たのかもしれない。
(けど、このお爺ちゃんたちも血の契約を何処にするか聞かないって事は、神の言われた通り男共は皆そう言う考え方って事ね。・・・昇治も最初に神の『血の契約は対象者の体の中心に己の血で魔法陣を描きながら神言を紡ぐことだ。』って聞く前の慌てようが可愛かったし。更に聞いた後のガックリした顔が面白かったし。・・・けど、本当にあの場で交わってたらどうなってたのかしら?神様が途中で注意してくれたのかしら?・・あの神様の事だから、面白いから続けろって言いそうだけど・・・。)
そんな風にリチアがその時の情景を思い出していると、何をトチ狂ったのか、フラウニスが馬鹿げた発言をした。・・・しかも予想通りの勘違いをした様だ。
「ふ~む、やはりその体を使って籠絡しておったか・・。お嬢ちゃんもよく知らん男を咥える気になったの?親父の教育かの~?」
「それは聞き捨て成りませんな、フラウニス閣下。私の娘は未だ体を許したとはいっておりませんぞ?そもそも我々の知る契約は神言契約と魔法陣を体の一部に描く魔法陣契約だけ。神言を聞いてからその通りに紡ぐ契約が既に仮契約の条件なのですから、血の契約は恐らく体の一部に神言を描いてその後何等かの儀式をするのではないですか?」
リチアの父であるカイン・バートンがリチアを擁護する発言をする。そして、その発言を聞いたリチアも、そうだと言わんばかりに頷くが。
「はん!どうせその後神の命令だとか言って襲ったんじゃろうが。全てを神の所為にするとはお嬢ちゃんも女狐のようじゃの?」
「経緯はどうあれ、彼の御方の契約を受け入れたのは否定しません。・・しかし、フラウニス卿。少しお尋ねしても宜しいですか?」
「なんじゃ?」
リチアの質問に首を傾げながら問いを待つフラウニス。
「仮に、貴方さまの孫娘であるレイナ・グレイムさんが私と同じ立場になったとしたら、貴方さまはその娘を淫乱の女狐と言って叱責しますか?」
「そんなはずが無かろう!あの子が見込んだ男ならワシは喜んで助力をするぞ。・・・もしあの子を泣かすようなら容赦はせんがの?」
「なら、神の命令でも彼女を泣かす者は容赦しませんか?」
「・・うぐ・・それは・・」
「私が契約を行ったのはそう言う理由からです。特に私の家は剣神様を奉ずる家。その神の命令なら、初めての相手でも体を預ける程度の覚悟はとうに出来ております。・・・まあ、相手がそれ程好みから外れた方で無いのが唯一の救いでしょうか?」
「・・・・」
リチアの言葉を聞いて、フラウニスは押し黙る。
(まったく!これだから孫馬鹿は扱いやすいけどムカつくのよね。私でも幾ら何でも変態みたいな奴なら神の命令じゃなきゃあの場で裸を見せたりしないわよ。)
リチアの言葉に他の者も微笑ながら二人を見ていた。
そして、気を取り直したのか、フラウニスが今度は自分の家の有利に成る可能性の話をしてくる。・・しかもリチアを煽る発言をするオマケつきで。
「話は戻るが、その者は女子好きか?もし、沢山の娘を侍らせたいと言うのであれば、我が孫娘も引き合わせたいのじゃが?それに」
そう言って、リチアと同じ学園生、賢者の家の総帥の孫娘リーナ・フ二ムを見て言ってくる。
「そこの嬢ちゃんも同じ年代なのじゃから、聞いて於きたいのではないか?」
「私なら構わないですよ?この間ムカつく婚約者候補をクリーチャーの餌にして差し上げたら、その候補の家から破棄のメールを頂きましたから。なので、私の家の魔道書に興味を持ってくださる殿方ならどんな方でも受け入れますわ?まあ、実力があるに越した事は有りませんが、少しの実力の無さは質の良い魔道具を受け取って戴ければ問題ないですからね?」
なんだかんだで自分の理想を語ったリーナに内心ため息を吐きながら。
(・・この子は頭は良いけど運動が苦手なのよね~。サポート要員には良いけど、どんな武器に成るかで大分戦い方が変ってくるわ。その時の状況に合わせて交代しながらでもいいけど、武器化が昇治の体にどれ位の負担を掛けるかまだ検証をしてないから、それも確かめないといけないわね。・・・可能なら兄さんとレナに仮契約だけして貰って、条件と性能を確認しないといけないわ。)
「リーナさんはそう仰ってますが、フラウニス卿のお孫さんの意見も聞かなければ行けないでしょう。それに、姿を見たことも無い男の方を紹介されるのは些か彼女に悪いと思いますし?それに、心配せずとも先の話にあった用件は、我がイタリアの誇るマジックアカデミーの編入手続きの事です。なので、迎えますは我が屋敷ですが、お孫さんも良く遊びに来るので紹介は何時でもできますでしょう。」
「そうかそうか、それなら剣の一族の独占に成らずに済みそうだの。」
「ええ。・・ですが、貴方のお孫さんなら、他のピースメーカーの方々もお見初めに成ると思いますが?・・その事は良いのですか?」
「・・お嬢さんや、他の国の者の事も詳しく調べた方がこの先楽になるぞ?ハッキリ言って、他の者達は曲者過ぎて取り入るのが一苦労じゃ。国が違うと言うのが一番の問題じゃがな?国籍がハッキリせんのは苦しいが、お主の主が一番取り入るのに良さそうなのは言うまでも無いじゃろう・・・が。」
「?なんでしょう?」
「そんなに簡単に取り入ったのでは逆に怪しまれると言う物、ここはテストをして見んか?」
「テスト・・ですか?」
「うむ。ここに来る前に傘下の師団から連絡を受けたんじゃが、我が領内であるバチカンのロンマル神殿の地下祭壇の弓の神を祭った祠にいつの間にか猟神アルテミスの【神の欠片】の頭部が宝物として置かれているそうだ。その頭部を探し、見事【資格者】に選ばれた暁には、我が弓の一族は全面的なバックアップを約束すると誓おう。・・・どうじゃ?」
この老人の発言に思わず口を挟むのは、商人の一族の総帥、リアナ・ドグニ。
「おやおや、さっきから黙って聞いてたら、危うくあたしのとこだけ仲間外れになる所じゃないか。皆その爺さんの後に自分たちも条件を出して、その方の庇護下に入ろうって腹だろう?あたしも混ぜて貰うよ?内の孫娘も丁度お嬢さんと同い年だし、そう言えばキャリーがこの間変な事を言ってたしね?詳しくは聞いて無いけど、面白そうな男の子に会ったって言ってたし、あの子の予知魔術に引っかかったって事は、もしかしたらその男の子がお嬢さんの主の可能性があるからね?」
そう言って4人の中で唯一の女性総帥である彼女が周りを見回して・・・
「もし、あたしの孫娘の会った子がそうなら、結構内の家に有利な展開の筈だよ?だから、あたしの所は未だ有力な情報は無いが、探知機がおかしな波動を掴む所までは行ってるからね。その報告序に孫を傍に於く事も考えててくれるかい?お嬢さん。」
彼女がリチアにそう尋ねると、リチアも微笑んで答えた。
「ええ、有力な情報はどの様な宝より有益ですから、心待ちにしております。それに、優秀な魔術師の数は多ければ多い程我が主の力に成りますから、此方からもお願いしたいくらいです。・・・それでは、皆さまの家の神の御神体をその身に宿らせる事が出来れば、晴れて我が主に全面協力するという事で宜しいですか?」
「「「「うむ、それで行こう」」」」
「分かりました。その決を我が主にお伝えします。
そう言ってこの場をいち早く退出するリチアは頭の中で唸る
(・・もう、まだ手駒が私しか居ない状況でこの展開は辛いわね・・。かといってあのご老人たちに繋がる家系の者に協力を依頼するわけにもいかないし・・。けど、予想外の伏兵も居る様ね。昇治は何にも言って無かったけど、忘れてるのかしら?・・・まあ、それは実際に向こうが来るか昇治が言いだすか待ってれば良いんだけど。現状をどうしようかしらね・・・)
そんな事を考えながらリチアは昇治との待ち合わせの場所まで契約の証しとして使えるようになった転移術にて昇治の影へと向かった。
折しも、ギリギリの昇治たちをいいタイミングで助ける形になるのであった。
場所は変わって日本の国会議事堂跡の日本魔術師総本山。通称【魔人達の箱庭】
今の日本には国会議員や天皇、将軍と言った絶対的権力者は無く、全国各地をその地方の特色に応じた魔術師の家系が治める事で成り立っている。
そして、全国展開で活動する警察もその一つ。他にも近畿地方を陰陽師の家系が受け持ち東北を【水術師】が主に受け持つ。他にも九州や四国などあらゆる地方にその分家を配置している召喚師の家系等もある。
その様な各家系の長が集う年に一度の集会の議題は、やはりと言うべきか先のイタリアで行われた議題と同じ物が話し合われていた。
「・・という訳で、新たな【資格者】は、日本の魔術師界きっての無能力者、神木昇治さんが選ばれたそうです。しかし、彼の少年は何故か既にこの国を出る手続きをしており、呼び戻す事は容易ではない。・・そこで、彼の少年が今後お世話になるイタリアのマジックアカデミーに彼の親しい知り合いを二、三人派遣しようと思います。」
そう司会をしているのは日本魔術師の頭脳にして、国の警察から魔術学園の経営までを引き受けている日本魔術師の最高峰が一角、【風術師】伊藤静香。
女性の身で有りながら対クリーチャーの最前線で活躍している彼女は、後進の育成にも力を入れているのだが、今回の事件は失敗の一言であった。
何しろ、孤児故に出自の調べを後回しにしてきたツケが肝心な所で出てしまったのだ。
まあ、そんな事は仕方ないと諦める事にした静香は、彼の少年の家族の一人である義理の妹の神木美雪に渡伊を進めてくれないかと、神木隆二に問いかけた。
問われた【炎術師】神木隆二は
「それなら序に【水術師】の水守花音も連れて行かせればいいでしょうか?あの3人は昇治から日本を出ると言われた時は凄い勢いで止めてましたからな。それに幼馴染は多い方がいいから、花音の双子の兄の守人も一緒に送りましょう。昇治にも日本では会えないが、向こうでは会っても構わないと言われたそうですから、問題ないでしょう。日本の活動も楽ではないですけど、三人は未だ成人してない半人前の奴らですから、何か言われることも無いでしょう。」
「・・そうですか、それではその様にお願いします。・・それと、神木さん。」
「何か?」
「この日本の【神の欠片】は未だ見つかりませんか?一応は資格者の候補は選んでいるので、探し当てた場合は直ぐにでも向かわせますよ?」
「ええ、まだその段階では無いですが、その時は連絡します。」
「お願いします。」
そうして、他の面々が言葉を発する機会も無く、会議は終わって行った・・・。