第七話 酒は飲んでも飲まれるな....マジで 後編
更新遅くなってすいません
朝、鳥のさえずりで目をさます。
「....よく寝たなあ、昨日は飲みすぎたかな」
俺は困惑していた。なぜなら俺の横にはスヤスヤと眠るパーティーメンバーの少女の顔があったからだ。
「....朝日が眩しいな」
現実逃避をしている場合じゃない。なんでアンジーが俺の部屋で寝ているんだ?いや待て、ここはどこだ?もしかして、ワンのナイトを共にしてしまったのか?いや、なんで?
....5時間ほど遡る。
ゴルドの介抱をハンゾーとメルトに任せて俺とアンジーは夜道を歩いていた。俺の宿と彼女の宿は別方向なのだが、酔ってしまったアンジーを放っておくわけにもいかず俺は彼女を宿まで送って行くことにした。
「えへへ〜【主人公】さん、抱っこ〜」
どうやら、彼女は酒に弱いらしい。彼女にこんな弱点があったとは、アンジーは俺が守護らねばっ!!などと謎の闘志を燃やしながら歩を進める。街灯の光もまばらで、道は静寂に包まれている。この世界に来るまでは都会っ子だった俺にとってこの光景はどうにも慣れない。この世界の住人は前の世界の人々とは良い意味でも悪い意味でも大きく違う、人や人型の魔物をクエストのためとはいえ容赦無く殺せる倫理観や魔術を使って火を放ったり、自分の身長ほどもある剣を振り回したりと、色々な違いあるが、一番はおせっかい焼きなところだ、俺だってそこそこやれる自信があるが、Sランクパーティーには不相応だ。そんな俺を快く仲間に迎え入れてくれて、あんなに歓迎してくれるなんて本当に良い人たちだ。そういえば、あいつらとの出会いもこんな感じだった。この世界に転移したばかりで頼るアテも何もなかった俺をザックたちが拾ってくれたんだ。また、自然と涙が込み上げてくる。もう忘れてしまおうと決めたのに、止まらない。
「....ザックゥ、みんなぁ....俺が何をしたんだよぉ」
「【主人公】さん、どおしたんですかぁ?」
「アンジー、大丈夫、気にしないで、少し飲みすぎちゃったみたいだ。」
突然泣き出したものだから驚かせてしまったらしい。そんな俺の顔をアンジーは覗き込んでいる。
「また、前のお仲間さんのこと、思い出しちゃったんですか?」
「....そうだよ、女々しいやつだよね俺」
「そんなことありませんっ!!、【主人公】さんにそんな顔させる人たちのことなんか忘れちゃいましょうよ!!」
「....ありがとね、アンジー」
「忘れられないなら、私が忘れさせてあげます!!」
気づいたら、彼女の宿の前まで来ていた。こうして夜は更けていく。
長くなった。また来週までに更新します