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【Project Billion 外伝】 ―滅びた世界で、君を想う―  作者: mr.iwasi


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4/4

変わる運命(最終話)

二人は、

同じ場所で倒れていた。


世界は、完全に崩壊していた。


その中心で、

小瀬栞は静かに立っていた。


彼女は、プロトカードを手に取る。


「……これが、最後」


プロトカードの力。

それは“時間”への干渉。


栞は、三年前の“あの日”を思い浮かべる。


――すべてが始まった、あの日。


白い光。


意識が、引き剥がされる。


気づけば、

玉木隼人の前に、彼女は立っていた。


「あなたは……」


玉木が戸惑う。


栞は微笑んだ。


「あなたは、

 運命に逆らうことができる?」


そう言って、

彼に一枚のカードを託す。


カードの完成形。


オリジンカード。


「これが……最後の希望」


時間が、限界を迎える。


視界が歪み、

栞の身体が透け始める。


次に気づいた時、

彼女は都心のビル街に立っていた。


人々が行き交う。

笑い声。

クラクション。


「……平凡な日常」


守られた世界。


だが、代償は大きかった。


タイムリープの反動。

栞の存在は、

この世界に留まれない。


身体が、崩れていく。


最後に、

彼女は空を見上げて呟いた。


「ありがとう、玉木」


その声は、

誰にも届かない。


そして――

小瀬栞は、静かに消滅した。


[完]

ここまで読んでくださり、ありがとうございました。


この外伝は、本編では語られなかった

「もしも、あの世界が救われなかったら」という

最悪の未来を描くために書きました。


本編の玉木、栞、後藤たちは、

ある意味で“正しい選択をした人たち”です。

でも、この外伝の世界では、

正しさは少しずつズレていき、

気づいたときにはもう取り返しがつかなくなっていました。


それでも――

誰かを想う気持ちだけは、最後まで消えなかった。


玉木は、最後まで人間であろうとしました。

後藤は、怪物になっても人間になろうとしました。

栞は、自分が消えることを知りながら、未来を選びました。


この物語に「完全な救い」はありません。

でも、本編が続いているという事実こそが、

彼女たちが残した“答え”だと思っています。


外伝を読んだあとで本編を読むと、

何気ない台詞や選択が、

少しだけ違って見えるかもしれません。


もしそう感じてもらえたなら、

この外伝を書いた意味はあったと思います。


最後に、

ここまで物語に付き合ってくれた読者の皆さんに、

心から感謝を。


Good Luck――

これは、登場人物たちへの言葉であり、

そして、今この物語を追いかけてくれている

あなたへの言葉でもあります。


また、物語のどこかで。

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