表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

364/391

第三百四十四話 正義の鐘が響く

私は明朝、以前と同じ喧騒で目を覚まします。

【主人公】さんはアレスという騎士の方のお宅へ泊まると、連絡が来ておりましたが.....なにか考えあってのことなのでしょう。私はと言えば、もう一度眠る気にもなれず、懲りずに再度外へ繰り出します。

かつて、ジョスイの街で購入した外套を羽織って。この外套もこれまでの戦闘で破れ、汚れてしまいましたが....処分する気にはなれず、洗濯や補修を行い、今日まで身につけております。しかし、彼の前では要らぬ心配を抱かせてしまうため、控えてはいますが....

そうして、喧騒の中心を訪れます。そこには控えめな人だかりができており、中心には着飾った女性の死体があります。鎖骨から腹にかけて切り裂かれ、仏教寺院の扉のようになっています。

そこには、先日お会いしたベルボーイ殿もいらっしゃいます。なにやら、悩んでいらっしゃいますが....

「にしても凶器はどこかねえ....この前の事件は被害者が持ってた護身用ナイフだったが......」


.....殺人の凶器の行方を探していらっしゃるのでしょうか、お節介とはわかっていながらも私は彼らに話しかけます。獣人を差別しているとは言っても、話せばわかるかもしれない。以前の私では考えもしなかったことです。【主人公】さんも自身の変化を嘆いておられましたが........私も変わったということでしょうか。

「失礼を承知で申し上げますが.......凶器でしたら、そちらの側溝の中に御座います」


「あ、あんたは....この前の!!....いや、先に凶器だ。おい!何人か呼んで、ドブさらいをさせろ!!」


そうして、無事に殺人に使われた剣が発見されます。

「お前...なんでわかった?もしかして犯人...いや、ならわざわざ言わねえか....」


「私は獣人ですので、鼻が効くのです」


「へえ....」

どうやら、半信半疑といった様子ですね.....

「貴方の今日の朝食は......砂糖をまぶしたパン、合っていますか?」


「....!!!すげえじゃねえか、正解だ!!!!」


「では、私はこれで.......」

そう言って私は踵を返します。彼らへの良い土産話になるでしょう。

しかし、ベルボーイ殿は私を引き留めます。

「待て」


「どうなさいましたか?」


「よかったら...この事件の捜査を手伝わないか?」


「......どういう意味でしょうか?」


「そのままの意味だ。お前を俺が雇ったってことにして、この捜査を手伝ってくれないか?....金だって少しは払うしよ」


「.......そこまでされる必要はあるのでしょうか?」


「当たり前さ、自分の街を踏み荒らされて、気分がいいわけないだろ」


「......なるほど、一つお伺いしたいのですが...仮に私が犯人の捕縛に協力したとして、この地の領主様から直接褒美を賜ることは可能でしょうか?」


「.....ああ!!!もちろん、アンブレラ憲兵隊総司令官、ベルボーイ・ラウンジの名において保証する」


「では、微力ですがお力添えいたします」

これで、私たちの旅程を少しでも早めることができれば、といった具合でしょうか。



ブクマ感謝!!!!!!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ