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ザ(座)(za)
・「うぃ」
彼の背後に、一人の男が姿を現した。
「首尾は」
男はニヤと笑い、「上々」と言った。
・ザは可笑しそうに笑うと、その目をキラリと輝かせた。
「カシラが生きていた」
・「イエッサ」
・《違う。けど同じ、アオ》
・男とザ。2人の付き合いは長い。その長い付き合いの中で、男は相棒のこんな歯切れの悪い返事を聞いた事があまりない。
ザが殺れると言えば、実際そうなったし。無理と言えば、それもまた一つの事実となった。
・《結構、やり手。中でも……変な奴がいる》
・《……ッ、まさか、そんなッ》
「どうした」
《けどッ……これは、この飛び方はッ》
・「座、頼む」
「イェッサ」