星井 湖太郎(hosii_kotarou)
・愛嬌のある懐っこい顔立ちの小男で、笑うとエクボができた。「長旅ご苦労さまです」
星井 湖太郎。瑛己と飛は息を呑んだ。この2人がその名を知らないわけがない。同い年、同期卒業生の中でも有名な男だった。
東部の飛空学校を卒業。成績は別にトップクラスではなかったと聞く。しかし彼は『園原』の斉藤が自らスカウトをした。彼らの同期で星井の名前を知らない者はほとんどいないと言ってもいい。
・用意された小型のバスを運転したのは、「人手が足りないんでボクが」と、例の小柄な男・『園原』第114飛空隊所属、星井 湖太郎だった。
「本番になったら人であふれて車なんて出せませんから。空では人をひく事はないけども、陸ではそうはいかない。そう思えば今なんかまだまだマシです」
小柄な彼がバスを器用に扱うその様に、瑛己は少し感嘆を覚えたものだった。
・「星井 湖太郎」
白6番艇・星井は。
バックミラーに映らない微妙な視覚から、瑛己を追いたて、撃っていた。
・「俺ももう一度戦いたいな」
斉藤につられるように言ったのは、星井だった。
こうして並ぶと長身揃いの『飛天』の中では唯一、一際小さく見える。
彼は愛嬌のある顔で瑛己を見た。瑛己はその視線をあからさまに避けた。