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第三百四十二話 自己欺瞞

観念したセレスを見て、俺の野次馬根性が業火のように燃え上がる。

「よし!じゃあ、作戦会議と行こうか!!」


「作戦って....私は恋愛の経験なんてないのよ...」


そう言って不安そうな顔をする彼女に、俺はドンと胸を叩いて見せる。

「俺に任せて、なんたって俺は恋愛マスターだからな」

.......頭の中ではね。

「恋愛、マスター?」


「ああ、恋人だっているし、皇女様にキスしたことだってあるんだ!!」

若干脚色はしているが、嘘はついていない、うん。

「あの殿下に!!!貴方すごい人じゃない!!」


「....おうよ」

あまりにも俺の話を真に受ける彼女を心配になりながらも、俺の心の中の自己肯定感の芽がぐんぐんと成長していくのを感じる。


ここで、俺の調子乗りレベルが頂点に達する。

「ということで、俺のことは『先生』と呼ぶように!!」


「はい!!先生!!!どうか、私をアレスの恋人にしてください!!」

悪い気はしないが、ちょっと罪悪感を感じるな.....まあいいか。野次馬根性で協力しているという側面もあるが、ここで、セレスと結婚する可能性を0にし、それを周囲へとアピールするには最良の手だ。


「よし、じゃあ....とりあえず今日のうちに俺がアレスの気持ちを探っておくから.....君も今日のことをアレスに聞かれたらなんとなく濁しておいてくれるかな?」

まずは、あれだ。アレスに他に恋人とか意中の相手がいないかのチェックだ。それにこの結婚に対するアレスの真意を探る必要もある。そのためにはアレスを揺さぶる必要がある。


「はい!!先生!!」


「よし、じゃあ.....またこんな感じで作戦会議をしようか」


「わかっt......わかりました!!」

今後会う日程とか、予定なんかを取り決めて、俺たちは解散する。


侍女の案内で廊下を進んでいると、アレスに話しかけられる。

「お疲れ様です.....あとは私がご案内するよ」

そうしてさっていく侍女の背中が消えると同時にアレスは話しかけてくる。

「それで.....断ってくださいましたか?」


「いや、それなんですけど.....結構アリかなって」


「......は?.....失礼、それはどういうことでしょうか?」


「言葉のままですよ、セレスさんの旦那になるのも悪くないかなって」


「お話と違うではありませんか!!!」

ここで、初めてアレスの顔に焦燥感が浮かぶ。


さあ、こいつの鉄仮面を剥がして見せようじゃないか

今日から大学が始まりました。

大学生活で一番難しいのは、朝起きて講義に出席することだと思います。

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