さーて、お待ちかねの外交パートですよ~~
えー、先週は投稿できずほんとすみませんm(_ _)m
ここ数週間物凄いスランプで、書こうにも遅々として筆が進まず、あれよあれよというまにストックを消耗しつくし、ついに先週分で弾切れになりました(> <)
そんな中で書いた話なので誤字脱字矛盾検証不足等々が見られるかもしませんが、生暖かい目で見てくれると幸いです。
次話も完成し次第投稿しますが、一週間で投稿できる可能性は真に低いです。+1,2週間は待っていただく事になるかと…
最後に、本当に申し訳ございませんでしたぁ!!
威海衛沖2km
重巡高雄艦橋
「右舷中華民国艦、距離500…450近づきます」
艦長の真田逸人大佐は、お世辞にも整備が行き届いてるとはいえない中華民国艦を見た。
その姿が不憫に思えてしまう。
もっといい国に生まれればよかったな。
そう思ってしまうのだ。
「針路そのまま、速度に注意、緩衝材確認」
「了解」
とにかく、目の前の任務を果たすことが先決だと思い直す。
とある要人を送り届ければ横須賀に帰って3日の休暇を取れる。
(確か、雄二達も休みのはずだからどこかに行くのもいい)
そう考えていると、後ろから声がかかる。
「すまないな、本来なら今頃休暇中だったのだろ?」
「いえ、休暇はずらせましたから大丈夫です、松岡外相」
「そうかね?しかし悪いことをしたのは確かだ」
「そう思うなら今回の交渉はしっかり成功させてきてください、そうすれば許しますよ」
「わかったよ」
松岡がニコッと笑うと、艦橋に水兵が上がってきた。
「艦載艇の準備が整いました、直ちに移乗願います」
「うむ、じゃあ行ってくるよ」
「はっ、ご健闘を祈ります」
松岡が水兵に続き艦橋をあとにする。
「軍事同盟、か」
逸人がポツリと漏らした言葉は、周囲に聞こえることなく消えていった。
松岡は乗艦すると、副長を名乗る男に案内され、会議室に向かった。
中に入ると、中国人らしい服を着た男が応接セットに座っていた。
「お初にお目にかかります、松岡です」
「いや、こちらこそ」
中に居た人物の名は蒋介石。
中国国民党総統で、史実では毛沢東らと共に抗日統一戦線を構築。第二次世界大戦後、中共内戦に敗れ台湾に逃れている。
松岡は蒋介石の前に腰掛ける。
二人は一通りの社交事例を交わしたあと、本題にうつった。
「しかし、まさかあなたが此方につくとは思いませんでしたよ、蒋介石閣下」
「ははは、こちらも驚いている。そちらからこのような条件を提示されるとはね」
「我々は中国を憎き敵ではなく、良きパートナーとして付き合っていきたいのです」
「ほう、しかし我々はそちらの仮想敵国であるソ連とは対立関係にあるものの、最近関係が険悪になりつつある米国とは強い結びつきがある」
「そのようなことは関係ありません、問題は最後にどちらを取るかです」
松岡は蒋介石の目をしっかり見つめると、諭すように口を開いた。
「正直に申し上げて貰いたい」
「何かな?」
「あなたは米国をどう思っているのですか?個人的な考えをお聞かせ願いたい」
蒋介石は目を見開くと、一気に緊張した面持ちになった。
「自分は…米国は中国を踏み台としか見てないと考えている…」
「やはり…」
「うむ、あれは化け物だ、世界中の市場を食い荒らし、開拓という名の侵略をおこない、国民はそれが正義だと思っている。
それの矛先が次はアジアに向いている。
その土台に我が国を選んだ。
それを驚異と呼ばすなんと呼ぼうか」
「我が国も同じです。米国がアジアを狙ったとき、アジア唯一の列強で、シナ海に接している我が国は邪魔でしかありません。
現に、米国は外交圧力を強めつつあります」
「加えて、北にはソ連、内には紅軍…か」
「どうでしょう、軍事同盟と銘打ってはいますが、それ以外でも我が国及び、満州国はそちらへの支援は惜しみませんが…」
蒋介石は目を閉じ、考えるそぶりを見せる。
しばらくすると、腹を決めたとばかりに松岡を見る。
「……此方の反日勢力の一部が反発する可能性はあるが、それは自分が抑えよう」
「!?では…!」
蒋介石はにっこりと笑った。
「うむ、これからはよろしく頼むよ」
「あ、ありがとうございます…!」
数日後の新聞の見出しには、次のような言葉が踊っていた。
『日中手を結ぶ』
『祝、同盟締結』