第三百八十一話 罪と罰
そうして、ジェームズはラオフェンとその父を退出させるとベルボーイへと向き直る。
「さて、次は貴様だ」
ベルボーイは平伏して答える。
「......いかなる罰をも受け入れます」
「.......領主からの命令を無視し、憲兵としてあるまじき掟破りに加え、民を欺いた。どんな刑が妥当だと思う?」
そのように法務官のおじさんへと問いかける。
「.........ベルボーイ様は下級の騎士に当たる身分ですので....貴族法に照らしあわせれば....彼の行為は..第一条十四項に記載のある『職務の不履行に関する法律』というものに抵触するものと考えられます。そうして、その場合は同様に縛り首であるかと....」
「そうか.....ふむ....ベルボーイ....ところで、明日の憲兵隊の始業はいつからだ?」
「明日の昼前....ちょうど今から十時間後となります」
「ふむ....そうか....ベルボーイ!貴様には、この件の全ての責任を追及するものとする。異存はないな?」
「はい、全てを受け入れる覚悟です」
「うむ、では.....ベルボーイ・ラウンジ、貴様には第一条十四項違反の罪人として、今からおよそ十時間、職務を謹慎し、自宅にて己の罪深さと向き合うことを命ずる。......その後は、速やかに職務に復帰するように」
すると法務官のおじさんがスラスラとペンを走らせる。
「......承知いたしました」
そうして、『ドア男』事件は解決した。
「それと....リイと【主人公】、貴殿らとはこの件は先の船上での件の清算を行いたいと考えている。可能であれば、明日の夜....この屋敷にてこの場にはおらぬ友人も合わせて食事をしようではないか...」
「はい!!」
「承知しました」
そうして、この町での旅もそろそろ終わるらしい。




