第三十二話 剣豪伝説 Ⅰ
アンジーちゃん視点です
とても昔、私が生まれるよりも、それどころか私の親が生まれるよりももっと昔、この地には天下無双と呼ばれた剣豪がいた。数百年経って、彼は死んでもなお、その名を世界に轟かせている。彼は全ての剣士の憧れである、剣を志す者で彼に憧れたことのない者などいないほどに。かくいう私もそのうちの一人だ。幼い頃、母に聞かされた剣豪伝説に憧れて剣士を目指し、冒険者になった。ただ、私は弱い。このままでは【主人公】さんを守ることなんて到底できやしない。そこで私が目をつけたのがこの街の「剣豪伝説」だ。剣豪に関する逸話や伝説は各地に残っているが、この街のものは特別だ。強敵との戦いによって重傷を負った剣豪がここの温泉で傷を癒やし、そして剣士として次のステージへと至った。剣豪伝説始まりの地、それが「セウントの街」だ。その、剣豪が浸かったと言われる温泉に浸かれば、私ももっと強くなれるに違いない。そうすれば、私も主人公さんや他のみんなと肩を並べることができるはずだ。
「黄金の矛」の実力は以下のとおりです
【主人公】くん覚醒前
ゴルド、ハンゾー、メルト>アンジー>>>>>>>【主人公】
【主人公】くん覚醒後
ゴルド、ハンゾー、メルト>アンジー>【主人公】
焦って曇る女の子が一番可愛いですよね