第七十話 佩玉と爪
週末の予定が雨のせいでお釈迦になってしまったので腹いせに投稿しまくります
「任せてください!」
「....せめて中身を聞くべきであると考えます。これで、死んでくださいと言われたらどうするのですか....」
「俺たちはもう仲間でしょう?仲間を傷つける人がどこにいるんですか?」
「はは、なるほど。合点がいきました」
「では、そのお願いの中身を聞いてもいいですか?」
「ええ、それは私の佩玉をとある方に返すように交渉をしていただきたいのです」
「佩玉?なんですかそれ」
「腰からさげる装飾品のようなものです。それを私がこの世界に来たばかりの頃にこの街の賊のような連中に騙されて奪われてしまったのです。そして、それは今、この街一番の富豪であるアントニオの手にあります。対価を支払っても構いませんので、取り返す手伝いをしていただきたいのです。私のこの姿では交渉の土台に立つどころか彼の屋敷に入ることすら叶いませんので」
「なるほど、わかりました。ところで、その在処をどうやって突き止めたんですか?」
「それは、その賊にお聞きました」
そう言うと、リイは自身の指に生える鋼のような爪を露出させる。
「ご心配なさらずとも、私も同行いたしますので。私が安全であると言うことを屋敷の守衛やアントニオ本人に説明していただければ十分です」
「わかりました。では行きましょうリイさん」
佩玉は「はいぎょく」と読みます。ミスってました失礼
六十九話を結構修正しました