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第七十四話 藪から蛇 後編

俺たちは地図に示された地点へと到着した。そこにいるのは三頭のポイズンボアであった。二頭は先ほどの個体と大差ないものの、その群れのボスであろう個体は一際大きい。全長はゆうに10mを超えており。太さも通常の個体とはひと回りほど違う。何より異質なのは頭部に植物のようなものが生えていることだ。ボス蛇は俺たちには興味もないといった様子で静観を決め込んでいる。

「....これは、まさに大蛇というに相応しい巨体だ。この群れの領袖といったところでしょうか」


「おそらく....そうでしょうね。リイさん、ひとまずは子分どもを片付けましょう」


「承知しました」

彼らはボスとは異なり好戦的だ。子分の蛇たちは俺とリイへとそれぞれ襲いかかる。

「憤ッ!!!!」

リイは彼を丸呑みにしようとした大蛇の突進を受け止めると、上顎と下顎を掴み、そのままそれを引きちぎった。あんな巨体の突進を受けてもリイはびくともしていない。俺はというと、先ほどと同じように大蛇の攻撃を反射して殺す。それを見たボスは俺たちを脅威と認識したのか俺たちへと目をむける。その目はどこか虚で死体のようにも見えた。

「【主人公】さん、見事ですね。これであとは領袖を始末するだけですね。」


「リイさんこそさすがです。それにしてもあの個体、バカデカいですね」


「ええ。それに加えて、あの瞳には生気がありません。頭部の植物と相まって不気味なことこの上ありません」


「ただ、このまま静観に徹するというわけにもいきませんね」

と、言ったリイは初めて自分からボスへと突進する。跳躍して、蛇の胴体目掛けて飛び蹴りを放つ。

「破ァ!!!」

その一撃はボスの胴体を不自然な方向へと捻じ曲げる。しかし、ボスは何もなかったかのようにリイへと反撃をする。それを自然な動きでいなしたリイはこちらへと戻ってくる。

「妙ですね」


「妙とは?」


「全く手応えがありませんでした。まるで死体に向けて技を放ったかのような。」

次に仕掛けてきたのはボスだ。奴は俺に狙いを定めると尾による薙ぎ払い攻撃を仕掛ける。俺はそれを反射する。ボスの尾は先ほどのように一部がひしゃげるものの。何事もなかったかのようにしている。


「まるで、死体のような感じですね。生きた動物があんな体で動くなんて...」


「おっしゃる通りです。ただ、そうなるとどこを狙うべきか。やはり頭部でしょうか」


「それはあまり意味がないと思います。」


「私も自分で申し上げておいて申し訳ありませんが、あの大蛇の肉体はどこを破壊しようが結果は変わらないでしょう」

その間もボスは俺たちを攻撃する。幸い、攻撃自体は大したことない。しかし、俺の反射やリイの武術の牙城を崩すには至らない。しかし、このまま状況が停滞するというのはまずい。さて、どうしたものか。

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