表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

376/385

第三百五十四話 良い夜

「ひひひ....ストロベリーヴァイパーって知ってるかい?......ここらに生息する毒ヘビで、噛まれたところが苺みてえに膨らんじまうことで有名なやつさ.....肝心の毒は、獲物の体を痺れさせて、何時間もかけて命を奪うっつうなんとも地味なモンだが.....それがいいのさ、俺の家具は生きたまま作るのが醍醐味なのさ......」


舌がうまく回らない、しかし幸か不幸か...頭は冴え渡っている

「あ、くしゅみ...だな」


「今日はいい夜だ.....風が涼しくて、月が綺麗で....今日みたいな日にデートしたら最高だろうなあ...まあ、あれだな....あんたは騎士に知り合いがいるみてえだし....ここでバラしちまうかな」

なんてことを言いながら、ソーは剣を片手に俺へと迫ってくる。


「く、そ....!」


しかし、その時は訪れない。


「痛ッ....!!!」


刹那、奴の四肢が宙を舞う。


「.....斯様な下衆に遅れをとるとは、鍛錬が足りんな」


「よ、してる、さん!!」

俺へ駆け寄るのは義輝さんだ。


しかし、まだ安心するには早い。奴はヘビに変身できる。ヘビには元々四肢がない、このままでは逃してしまう。


「や、つは、へ、びに....!!!」

うまく舌が回らない。


「....チっ!!仲間かよ!!」

義輝さんが振り返ったときには、ソーは既に下半身からヘビに変身しつつある...しかし、義輝さんは動かない。

「よ、して、るさん!!!」


「......問題ない」





「大気、凍れ」


周囲を凄まじい冷気が包み込む。俺は思わず目を閉じる。


そうして、目を開けると

そこには、上半身はヒト、下半身はヘビ...というなんとも珍妙な姿をした氷の彫像が月の下に鎮座していた。


「へえ.....面白えギフトだ、それに....こんなちょうどいいタイミングで()()できるなんて、今日はいい夜だ....月も綺麗だしな」


そうして、いつもの満月が頭上には輝いていた。






評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ