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『空の果てに関する研究書』
・―――〝空の果て〟とは、この世界の矛盾、そして我々の心にある埋めようにも埋められない〝最後の欠片〟の象徴なのかもしれない。
・だが『〝空の果て〟に関する研究書』を読んでみても、結局、はっきりとした事は何一つ書かれていなかった。
ただ……一つだけ言える事は。
それはそこにあった。
夢や幻ではない。
空は確かに裂け。巨大な口を開け。
父はその空に、消えて行った。
・―――『ビスタチオ』の古い書物の中の一節に、空が割れたという記述がある。
そうだ……確かここにはこう書かれてあった。その古文書推察するに、かつて『ビスタチオ』では〝空の果て〟が現れたのではないかと。




