ゴルダ収容所
・「車で20分ほどです。元々あそこは、我らの管轄ですので。……まさか、白河殿?」
・別名、〝森の贄〟とも呼ばれる場所である。
小高い丘の上に建てられたその建物の周りは、高い塀と深い深い森。しかもたとえ塀を乗り越える事ができたとしても、森の中にはもう1枚高い壁が用意されている。
ただ一つだけある正規の出入り口には監視員が常時置かれ、カメラも仕掛けられている。決して、許可のない出入りはできない場所となっているのである。
(理論上は)
いわば、陸の孤島。
だが白河は、その理論を越えた人物を知っている。
・「ここは我ら『ア・ジャスティ』空軍直轄の収容所。我らが捕らえた者を収容、そして取り調べを行う場所であります。なので、連れてこられるのは主に空賊が多いですな。後は密輸、危険物の輸送艇……ここで取調べを行い、後はその罪の重さにより別の場所へ搬送されます」
『ア・ジャスティ』から白河に付き添った将校が説明をする。その声は静まり返った廊下に、湾曲を伴い響いた。
何枚も扉を通り、幾人もの警備の横を通り過ぎる。
・ただ、白く染め上げられたコンクリートの道と壁を見ながら。
・目の前にまた、大きな扉が見えてきた。何枚目だろうか? 警備兵は銃も持っている。
これはもう監獄だな。ここに収容される者がどれほどの者達なのか、そしてどれほどの警戒状態なのか。改め、白河は思った。
・目の前に、最後の扉が立ちふさがる。
一番奥の部屋。そこは罪人の中でも特級の容疑がかかった者が放り込まれる場所で。
・こんな重い音がする、こんな頑丈な扉の向こうの格子の部屋に。




