斉藤 流(saitou_nagare)
・「斉藤 流!?」声を上げたのは飛だった。「まさか……」
「あら、ご存知。さすがは斉藤君」ふふふと雨峰は微笑んだ。
「『園原』空軍基地・第114飛空隊隊長・斉藤 流。うちのエースパイロットです」
『園原』の斉藤 流……瑛己も知っている。さすがに知っている。
現在、国内屈指のパイロットとして5本の指に入ると言われている……凄腕の男だ。
長身である。『七ツ』の中ではジンと新が同じくらい長身なのだが、それよりもさらに高い。
丸刈りの黒髪が汗にぬれている。すっきりとした一重瞼に、高い鼻。汗で光っているが顔立ちは彫刻ような端正な物だった。
このルックスと飛行技術から、女性に人気も高い。
・目の前を、白の1番が掠めて行く。
言うまでもない。
『園原』エースパイロット・斉藤 流。
・(さすがにエースと呼ばれるだけある)
磐木もその飛行には舌を巻いた。
とにかく早い。
機体は自分たちも使っている、同じ『翼竜』のはずなのに。
(何が違う?)
そう思って、一瞬自分が乗っているのが『葛雲』で。その性能の差かとも思ったが。
「違う」
それだけじゃない。
最短を縫っている。
彼の飛行には、余計な〝溜め〟が存在しない。
・「また是非翼を交えてみたいものです」
斉藤が笑って言った。
「磐木隊長。あなたとはもう一度。決着をつけたいですね」
それに磐木はフンと鼻を鳴らした。




