第六十五話 風呂敷を畳む
ラッシュは終わりと言いましたがストックはあるのでしばらくは高い投稿頻度を保てると思います
「勝った、のか?」
その感覚を噛み締める間も無く俺は膝から崩れ落ちる。
「【主人公】くん!!!」
ゴルドが俺の肩を掴み支える。
「やはり、僕の予想は当たっていたようだ。僕たちは、今、この瞬間を持って歴史に名を刻んだ。」
「ええ、お役に立てて何よりです」
「さすがだ【主人公】、」
そう言って俺に近づいてくるのはハンゾーだ。
「いえ、ハンゾーさんたちが猿を足止めしてくれていたおかげです。それにハンゾーさんなしではあの策成功しませんでした」
「謙遜はよしてくれ、あの役目は俺でなくてもよかった。」
「みんな〜、和気あいあいとするのもいいケド、もう一人のヒーローのお出ましよ」
そういうメルトの背後にはアンジーがいる。
「皆さん!!!猿を倒したんですね!!!」
「アンジー、無事でよかった」
俺は感極まってアンジーへと抱きついてしまう
「えへへ、もう、こういうのは二人きりの時にしてくださいよ〜」
などと言いながらもアンジーは俺を抱きしめて離さない。
「ヒュー!!二人ともアチアチね〜」
アンジーは即座に俺から離れて顔を真っ赤にする。かわいい。
「......やめておけ、メルト。典型的なおばさんのようだぞ」
「は?」
「ははは」
メルトが茶化してくる。それをハンゾーが諌める。そしてそれを見たゴルドが笑みをこぼす。俺たちの日常的な普通がそこにはあった。これこそが俺の望んだささやかな普通の生活の一部であった。
「っと、まずは後処理をしなければね」
そのゴルドの一声で俺たちは猿の死体へと向き直る。
「こいつは燃やして灰にするとして、ところでゴルドさん、迷宮を踏破した証明ってどうするんですか?」
「ああ、それはね.....」
そう言うゴルドの視線の先には小部屋があった。
「あんな場所が...気づかなかった」
「迷宮の最深部....おそらくあの部屋にある魔石を回収することで迷宮を踏破した証になるのよ」
ゴルドの説明を補足するかのようにメルトが語る。
「では、行こうか栄光をその手に掴みに行こう」
やっぱ...小説の...ハッピーエンドを...最高やな!