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歴史の真実

今回っていうか2、3週はこんな感じです。

「ちっ、なんで俺がこんなこと…」


「仕事だろ?」


「それはそうだが…」


「なら文句言うな、仕事と私情は分けて考えろ」


「む…、わかった…」


俺と兵士が話している内に執務室に着いた、兵士はノックをした。


「閣下、男を連れてきました」


「ありがとう、下がってくれ」


「しかし、この男は何をするかわかりませんが…」


「そのために手錠がついている」


兵士は渋い顔をして、下がっていく。

するとドアが開いた。


「入ってくれ」


執務室にはいると、あちこちに書類や本の束がある。

米内は苦笑して、


「大掃除の途中でね、こんな風になっているがほかに場所がないんだ、座ってくれ」


俺は応接用のソファーに腰をおろした。


「コーヒーしか無いんだが…」


「いえ、飲めませんから」


自分の腕を上げてみせる。


「そうか、すまんね、それと君の名前を教えてくれるかい?」


「真田です」


「では真田君、君は陸軍によるクーデターが起こる事を知っているそうだね」


「はい、今から約3ヶ月後の2月26日に帝都内の政治中枢のほとんどが占拠されます」


「ほう」


米内はやはりといった顔をする。


「このクーデター自体は3日で鎮圧されますが、この事件以後、政府官僚は再発を恐れるようになり、統帥権干犯問題などとあいまって、政治の主導権を軍部に握られはじめます」


「…待ってくれ、君はさも未来を見て来たかのように喋るが何故そんなことがわかるんだね?」


(やはり聞かれたか、だが躊躇う訳には…!)


「…………実は、自分は未来から来たのです」


米内には頭でも狂っているのかと思われてる事だろう。


「ふむ、証拠はあるのかね?」


「はい、自分のズボンの右ポケットにある機械があります」


すると米内はポケットを探った。


「これかね?」


「そうです、渡してもらえますか?」


「うむ」


「どうも、これは携帯電話というものです」


俺は携帯をあけ、プレイヤー機能を呼び出した。


「この携帯電話といわれるものはその名の通り携帯式の電話機で、本来なら世界中に設置されている中継局や宇宙に浮かんでいる衛星を通して、例え地球の裏側に居たって日本とリアルタイムで会話出来るのです。

ただ、この時代にはないのでかなり機能が制限されます。

試しに音楽を流してみましょう」


俺は軍歌の中から『軍艦行進曲』を選んだ。


「おお!」


軍艦行進曲独特の音色が聞こえてくると米内はとても驚いた様子だ、当たり前だろう、この時代ではあのデカいレコードが使われている、こんな小さな物から音楽が流れること自体おかしいのだ。


「これで信じてもらえるでしょうか?」


米内は観念したように言った。


「わかった信じよう」


「ご理解感謝します」


「しかし何故転移してきたのかね?」


「わかりません、地震で階段から落ちて気を失ってしまい気付いたらこの時代に…」


「そうか、我々日本はこれからどうなる?」


「日本がこのまま進めば、クーデターにより政治の主導権を軍部にとられた政府は昭和十二年に関東軍の謀略によって起こった日中戦争を止めることができず、中国に利権を有する英米とさらなる対立を招きます。

昭和十五年、ドイツ第三帝国、イタリアと共に日独伊三国同盟を締結し、英米との関係は絶望的になります。同年、欧州で第二次世界大戦が勃発し、ドイツがフランスを屈服させ、日本は仏印に進駐します」


「ふむ、仏印を手に入れるのか」


「しかし、これに対して米国はあらゆる種類の鉄くず、鋼鉄の輸出禁止措置、在米日本資産の凍結、トドメに石油輸出禁止という強烈な経済制裁を発動します。

その後、約1年間交渉を行いましたが結果が出ず、対米英蘭開戦を決意します。

昭和十六年十二月八日に始まった太平洋戦争は当初の予想に反し、四年間の長期戦になります。

詳しい説明は省きますが最終的には日本は爆撃によって焼け野原になります。

軍人はもちろん、民間人にもおびただしい犠牲を出し、昭和二十年八月十五日、日本は敗北します」


ふと見ると米内は疲れたように目頭を押さえていた。


「……避けねばなるまい……」


「はい、必ず」


米内は固く決意した。

そのような未来は避けねばならない、歴史を変えねばならない、と。



松島基地のF-2、再生可能らしいですね。


自分的にはF-XはF-2がよかったなって思います。


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