第八十話 作戦会議
なんか明日のための下書きのつもりでしたが完成しちゃったので投稿します
「では、【主人公】さん。現状の確認と今後の方策を練りましょう」
「わかりました」
「まず、私たちが先ほどまで滞在していた町はロウサイ地方にあるショウオという街です。この地方においてはかなり栄えた街の一つです。そこの顔役を殺害してしまったため、小規模な街や村落を転々としながら行動していくというのが現実的な案でしょう。時に、【主人公】さん。あなたが元の時代に帰還するための手掛かりのようなものに心当たりはありませんか?」
「一つだけあります」
「それは?」
「ホワイトという魔術師と【剣豪】という剣士です。彼らは明らかに人知を超えた力を持っていますし、俺がこの時代にくる原因になった女郎蜘蛛迷宮を唯一踏破した人物です」
そうして俺は、「千年伝説」の「太陽の化身編」の内容をリイへと聞かせる。
「.....なるほど、あの七大迷宮を.......しかし、そのような大事件が発生したのであれば今頃世界中に噂が広まっているはずです、しかし私はそのような話聞いたことがありません」
「......どういうことなんでしょうか」
「【主人公】さんが読んだ物語よりも古い時間軸に転移した、と考えるのが自然でしょうか?」
などと悩んでいると。馬車の御者が口を挟んでいる。
「ちょっといいかい?兄ちゃんたち」
「どうなさいましたか?」
「女郎蜘蛛迷宮の噂なら聞いたことあるぜ。なんでもつい数日前にあの辺りの空が真っ黒になって、魔物が凶暴化したんだそうだ。そんで、それを命懸けで止めたのがレオンっつう獣狩り連中らしいぜ。あんたら、その噂と勘違いしてんじゃねえか?」
「【主人公】さん、どうお考えですか?」
「その可能性は薄いんじゃないかと思います....俺が読んだホワイトの著作にあった事実の正しさは俺自身が身をもって証明しています」
「.....なるほど、いずれにせよ当面の行き先が決まりました」
「ええ、女郎蜘蛛迷宮へと向かいましょう」
「まあ、兄ちゃんたちの言ってることはなんもわからんがの馬車の行き先がその迷宮のある街だ」