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出会い

夏休みに入ったどー!

ま、講習とかいろいろあってあまり休みないんですけどね、とりあえず今年は呉まで旅行したいです。


それと、これからは土曜日更新にして、ついでに活動報告を日記みたいに使おうかと思っています。(どこがついでなんだ?)


追伸、今回の話は勢いで書いた、反省はしていない。

少女はとある建物の前に立っていた。

「で、でかい…」

父から聞いていた会場とは随分違う事に驚く。

聞いた話によると会場は、豚小屋ですか?と言いたくなるような、思い出すだけで胸焼けがしてくるような場所らしい、しかし目の前に見えるのはどう考えてもどこかの庁舎にしか見えない。しかも歴史を感じさせる。隣に建っているなんだか庶民っぽい家(?)が微妙に気になるが、

「………は!ただでさえ遅刻してるのに、こんな所で止まってちゃマズい!」

ダッ

少女は駆け出した。……が直ぐに止まった。

「どこ、行けばいいんだろ?」



それより少し前

真田は会議室で面接のセッティングをしていた。


「あっ、しまった、SDを持ってくるのを忘れた」


「真田君、充電が足りなそうだ、ついでにバッテリーを持ってきてくれ」


「あと冷却用のフィンも頼む」


山本がそう言いながら見ているのは倉庫から引っ張り出したトランジスタと家電で作ったワープロの紛い物だ。親父が昔集めていた物で、各研究所にサンプルで送った物を除いても1000個以上あったから試行錯誤して作り上げた代物、画面はパソコンを液晶に取り替えた際にしまい込んだブラウン管だ。

他にニ台が稼働し、二台が予備機になっていて、一応普通のパソコン並みに文字は打てるようになっている。

「わかりました。じゃあ行ってきますね」

「頼むよ」



「お、あれは…」

家から必要な物を取った帰り、傍目から見れば明らかに小学生な装いをした少女が居た。

走り出したりキョロキョロし出したり、明らかに挙動不審です、はい。 


「………スルーだな」


ああいうのは関わらないが吉、という感じで中に入ろうとする。


「あ!すいませーん!」


(ロックオンされた(;´Д`))


真田は女性にいい思い出がない。

(と、勝手に思っている)

小さい頃通っていた剣術道場の娘に高校で再会して「特訓だ!」と叫ばれ剣道部と柔道部を兼部する事になったり(ツンデレ)、少女が不良に絡まれているのを助けたらむしろ少女の方がバトルジャンキー(照れ隠しで殴ってるだけ)だったりした。

(要するにフラグメーカー、旗男)

女性関係の厄介ごとは避けたいのが本音だ。

しかしフラグメーカーの宿命からは逃げ切れない。


「第一期海軍航空科試験の会場って何処ですか?」


少女が駆け寄ってきてさっと荷物を持ってしまった、これでは逃げられない。


「あ、ああ、航空科の試験会場か、今から行くところだ、ついてきたらいい」


「ありがとうございます」


「見ての通り雑用中でな、持ってくれて助かる」


「いえいえ」


「ところで試験会場なんかにいって何をするつもりだ?お父さんの応援かなにかか?」


「ち、違いますよ!私こうみえても十六才です!」


「……そうか」


「あ!信じてませんね!?」


「いやそういう訳ではないが……」


「証拠を見せてあげます!」


ドスン、ガサゴソガサゴソ

荷物を置いて背負っていたリュックを漁り始める。


「あれ?どこにいったのかな?えーと…あ、あったあった」


ガサッ

取り出した紙を真田の前に突きだしてみせる。


「ほら、受験票です」


「浅間美琴…確かに十六才だな」


「わかってもらえましたか」


「ああ」


「しかし凄いですよね、女性でも軍に入れるようになるなんて」


これについては、真田がこちらに来てからすすめた計画のひとつの、女性の参政権獲得が働いていた。

権利を得るなら義務も必要だ、ということで、女性の兵役義務を設けたのだ。

勿論、女性は基本的に条件が大分ゆるい上、後方勤務にまわされるが、本人の希望で航空隊等、実戦部隊にも配置してもらうことが出来る。(ほとんどいないが)


「数ヶ月前なら思いつきもしなかっただろ、なんで軍に来た?」


「はい、私の父は昔、陸軍の戦闘機搭乗員だったんですけど、一度だけ飛行機に乗せてもらったことがあるんです。

最高でした、空を飛ぶってこんなに凄いんだって思いましたよ。

その時の気持ちが忘れられなくて気づいたら志願してました」


美琴はスッと目を細めて遠くを見る。

真田にはそれが何か悲しげに見えた。


「そうか……」


「?」


「………」


「………」


「あの……」


「軍人なんて職業は人を殺してなんぼだ、空を飛びたいなら他にもあるだろう」


「え?」


「これは自分にも関係することだ、空を飛びたいだけで軍に入って、何の覚悟も無いまま人を殺してみろ、一生後悔するぞ」


「…そう、ですね…」


「と、えらい口を叩いてしまったな」


「いえ、そんなこと「大佐!そろそろ打ち合わせです!」え?」


「わかった!ったく、階級で呼ばれるのは柄じゃ無いってのに…」


真田は美琴の荷物を持つ。


「荷物は彼に持ってもらうよ、試験会場はそこの廊下を突き当たったところにある」


「あ、ありがとうございます」




(お父さんみたいな人だったな…)


美琴は面接室の前の待合室で考えていた。

父親は元々農家の三男坊で、口減らしで海軍に入った。

当時、新しく設立された航空科に配属され、才能があったのかメキメキと頭角を表した。

とても優しい人で、自分が軍に入りたいと言うと反対したが、本気だとわかると一転して、心構えや知識を出来る限り教えてくれた。

しかし、四日前に訓練中の事故で殉職してしまった。

自分が今日の試験のために上京して、訓練飛行を見せてもらっていた目の前でだ。


(だけど違う)


あの人の心の奥底に、父親とは違う何かが見えた気がした。

考えると心が痛むような、辛くなるような、


(ああ、私と少し似てるんだ)


あれは自分と同じ、大切な人を無くしたことがある物だ。

そう結論づけると突然声を掛けられた。


「次、浅間美琴」


「あ、ヤバ」


あの人の事を考えていて心の準備も出来なかった、替わりに緊張もしていないが。


コンコン


「浅間、入ります」


扉の前に立ちノックをして中に入る。

中にはいると、箱(粗製パソコン)で顔が見えないが試験官が居るのがわかった。


「ん、座ってくれ」


「はい」


「では最初に、さっきのことについて答えを聞かせてくれるか?」


「……え?」


(この声は……)


そう思った瞬間、箱からにやりと笑った真田がひょこっと顔を覗かせる。


「どうした?」

艦名が決まったので次回から数回はそれらの紹介をしたいと思います。

ついでに短編(5、6部位の)も同時投稿します。

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