カイ・キシワギ(kai_kisiwagi)
・青い目をした金の髪を持つ男
・歳は40前後。金髪に碧眼高い鼻。
・そんな視線に気づいたキシワギは磐木を見「やあ」
「磐木君。久しぶりだね。元気そうだね」
「……大佐殿も」
低く呟く磐木を見て。
キシワギはチラとだけジンを見た。そして口の端に笑みを浮かべた。
・新が出、飛が行き、秀一、瑛己、小暮と続く中で。
ジンは一人動かず。
「風迫」
そんな彼を磐木が促した。
だがジンは真っ向、キシワギを見据え。
やがて、小さく頭を垂れた。
そしてようやく一歩踏み出しかけた彼に。キシワギが足早に彼に寄った。
そして彼の耳元に口を寄せ、
「ジン」
「……」
「元気そうで。何よりだ」
「……おかげさまで」
「またお前がこの地に訪れるとはな。嬉しい限りだ」
「……」
「くれぐれも、素行には気をつけたまえ。あれから何年経ったか知らんが」
「……」
「お前を向く銃口に、変わりはない。いいな」
「……どうも」
・「『蒼』にいらっしゃった事が?」
「何度か。仕事ですがね」
・「追撃などと……!」
「奴の経歴を思えばッ!!」
「しかし彼はもう、昔の彼ではありません」
・「ええ。こういう騒がしい所が存外嫌いじゃありませんので。憂さ晴らしを兼ねて足を運んでいます」
それを間近で聞きながら、瑛己も少し意外な思いだった。
見るからに上品な印象のこのカイ・キシワギという男。彼が勧めるような店だ。どんな場違いな高級料理店に連れて行かれるのかと思いきや……一般人で賑わうような、大衆食堂だった。
・「現場指揮のために空に出られます」
「自らがですか!?」
「あの方はそういう方です」
・キシワギは小さく微笑んだ。その笑みは前に見た時よりもさすがに弱々しく見えた。
無理もない。その身は寝台に横たわったまま、まだ起き上がる事はできない様子だった。
ただ、部屋には点滴だけで他に目立った機材はない。窓から降り注ぐ木漏れ日は緩やかだ。それを見れば誰しもが安堵を覚える。
・しかし……アガツにも思う所があったのだという事に瑛己は初めて気がついた。キシワギが出立した際、そ知らぬ顔をしていた彼女だったが、内心は違っていたらしい。
端正な顔が鉄のように無表情を貫いている様に、キシワギは気まずそうに咳払いをした。
・――戦争になるかもしれない。
キシワギの言外に含まれた言葉を、その場にいた全員が感じている。
『黒国』と。
亡命という言葉が出ている以上、上島一人の行動とは思えない。
もっと大きな――それは国規模の。
となれば、出る答えはたった1つ。
・「奴らが国を持ってして、『ビスタチオ《この国》』を乱そうとするのなら。我らは受けて立たねばならない」
『ビスタチオ』と『黒国』の間には、薄い海が一枚隔てているのみ。その北と南の地はほぼ隣接していると言っていい。そしてその2か国の間にかつて戦いがあったのも事実。




